南牧村 碧岩西稜で藪岩クライミング     Rock Climbing on Midoriiwa West Ridge in Nanmoku,Gunma

Sunday, June 28 2015
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群馬県の西には低山ながら多くの岩峰がある。5月にハイキングした西上州の碧岩(南稜)もその一つだ。梅雨の晴れ間をついてこの碧岩のバリエーションルート、西稜を登ってきた。 071.gif




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写真は、碧岩の東にある大岩(1,133m)側から撮った碧岩だ。写真の左のラインが一般ルート(と言っても上級者向け)の南稜だ。右のラインは北稜または北東稜になる。残念ながら西稜はこの写真ではピークの裏側なので見えない。 046.gif 002.gif




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アクセスと、アプローチに関しては、5月の “南牧村 碧岩・大岩は天使のランディングスポット Midoriiwa & Ōiwa in Nanmoku,Gunma” を参照してほしい。

アプローチの三段の滝(南牧村3大名瀑の一つ)へは、居合沢に沿ってトレイルが作られている。

梅雨時の居合沢は5月の時よりも増水していてトレイル・コンディションは悪い。徒渉では靴を濡らさないように徒渉ポイントを探した。 009.gif 025.gif

三段の滝をはじめ、沢の中の小滝は、迫力ある流れが見られ白い水しぶきが一段と美しかった。 049.gif 072.gif 057.gif




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ひと月前に登山口に咲いていたヘビイチゴの白い花は、今は赤い実をつけていた。一ヶ月の間に、沢に咲いている植物も入れ替わっている。 056.gif

ギンレイカという美しい名前の花(写真左)。新田次郎の小説(銀嶺の人)のほうでは無いよ。花を銀の鈴に見立てて銀鈴花だよ。 037.gif

キオンによく似た黄色い花はサワギクのようだ。ウワバミソウだけが春と変わらない様子で、そのみずみずしい緑の葉を広げていた。 056.gif
 



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三段の滝の高巻きは相変わらず悪い。いや、連日の雨で濡れている分、5月よりも悪く感じられる。 008.gif




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三段の滝を落口まで登りきると、左手に派生している尾根がある。これが西稜の末端だ。ここから取り付いても良いだろうが、通常は沢を少し登った右岸(川下に向かって右)のルンゼをつめる。




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右岸のルンゼの取り付きには小さなケルンがあるが、崩れかけているケルンはよほど気をつけていないと見落としてしまう。ルンゼといっても顕著ではなく、尾根が少し窪んだ感じで分かりずらい。 039.gif

そこで赤布を2つ新たに付けておいたので、登られるクライマーは目印にしてね。 034.gif 登山口からこの取り付きまで約1時間くらいだろう。 059.gif

このルンゼは、登ってみると確かにルンゼ状で梅雨時の今は、落葉の下に水の流れるグズグズの悪いルンゼだ。 008.gif




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ルンゼを50mほど登ると、左に小さいリッジがあり、そのさらに左奥に岩の要塞のような壁が見えてくる。 005.gif




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この要塞の左側壁に西稜のコルが見える。ここでアンザイレンして、15mほどの下部岩壁(脆そうな草付きフェースから顕著な凹角)を登り西稜のリッジに出る。 071.gif




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2ピッチ目は、リッジに沿って20mほど登る。 071.gif




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周辺の壁にはコメツツジの木がたくさん生えている。まだ白い小さな花をつけている木もある。 056.gif




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3ピッチ目は、右に回りこみブッシュの凹角を登る。 071.gif 042.gif

30mほど登ると傾斜の落ちたリッジにつく。振り返って下を見れば西稜の末端壁が見える。




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そして、目の高さには碧岩の西に位置するタカノス岩が見えてくる。 072.gif




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北側には立岩が、すっかり緑の衣をまとい岩肌を隠している。 072.gif




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すぐ近くの眼下に見える岩場は何だろう?チョキ、オモツ、雨乞岩あたりかな? 039.gif

3ピッチを登りきった辺りから傾斜が緩くなるのでコンテでも良いかとも思ったが、所々で岩登りが出てくるので、もう2ピッチほど確保システムで登った。その後、コンテで500mほど登る。正直な話し、30分くらいブッシュの尾根歩きなのでロープが藪に引っかかったりして面倒なので一旦アンザイレンを解いても良いと思った。 042.gif 008.gif




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クライミングしながらも、こんな綺麗な花が目に入ってきた。
ほとんど土など無い岩壁に根を張りひっそりと咲いていた。
一見スミレかと思ったが、良く見ると蘭の花のようだ・・ 056.gif

後で調べたら、何と山野草愛好家に人気のウチョウランの原種ではないか! 005.gif
盗掘により絶滅危惧種になっているウチョウランは文字通りの高嶺の花。
そんな希少な花と知っていたなら、こんなピンボケ写真ではなく、もっとちゃんと写真におさめておいたのに! 017.gif





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梅雨の晴れ間ということだが、風はあるが夏のように暑い。 042.gif 058.gif

藪尾根歩きにうんざりしてきた頃、左手に碧岩の北西壁が見えてきた。 005.gif 004.gif 左のスカイラインが北稜だが結構な傾斜だ。機会があったら登って見たいな~ 072.gif




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さて、ここからいよいよ松本伊代・・上部岩壁が始まる!。

1,2ピッチは易しいブッシュ交じりのリッジを登る。




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3ピッチ目はクラックがはしる垂壁から左上して松の木のあるテラスへ。

Sueの腰にぶら下がっているのは、トライカムという、三角形のナッツ(ナチュラルギアの一種)。カムには対応できない凍りついたクラックや泥などで汚れたクラックにも効果があるとして愛用者は意外に多いらしい。

私はカム(SLCD=spring-loaded camming device)世代?なのでナッツやロックスのセットはあまり得意ではない。もちろんヨセミテのBig Wallではそれなりに使っていたけど、トライカムをセットした経験は一度も無い。プロテクション類の適切なセットには習熟が必要だね。もう無理!




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ようやく岩登りらしいピッチになってくる。 060.gif 072.gif




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4ピッチ目の岩場には残地ハーケンが2本あった。テラスから左の高度感のあるすっきりしたリッジ(Ⅲ級+)に登ってから、やや右上する。 071.gif 072.gif




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リッジをよじ登れば、そこはトンガリ岩のある広いテラスだ。 060.gif




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振り返ればタカノス岩がもうあんな下に見える。

西上州の山々をバックに高度感のあるリッジを登るのは実に気持ちが良い。 060.gif 049.gif

実質的な登攀はこのピッチで終わりであるが、山頂までさらに2ピッチほどアンザイレンのまま伸ばす。




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取り付きからほとんど休まず約3時間30分ほどのクライミングだった。 042.gif 066.gif

5月に来たときは、碧岩山頂にはアブラツツジのイヤリングのような可愛い花が満開であったが、今は花はなく葉が大きく成長していた。




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ピークからは一般道の南稜を降るが、碧岩の基部までは怪しいフィックスロープを頼りにクライミングダウンする危険なトレイルなので油断はならない。 034.gif

私たちはこの後、碧岩の東に位置する大岩のピークハントをしてから、ハイキングトレイルを降った。この間のトレイル状況は、5月のレポートを読んでね。 034.gif 040.gif





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久しぶりにザックを背負ったクライミング(いわゆる本チャン)で肩がこった。 003.gif
それに低山の宿命で藪岩の藪こぎクライミングと、暑さで思った以上に疲れた。 002.gif
もう西上州は秋までお休みだ。藪が濃くなる前にぎりぎり滑り込みで何とか登れた藪岩クライミングだった。 049.gif

私のこのルートへの評価: 3★

行程距離: 約7km(碧岩登山口‐三段の滝‐西稜‐碧岩‐大岩‐三段の滝‐碧岩登山口)

標高差: 約650m

実動時間: 約8時間 (休憩込み)/ 西稜クライミング:3時間30分

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by dream8sue | 2015-06-28 20:53 | Rock Climbing | Trackback | Comments(6)
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Commented by 目黒駅は品川区 at 2015-07-01 10:12 x
そこ、昔登りました。なかなか爽快でいいところですよね。
登り切ったところに登頂記念のボルトがあった記憶があるんだけど、まだありましたでしょうか。
Commented by dream8sue at 2015-07-01 16:19
目黒駅は品川区さん、
登り切ったところ・・?とは山頂ですか?
実質的な登攀の終了ポイントはトンガリ岩のある大テラスですが・・ボルトは無かったような・・。
基本、藪岩ルートなので、ほとんど立ち木でビレーポイントをとってました。
登頂記念にボルトとは、良い時代でしたね。(笑)
今は自然破壊にうるさい時代ですから、むやみにボルトなんて打つと袋叩きにあいそうな勢いですよ。(笑)
もう、ボルトをネイリングできるクライマーなんて少ないですね~かく言う私も、本チャンでボルトを打った経験は1度しかありません。
そのくせ、フリークライミング(スポーツクライミング)には寛大で、電動ドリルでばんばんピカピカのボルトを打って新ルートを開拓してますね。。
何かがおかしいと思うのは私だけ??(笑)
Commented by ナオ嬢 at 2015-07-03 10:45 x
ボルトですか。本チャンで打ったことはないけど、2日間抜きまくったことはあります。谷川の三スラで。それはともかく、同じ碧岩で、ノーマルルートが5つ星なのに、西稜が3つ星なのはなーぜ?やぶのせい?
Commented by dream8sue at 2015-07-03 18:11
ナオ嬢さん、

谷川の三スラで2日間、ボルトを抜きまくった! 面白そうな話ですね。 (゚0゚) オ-! 
はい、単純にハイキングトレイルとしての面白さ(渓流美+岩稜のスリルの楽しさ)と、クライミングルートとしての完成度の違いです。
クライミングルートでは瑞垣山のマルチルートなどと比べたら★3が妥当だとおもいますが・・藪も多く、岩稜部分も短いですよね。
ハイキングエリアとしては大好きな西上州ですが、クライミングエリアとしては・・所詮、藪岩山ですよね。(笑)
Commented by y at 2015-07-05 20:14 x
三段の滝、見比べてみたら、確かに水量が段違いでしたね

碧岩の西稜、思ったほど脆くなく、見た目よりクライミングの要素がある、なかなか面白いとこではありますね〜
Commented by dream8sue at 2015-07-07 02:27
yさん、

西上州の藪岩クライミング、面白いですか?
私はクライミングするなら、やっぱり花崗岩がいいな~ クライミングしないけどね。(笑)

こんな小さな沢でも梅雨時の増水はすごいですから、この時期の黒部渓谷とかの大渓谷って壮絶でしょうね。


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