富津市 冬の南房総 梨沢渓谷で渓流歩き     Stream Climbing in Nashizawa in Futtsu, Chiba

Sunday, January 18, 2015
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冬のど真ん中、この時期はバリバリ冬山、スノーハイクか、低山集中の里山歩きのどちらかに分かれてしまう。そんな中、番外編のまさかの冬の沢歩きを楽しんできた。場所は冬でも比較的温暖とされる南房総の梨沢、七ッ釜渓谷だ。梨沢は東京湾に注ぎこむ湊川の支流、相川の源流である。




f0308721_12405384.jpg<公共交通の場合> JR東京駅から千葉または木更津経由で内房線の上総湊(かずさみなと)駅で下車。木更津を過ぎると極端に電車の本数が減り上総湊駅着が遅くなってしまう。
前日入りし民宿などに泊まるか、または東京駅から上総湊駅まで南房総方面に行くJRバスがあるので、そちらを使うのも一考だ。
駅からはタクシーで(約20分)県道93から相川に沿って梨沢区公民館まで行く。
梨沢区公民館から梨沢(入渓ポイント)までは1時間弱の里歩きである。
公民館の先にある梨沢橋を渡り、三叉路を左に行く。
しばらく集落の中を車道に沿って行けば郷蔵集落に向かう分岐になるので、分岐を右に行く。 070.gif




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その後も要所の分岐には、写真の笠付き?の案内板が設置されているので迷うことは無いだろう。これらの手作りの案内板の脇には竹の杖(しかもリストループ紐も付いている)も用意されていて、とても親切だ。遠慮なくお借りしました。 040.gif




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小さな素掘りのトンネルをくぐり、最後の人家の前を過ぎ、突き当りの三叉路を左にいけば梨沢の河原に下りる路がある。その河原に下りる路をふさぐように倒れた大きな木の幹には硬そうなキノコ?が・・猿の腰掛というやつかな? 005.gif 039.gif




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さあ、いよいよ入渓だ。この日の外気温は12℃。思ったほど暖かくはない。沢登り用のシューズに履きかえながら、“この外気温って前橋とさほど変わらないぞ・・こんな日に足を濡らしながら歩くなんて大丈夫かな~?”と、まさかの冬の沢歩きにドキドキだ。 025.gif 009.gif




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しかし、歩き出したら心配するほどのことは無く、はじめは広い河原歩きなので、あまり足を濡らすことなく清流を右に左に飛び越えながら歩ける。 043.gif 070.gif




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そんな河原もだんだんと狭まり、両側の岩壁が迫ってくる。 005.gif




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入渓から30分もすると、両岸だけではなく、前方にも壁が立ちはだかり薄暗いゴルジュ帯に入って行く。何かが潜んでいる雰囲気・・ 008.gif




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ゴルジュの先には黒光りした “大滝(梨沢不動滝とも呼ばれている)” が現れた。 005.gif 大滝と言っても10mも無い滝なのだが、その堂々とした姿は実際の高さ以上に高く、そして登る事が難しく感じられる。 008.gif 沢登りには、先に何が現れるのか、そしてそれをどうに突破するのか、まるで障害物リレーのような楽しさがあるね。 045.gif 049.gif




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大滝は、滝の右岸(向かって左側)の水流の中にステップが刻まれているので三点支持でしっかりホールドとスタンスをきめていけば問題ない。 ただし、水しぶきを受けながら、滑り易い岩を登ることになるので、沢登り初心者などがいる場合はロープや細引きで確保してあげたほうが安心して登れるだろう。 034.gif
なお、この大滝は100mほど手前に巻き路があるので滝を迂回することが出来る。




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大滝の上から見たゴルジュ帯。なかなか迫力がある。 072.gif




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さて、梨沢のお楽しみは大滝を越えたここからだ。何と言ってもこのナメが美しい。 072.gif




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ナメで思い出すのは、昔、遡行した西沢渓谷の笛吹川東沢釜ノ沢の千畳のナメだ。さすがに千畳のナメには及ばないが、百畳くらいの長さはある。 041.gif




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冬でも緑の葉をつけた木々が渓流の景色に映えている。 072.gif




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やがて、ナメとナメの間に大きなウォータープールが出てくるようになる。 072.gif




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いくら濡れても良い身支度とはいえ、ウォータープールに積極的に入って行くほど暖かくはないので、縁をヘつっていく。 071.gif




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入渓ポイントから尾根に取り付く堤防手前まで、沢はほぼ水平で大滝以外は大きな落差はない。




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水辺が大好きなSue は犬のように沢の中を跳ねていた。 060.gif ルンルン、ピョンピョン 060.gif




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入渓してから約2時間ほどで、ひと際大きな釜や淵が連続して出てくる。この沢のハイライトである“七ッ釜”の通過である。009.gif 072.gif




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残念なことに七ッ釜の淵には流木がスタックしていた。 002.gif




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流木帯の後は、深い所では膝くらいまで水に入る。腰まで入りそうな淵はサイドの岩を登ったりしながらクリアしていく。 071.gif




f0308721_12494254.jpg七ツ釜を越えた先で沢が “二俣” に分かれ、右にルートをとる。

梨沢は山と渓谷社のハイキングガイドの本にも紹介されているくらいの易しい沢である。

そのためか沢登りには珍しく? 要所や分岐には道標が整備させている。




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二俣を過ぎると沢が細くなり、ツタ植物が目立つようになる。温暖で多雨の房総らしいうっそうとした感じがexoticで良い。 049.gif




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ナメの沢床の中にもユニークなウォータープールがあったりして飽きが来ない。 072.gif




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倒木なども現れ、だんだんと源頭部にせまってきた雰囲気がある。 072.gif




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ようやく谷の中にも陽射しが差し込み、光線がウォータープールの水を乳白色に彩る。まるで温泉みたいな色で肩まで浸かりたくなる。 058.gif 041.gif




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いよいよ沢筋が細くなり、両岸のシダ類が陽を浴びて生き生きと見える。冬とは思えない。ここだけ夏の沢のようだ。 058.gif




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最後のウォータープールをへつる同行者たち。息もぴったりで動作もシンクロナイズしている。 037.gif




f0308721_12531316.jpgそして、正面に突然、堤防が現れたら沢歩きは終わりだ。

入渓から約3時間の渓流歩きだった。

この堤防の30mほど手前で左岸(右)の急峻な尾根に取り付く。




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この尾根は粘土質のとても滑り易い急登である。フィックスロープがベタ張りなので助かる。 042.gif フィックスロープを頼りに15分も登れば、傾斜もおちて南房総らしい緑の森に囲まれる。 072.gif
冬の群馬県内の山は高山は雪山で、低山はどこも冬枯れだ。こんなに青々とした樹木のある山はないだろう。やはり南房総は暖かいね~いいな~いいな~ 060.gif 070.gif




f0308721_12544486.jpgそして、小ピークまで登れば小さな大日如来が、 “お疲れ様でした” と出迎えてくれる。

ここから0.3kmほど南に行けば林道保田見線に合流する。 042.gif

小ピークからもスタート地点の梨沢橋まで続くトレイルがあるが崩壊箇所があるようなので、遠回りではあるが保田見から釜ノ台集落をまわる林道保田見線(梨沢橋まで約6km)で戻ることにする。 070.gif




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林道保田見線は、林道と言っても山中に点在する集落をつないでいる、いわば生活林道である。そのためか、部分的なダートを除いては、ほぼ全線に簡易舗装がなされている。
“6kmも舗装道路を歩くのか~”といささか懸念したが、思いのほか見所が満載の味のある林道だ。 049.gif
南房総と言えば、冬でもスイセンや菜の花が咲き乱れているイメージがあるが、お約束通り白いスイセンが林道脇の山の斜面一面に咲いている。甘い香りに包まれながら、私たちの足取りも軽やかだ。 056.gif




f0308721_12555810.jpg林道は車1台が通れる路巾で、途中に完全に崩壊してしまった廃屋などもある。

釜ノ台の集落から小保田方面に行く分岐を左に分ける。




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40分くらい林道沿いの、のどかな山間部を歩いていくと、今時珍しい素堀の隧道が連続的に3つ現れる。特に3つ目の隧道は高さも距離もあり、北アの上高地へ行く釜トンネルみたいだ。内部は暗く、足元も凸凹があり、水溜りなどもあるので注意してね。 034.gif やがて右側に相川が見下ろせるようになれば高塚集落は近い。集落の中を10分も行けばスタート地点の梨沢橋に着く。林道保田見線を歩くこと約1時間30分ほどだ。 042.gif




f0308721_12575416.jpg前記したように、このルートは山と渓谷社のハイキングガイド本 “千葉県の山” に紹介されている。
そのためハイカーでも簡単に取り付けると判断してしまうが・・私的見解としては、これは、“沢を歩くハイキング” ではなく、立派な “沢登り” である。
大滝や七ッ釜といった難しいポイントには迂回路があるとはいえ、スニーカーを履いたハイカーが安易に入るべきではないと思う。
この本でも “沢登りの経験者が必要” と小さく書かれてはいるが、だったら初めからハイキングガイドに載せなきゃいいのにね!
山岳事故は基本的に自己責任であるが、近年の山岳事故は過酷な山に挑戦するクライマーよりも、ハイカー&一般登山者が多いようなので、大衆雑誌の責任って大きいと感じる。特に自己責任概念の薄い日本人ハイカーをターゲットにしているのだから。


私のこのトレイルへの評価: 4★ ハイキングレベル?では・・あえてつけるなら上級者以上(沢登りグレードでは初級)
行程距離: 約11km(梨沢橋‐梨沢入渓‐大滝‐七ッ釜渓谷‐林道保田見線‐釜ノ台集落‐梨沢橋)
高低差: 約230m
実動時間:約7時間(約50分のランチ休憩込み)

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by dream8sue | 2015-01-18 18:55 | Stream Climbing | Trackback | Comments(2)
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Commented by y at 2015-01-21 22:08 x
房総半島で沢登りが楽しめるんですね これは、意外でした。
他にもさがせば面白い沢がありそうですね なんせ広い半島ですし
Commented by dream8sue at 2015-01-21 23:05
yさん、
房総の山々は標高は低いですが、複雑な地形と起伏に富んでいるので、意外と山深いですよね。
沢登りとしては、君津市の三島湖上流あたりに良い沢があるようです。
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