上信越 カヤの平高原 ブナ林に眠る2つの湿原    Kayanodaira in Jōshin'etsu-kōgen National Park

Saturday, July 4, 2015
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信州、カヤの平高原と聞いても、ピンとくる人は少ないだろう。

観光客やハイカーに人気の志賀高原の北に位置しながら、幸いあまりハイカーがおしかけることが無い静かなエリアだ。

標高約1,500mの穏やかな高原台地には、樹齢300年のブナの原生林や大小の湿原が点在している。

中でも代表的な湿原が “北ドブ・南ドブ湿原” である。名前はいただけないが、小ぢんまりとした美しい湿原である。 072.gif




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アクセス :上信越自動車道、豊田飯山ICから千曲川を渡り、木島平村の糠塚集落から清水平林道を東に1時間(約30km)ほど走る。

私は今年(2015年)春に開業した、北陸新幹線で飯山駅まで行き(高崎から1時間)、駅前からレンタカーを借りた。飯山駅の観光案内所は、安いレンタカー会社を紹介、手配までしてくれた。  040.gif


カヤの平高原には、牧場やキャンプ場があり、ビジターセンターとも言うべき総合案内所には、係員が常駐し、高原の散策路案内をはじめ、花や山野草などの自然情報なども提供してくれる。 034.gif

私も、気になっていた高山植物、ショウキランの植生場所を尋ねたら親切に教えてくれた。  040.gif




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まずは、そのショウキランがみられる南ドブ湿原へいってみよう。 070.gif

総合案内所の右横から公園のように綺麗に管理された牧場の端を歩き、南西に向かって樹林帯を降る。




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10分ほどで南ドブ湿原に着く。

遠めに眺めるのみで、湿原の中までは入れないのが残念である。 002.gif

南ドブ湿原は5千㎡の小さな湿原であるが、5月にはミズバショウが咲き、今の時期はアヤメやツツジなどたくさんの高山植物が咲いている。 056.gif




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トレイル脇には、落葉低木のミヤマイボタが小さな蕾をつけていた。

樹木についている北信森林管理署のネームプレートによれば、花は6~7月で、秋には実が紫黒色に熟す、と書いてある。 034.gif




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こちらも美しい花は、サンゴミズキかな? 056.gif




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そして、私の今回のお目当ては、このショウキランである。 Oh~!かなり強烈な花だ。 005.gif

今回は、ブナ林の中でたくさんのギンリョウソウに出会うが、このショウキランもギンリョウソウ同様、葉緑素を持たない植物界の異端児である。

菌類と共生し菌根をつくり、菌から栄養を奪って生活している。このような植物を腐生植物というらしい。

どこにでもいますね~、おねだり上手の美魔女は。 041.gif

まさにこのピンク色、美魔女の風格ありますね~。

男勝りのSueは爪の垢でも煎じて飲まにゃいけんね~ 041.gif




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ショウキランにショウキ(正気)を無くしたSue の目に留まったのは、赤城山の山麓でも見かけたオククルマムグラである。

1cmにも満たない小さな白い花が宝石をちりばめたようだ。その可憐さに、ようやく正気を取り戻したSueであった。 041.gif




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南ドブ湿原は、ゆっくり一周しても1時間はかからないだろう。 059.gif

再び総合案内所のあるパーキングに戻り、今度は、カヤの平高原ロッヂの先から北ドブ湿原を目指そう。




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パーキング周辺でアザミの蕾を発見。昆虫が2匹蕾の上に乗っかっている。 この昆虫、鼻が象みたいに長いゾオ(象)! 009.gif




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さて、北ドブ湿原へは、メインロードともいえる北ドブ歩道を歩く。東西2本のトレイルがあるので、往復で周回すると良いだろう。

ちなみに、この手前の花はサワフタギという樹木で、北信森林管理署のネームプレートによれば、高さ2~4mになる落葉低木で、秋には実が藍色に熟しよく目立つ、と書いてある。 034.gif




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ここは、トレイルが整備され、起伏がなく歩きやすいことから、群馬県上野村同様に森林セラピー基地に認定されている。




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はじめはシラカバ、ダケカンバなどが群生する木道を行く。 071.gif 072.gif




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そして、いよいよ地元の人が、日本一美しいというブナの原生林へ入って行く。 070.gif




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日本一美しい原生林が日本中にたくさんあって困ってしまうね。 003.gif




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どうでしょう?039.gif 日本一美しいブナの原生林! 034.gif 日本一ってことでいいでしょう! 037.gif




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そして、雨上がりのブナ林の主役は、何と言ってもこのギンリョウソウである。

豊かなブナ林の林床からニョキニョキと白い頭をだしていた。 005.gif




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別名、ユウレイタケ(幽霊茸)とも言われるが、雨の雫に濡れたギンリョウソウは、幽霊というより、ベールをまとった妖精のようだ。 043.gif




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ギンリョウソウの和名の由来は、全体の姿を白銀色の竜に見立てたものらしいが、私にはお鼻の大きなムーミンにしか見えない。 041.gif

ムーミンはいつも下を向いているので、下から中を覗いてみた。オレンジ色の歯車みたいなのが見える! 005.gif




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ギンリョウソウの他にも、面白い植物を発見。

これ花ですか? 4枚の葉っぱの上に、まるで羽根つきの羽根が乗っているようなのでツクバネソウと命名された花だ。

初めて見た!巨大ゴゼンタチバナかと思った! 005.gif




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なだらかに続くとトレイルは、さすがにセラピーロードだ。 043.gif

ブナ林の樹相のコントラストを楽しみながら歩ける癒しのトレイルだ。ここなら子供やお年寄りまで歩けるだろう。

北ドブ歩道の入口から約1.5kmほどで東西コースの分岐に着く。

ここから右にルートを取れば北ドブ湿原まではすぐだ。 071.gif




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トレイル脇には、お知り合いの須田ちゃん、じゃなくて、ズダヤクシュの花も定番だ。

この植物は喘息に効くらしい。長野県では喘息のことを “ズダ” って言うって本当ズダ? 041.gif




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分岐から少し下っていくと、突然目の前が開け、北ドブ湿原(標高1550m)が全容を現す。




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北ドブ湿原には木道が敷かれ、湿原の中央部まで立ち入ることができる。

約7万㎡の北ドブ湿原では、コバイケイソウ(写真上)やワタスゲ、トキソウ、ジャコウソウなどさまざまな高山植物を観察できる。




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陽が陰ると花が閉じてしまうタテヤマリンドウは、湿原の小さくて大きな存在だ。 056.gif

蕾の縦じま模様を見ると、床屋の回転灯を思い出すのは私だけ? 003.gif




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原生林に囲まれた北ドブ湿原には小さな休憩場(アズマヤ)もあるので、のんびりと腰を下ろしてくつろぎたい。 063.gif




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アズマヤへ向かう、木道の脇にオオバタチツボスミレ(写真上)の群落がある。

ここカヤの平高原は、植物分布上では、オオバタチツボスミレやチシマウスバスミレの南限の群生地らしい。 027.gif

まさか7月にスミレの花に会えるとは思っていなかったな~。 056.gif

このスミレ、名前の通り葉っぱが異様に大きい!




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そして何と言っても、北ドブ湿原では7月中~下旬にかけてニッコウキスゲが咲き誇り、湿原一帯がイエローに染まる素晴らしい景色を見ることができる。

・・・ということだが、訪れる時期が少し早かったようだ・・・残念! 007.gif

休憩所の前に1輪だけ咲いていた。 056.gif




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そのニッコウキスゲの隣の落葉低木はコマユミだ。北信森林管理署のネームプレートによれば、高さ1~2mで秋には美しく紅葉する、と書いてある。 034.gif




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多くの団体ハイカーは、この休憩所で往路を引き返す。

時間があるので、湿原をさらに進み、休憩所から1kmほど北にある八剣山(1,676m)まで行くことにする。

休憩所から先は、湿原に流れ込んでいる小さな沢沿いなのでぬかるんでいる。 008.gif




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沢沿いといえば、トリカブトの仲間はお決まりだね。

写真上は、花の咲く時期はトリカブトより早いオオレイジンソウだ。

色は見ての通りトリカブトとはまるで違うが、花の形はよく似ている。毒の方も1級品だ。 008.gif




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そして、お決まりといえば、エンレイソウ(写真左)と、ユキザサ(写真右)も外せない。 034.gif




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休憩所からひと登り(0.6km)で、八剣山への分岐に着く。分岐にはキヌガサソウが群生していた。 056.gif




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分岐を右に進むと、やや急斜面の登りとなる。

でも、足元にはツバメオモトやマイズルソウの群落があり、さほど登りの苦しさは気にならない。


あ、本当に花の天辺で一羽の鶴が舞っているよ! 005.gif 056.gif





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分岐から約20分(0.4km)で低木林に囲まれた八剣山に到着だ。 066.gif

展望不良のピークにはナナカマドが満開だった。 056.gif

展望良好のピークとしては、南側に高標山(たかっぴょう)があるので、展望を楽しみたいハイカーは、そちらの山を登ることをお勧めする。 034.gif




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下山は、いったん八剣山の分岐まで戻り、北ドブ湿原の西側のトレイルに進もう。

階段状の急坂を100mほど登れば、右に八剣山歩道を分ける。

階段の脇にはタニギキョウと思われる小さな花がびっしりと咲いていた。 056.gif




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左のブナ林の中の緩やかなトレイルを1.2kmほど南下すれば、北ドブ歩道の東西コースの分岐にいたる。




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この間は、ナナカマドやオオカメノキの低木のトンネルが続く。 072.gif




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前方に、白いかたまりがあれば、それはギンリョウソウと思ってよい。それほどブナ林のあちこちにムーミンのファミリーがいる。 おや、ずいぶんと大家族だね。 003.gif




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北ドブ歩道の東西コースの分岐に着く。 ここからは西コースを戻っても、東コースをとっても時間的に大きな差はない。 059.gif





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東コースからロッジ近くにある “信州大学ブナ原生林教育園” を見て帰るのも良いだろう。

軽い周回コース(0.7km/20分程度)になっているだけだが、解説板もあって勉強になる。




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長野県の最北の地なのに、北陸新幹線の開業により、北信が近くなった。

湿原の規模や美しさだけなら、尾瀬に行ってしまうが、ここは日本一美しいブナ林とセットで楽しめるところが利点である。 045.gif

牧場やキャンプ地もあり、トレイルもお手軽ルートなので、子供連れや仲間でアウトドアを楽しむには最適な場所だと思う。

本格的ハイカーには物足りないかも知れないが、ここはゆっくりと足元の小さな植物と語り合いながら歩きたいトレイルだ。 043.gif


私のこのトレイルへの評価: 4★ 初心者、初級者向け

行程距離: 約7.5km(南ドブ湿原周回‐カヤの平高原ロッジ‐北ドブ湿原‐八剣山‐信州大学ブナ原生林教育園周回)

標高差: 約250m

実動時間: 約4.5時間 (休憩込み)

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by dream8sue | 2015-07-04 23:20 | 上信越高原 国立公園 | Trackback | Comments(0)
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