奥秩父 小川山でヘリコプターによる山岳救助をみる     Rock Climbing in Mount Ogawa in Chichibu-Tama-Kai NP

September,22-23, 2015
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長年、登山やハイキングなどをしていると、ヘリコプターによる山岳遭難や事故現場のレスキュー活動に出くわすことがある。

今年(2015年)のシルバーウィークに行った、小川山の妹岩で起きた事故もそのひとつである。

アメリカでヘリコプターの操縦をしていた私としては、レスキュー作業でのパイロットの操縦スキルには大変興味がある。 013.gif

昔、クライミング仲間がヨーロッパアルプスで怪我をしてヘリコプターでレスキューされたことがある。傾斜のある斜面すれすれにホバリングして、イケメンのレスキュー隊員がヘリから飛びおり、仲間を背負ってヘリに乗り込んでいった。 005.gif 043.gif

ヘリコプターのローターブレード(回転翼)が斜面から2mくらいしか離れていなかった。パイロットの操縦もそれはそれは見事であった。

日本の山岳レスキューは、斜面すれすれまでヘリの高度を下げることはしない。リスクが大きすぎて日本人パイロットにはさせられないのだろう。上空でホバリングしてワイヤーを下げてレスキュー隊員や要救助者を吊り上げる方法が主流だ。

まあ、それにしても山岳地帯は気流が不安定なので、的確にピンポイントにワイヤーを下げるためのホバリングには神経をはらう。パイロットとしての経験の乏しい私が言うのもおこがましいが、ヘリコプターの操縦で一番難しいテクニックがホバリングだと私は思う。




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小川山は、長野県川上村にあるフリークライミングのメッカである。クライミングを行なわなくなって久しい私は、夏に避暑のつもりで行ったのを切っ掛けに、再度ここを訪れることになった。

小川山へのアクセスについては、前回の “川上村 小川山で避暑クライミング    Rock Climbing in Mount Ogawa in Chichibu-Tama-Kai NP ” を参考にしてほしい。

小川山の廻り目平キャンプ場のパーキングからは、いつものように屋根岩の眺めが素晴らしい。 072.gif 058.gif




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さて、初日は前回登れなかった人気ルートの “トムと一緒 5.10a” がある八幡沢左岸スラブに向かう。 070.gif

金峰山へのトレイルである林道を進み、ゲートを越えるとすぐ右手に八幡沢が出合う。出合いには “ビクター” というボルダーがある。沢の右岸についた踏み跡を行き大小の堰堤を巻きながら越えると、 “トムと一緒” がある河原に着く。

だが、連休とあってここは満員御礼で順番待ちが長そうだ。 025.gif 015.gif

長い順番待ちまでして登りたいと思うほどのクライミング熱はもう無い。 代替案として、近くにあるマルチルートの “春のもどり雪:4P、5.7” というルートに向かう。 070.gif

“トムと一緒” から八幡沢を少し上流に行き、左岸のガレ状のルンゼをつめる。 042.gif 樹林帯に入り右に進むとすぐにスラブ帯が現れる。その末端が、 “春のもどり雪” の取り付きである。




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“春のもどり雪” の1Pは、5.7の傾斜の緩いスラブを直上する。トップロープ(TR)用の支点は、右のルンゼの垂壁にあるが、マルチピッチなので真っ直ぐ伸ばして立ち木でビレーポイントとする。




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2P目は、スラブを左上し、立ち木に至る。




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先行パーティーが、ルートをを登り終え、早くもラッペリングで降りてきた。 071.gif





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3P目は、緩やかな凹角沿いに右上し、その後スラブを立ち木を目指して登る。が、プロテクションが取れないため、易しいピッチではあるがランナウトする。上部でキャメロットを2本セットする。




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4P目、緩いスラブを左上し、5mほどの垂壁で行き止ったら右へトラバースし、大木の生えたテラスに上る。ここが終了点だ。




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ルート終了点からは、八幡沢が遥かに見え高度感がある。眼前には金峰山川西股沢を挟んでマラ岩方面の岩塔群が見える。




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ラッペリングは、4P終了点の大木から2P目の立ち木まで(40m弱)降りる。そこから取り付きまで(45m)1回のラッペルで降りられる。しかし、この時は、 “春のもどり雪” の1P目の左側にある “ロリーターJUNKO 12a” にトライしているクライマーがいたので、ロープの流れを考えて、 “春のもどり雪” の1P目のTR用の支点を経由し、3回のラッペルで降りた。 042.gif




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我々がラッペリングで降り始めて程なくして、どこからかチョッパー(ヘリコプターのこと)の音がして、南東の空に機体が現れた。




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ヘリコプターは、何度か偵察旋回し、レスキュー現場と思われるマラ岩の上空でホバリングをはじめた。




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レスキュー隊員をワイヤーで下ろし、岩場から離れたところで待機ホバリングする。救助体制が整ったところで、再度ワイヤーをたらして、レスキュー隊員と要救助者をピックアップして東の空に飛んでいった。お見事です! 038.gif




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我々もマルチルートを終え、帰り際に左岸スラブの “トムと一緒” をワントライし、クライマーで賑わう廻り目平キャンプ場を後にした。

この夜のねぐらは、廻り目平キャンプ場ではなく、野辺山にある滝沢牧場(廻り目平から車で30~40分ほどのところ)である。

山の中にある廻り目平キャンプ場とは雰囲気が異なる観光牧場の中にあるキャンプ場だ。ファミリー・キャンパー向けのキャンプ場なのでクライマーは私たちだけだった。 068.gif 069.gif 024.gif

廻り目平キャンプ場よりも値段も安く、ゴミの回収サービスなども良い。観光牧場だけにピクニックテーブルなども多く、売店やカフェなども充実している。

我々は2日間とも小川山だったが、瑞牆山や湯川の岩場、男山や御座山へのハイキングなどの拠点には良いかもしれない。 049.gif




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2日目は、金峰山荘周辺からよく見える父岩と、兄岩に行くことにした。 070.gif




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金峰山荘の前から金峰山川西股沢へ降りて川下に行く。ケルンの積まれた場所あたりから川を徒渉する。川が増水している時期は徒渉ポイントの見極めが難しい。 039.gif 008.gif




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父岩で、小川山の入門ルートのひとつである、 “小川山ストーリー 5.9” を登る。

その後、兄岩に移動して “ピクニクラ 10b” をトップロープでトライした。が、ハング上のフェースの立ち込みが難しくて私は登れなかった。

写真は “ピクニクラ” を絶妙なバランスで登って行くY氏。




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金峰山荘の前からみた兄岩と、ピクニクラのルート(黒線)。

右下にある “タジヤンⅣ 5.10a” も小川山らしいスラブの好ルートだ。スラブは近年流行のクライミングジムでは登ることはできない。外壁ならではの岩の形態だね。 045.gif

それにしても、昔に比べてルートを登るクライマーが減り、目につくのはマットを担いだボルダラーばかりだ。フリークライミングのメッカ小川山も時代と共に移り変わっていることを10年ぶりに訪れて実感した。 039.gif

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by dream8sue | 2015-09-23 17:28 | Rock Climbing | Comments(0)
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