下仁田町 荒船山の失われた路 小屋場ルート     Mount Arafune in Shimonita, Gunma

Sunday, May 8, 2016
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群馬県と長野県の県境にはギアナ高地を思わせるテーブルマウンテン(長さ約2,000m、幅約400mの台地)荒船山がある。この山へは県境の内山峠から登るのが一般的であるが、他にも長野県側の荒船不動からのトレイル、群馬県側の相沢集落からも登れる。健脚向きには立岩登山口から立岩とダブルで登るルートもある。それらの現役?登山口とは別に、群馬県側から内山峠に登る途中に “小屋場” という登山口があった。そう、過去形で現在は廃道だ。200mの岩壁である艫岩(ともいわ)の北面の沢から入り、相沢に続く東の尾根に合流するルートで、荒船のテーブル台地に登り上げる(距離的には)最短ルートである。そんなルートが何故廃道になったのか。荒船山の失われた路の謎を探るべく廃道探検隊が、ミツバツツジが満開の小屋場ルートを行く。  070.gif

注意: 小屋場ルートは、現在は廃道で一般ルートではありません。 入山に際しては何が起こっても対応できるように自己責任の概念をしっかりもって登ってください。




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<マイカーの場合(前橋方面から)>

国道254号線で長野県佐久市方面に向かう。(上信越自動車道利用の場合は、下仁田ICで下りて国道254号線に合流する)
下仁田町を抜け峠道の途中“下仁田トンネル”を越えたヘアピンカーブのところが小屋場ルートの取り付きだ。
ここは旧道と交差しているので、旧道の路肩(内山橋周辺)にパーキング可能。
私たちは相沢集落へ下降予定なので、もう一台の車を相沢登山口にデポした。




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内山橋の下を流れる沢を上流に向かう。沢筋に沿って行くと、今時珍しい石積みの堤防がある。この堤防の上を左岸(川下に向かって左側)から降りて右岸に渡る。この辺りまではかすかに踏み跡があるが、この堤防からはルートファインディングが難しくなる。




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流れが二俣になるので左俣に沿って登ると、大きなボルダーがあり・・




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二つ目の石積みの堤防がある。

この堤防の上は崩れ落ちて土砂に埋もれていた。 005.gif

この沢はもうメンテナンスされることはないのかな~? 039.gif




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さて、二つ目の堤防を過ぎたら、いよいよ沢と分かれて右岸の山腹にルートを求めて行く。

この辺りの尾根は何処も登れそうで、どの尾根に取り付くのか迷うところだ。 039.gif

インターネットでも全く情報が無く、この先に何があるのかわからない緊張感がある。 025.gif

周囲は新緑が美しい。 072.gif 072.gif

標高のせいなのか、下草もなく明るい自然林が続く。

ふと、見つけた小さなフデリンドウの3つの花が心を和ませてくれる。 056.gif




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歩き易そうな尾根を目指して踏み跡の無い、ザレた斜面を登る。 042.gif




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と、支尾根を登りきると、石垣の摘まれたトラバース路の名残があった。よし、ここまでのルートは間違っていない。 045.gif




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なおも山腹をトラバースして行くと、左側が高い岩場となり、涸れ沢と合流する。




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岩場の右側から涸れ沢を登る。




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涸れ沢の中ほどで木に白いテープが巻かれている場所がある。ここから涸れ沢は傾斜をますので、左の浅いガリーのような斜面に入る。




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踏み跡は皆無なので、地形の弱点を見極めて登る。自分が開拓者ならどこにルートを付けるか?という勘のようなものを信じて左の尾根(東側)のコルを目指す。




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そのコルに登り上げると、木に白いテープが巻かれていた。

そして、さらに東の尾根に続く踏み跡らしきトレイルがある。

おそらく、大きく東に巻いてから、一般ルート(相沢ルート)に合流する支尾根に登るものと思われるが、方向的に不安だったので、コルから続く尾根を直登することにした。




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コルの周辺からは右に艫岩が見える。この艫岩が右に見えていれば方向的には正しいだろう。艫岩はよく戦艦や大きな客船に見立てられるが、艫岩の艫とは船尾のことらしい。が、この角度から見る艫岩は船尾ではなく船首を正面から見ているようだ。この角度からの艫岩を見られるだけでもこのルートの価値があると思うのは私だけだろうか?まさに空に浮かぶタイタニック号だ! 005.gif 037.gif




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コルからの尾根を登ると、大きな露岩が現れる。露岩の左を巻き、一般ルートに合流する支尾根に出る。ここも全く踏み跡は無いので、登れそうな斜面を登るのだが、ルート取りを誤ると、グズグズの脆い斜面なので苦労するよ。 034.gif  お~い、そんな急な斜面に取り付いて大丈夫なの? 025.gif 003.gif




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一般ルートに合流する支尾根にはミツバツツジが多い。




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合流点手前の艫岩が見える場所はミツバツツジの群生地で、艫岩がパープル色に染まって見えた。 005.gif




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一般ルートから少し入ったところにこんなミツバツツジの花園があるとは嬉しい発見である。




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その一般ルートへは花園から5分とかからないで合流できる。




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ツツジにばかりに目がいくが、よく見れば足元にもツルキンバイ?やフモトスミレがたくさん咲いている。 056.gif




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一般ルート(相沢ルート)との合流点には入山禁止のテープが張られている。 はい、あくまで小屋場ルートは廃道なので、自己責任の概念をしっかりもって登ること。私たちは、何が起こっても自己対応できるようにロープなどの安全装備を背負って行った。 実際にはテクニカルな内容は全くなかったけれど、ルートファインディング・ケイパビリティーはそれなりに必要だ。 034.gif




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相沢ルートとの合流点には古いブリキの看板が置いてある。看板には “みんなで楽しむハイキングコース 荒船山コース” と書かれている。The 昭和!って感じでいいね~ 041.gif  by マツダランプ のマツダって私の好きなマツダ自動車グループかと思いきや、東芝のグループ会社だったようだ。 027.gif




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ブリキの看板から艫岩の稜線までは “胸突き八丁” の急登だ。ここではグリーンの艫岩が現れる。 005.gif




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急登の苦しさを紛らわすために、足元の草花に寄り道する。この時季よく見かける白い星形の花はヒゲネワチガイソウかな?よく似た花に花弁が5枚のワチガイソウがあるが、こちらは7枚だからヒゲネワチガイソウのほうかな?よく似ていてマチガイソウ(間違いそう) 041.gif
ノミドコロ(飲み処)? タベドコロ(食べ処)? じゃなくって~ ハシリドコロもまだ紫の花になる前のグリーン状態。可愛いね! 037.gif




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トレイルが岩壁に突き当たると・・




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りっぱな手すり付きの階段となる。長い階段を登り上がれば艫岩から荒船山の実質的なピークである経塚山(行塚山)へ続く稜線に飛び出る。




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その稜線をアメリカから帰国した一昨年の夏に歩いたが、日本の濃い~緑の山に感動した。その美しい緑の森は、今はまだ目覚めたばかりの淡い緑の山である。これまた美しい! 072.gif
→ “下仁田町 西上州のテーブルマウンテン荒船山   Mount Arafune in Shimonita, Gunma




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稜線を右に150mほど行けば、休憩所があり、その先に艫岩の展望台がある。




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展望台(艫岩上)は広くて北面の景色が開けている。休憩するには気持ちの良い場所であるが、足元は200mの絶壁なので注意してね。 034.gif




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眼前には、浅間山や神津牧場方面の展望が広がり、眼下には国道254号線が蛇行している。 072.gif




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その254号線の脇から取付いて登ってきた、小屋場ルートの尾根が右下に見える。取付きからこの展望台まで2時間30分ほどであった。 059.gif




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北西方向には内山トンネルが貫通している県境尾根が連なる。 072.gif
艫岩の上では、見晴らしが良すぎて落ちつかないので(笑)休憩所周辺のベンチでゆっくりランチ休憩する。 063.gif




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今回の目的は廃道探検なので、経塚山のピークハントは省略して、ランチ休憩後はさっさと下山にかかる。下山は、小屋場ルートが合流する相沢ルートを下ることにする。 070.gif




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胸突き八丁の急下りからシダの群落を過ぎてスギの植林帯に入る。




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しばらく行くと、ハングした大岩の下に祠がある “中の宮” に着く。




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中ノ宮を過ぎると、自然林に変わる。トレイルの脇にはケルンがいくつもあり楽しい。 049.gif




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だいぶ標高が下がってきて、突然ヤマツツジが咲き誇るエリアとなる。 056.gif この辺りからは右側(南東)に毛無岩や千ヶ平の岩峰が木立の間から見える。




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最後は再びスギ林に入っていけば、相沢登山口へはもうすぐだ。




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下山は艫岩から約2時間で相沢登山口に到着。登山口には小さいが釜の美しい滝がある。あらかじめ停めておいた車でカーシャトルして小屋場登山口まで戻る。




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小屋場ルートが廃道になった謎は解けたの? う~ん、よくわかりませ~ん。 039.gif
それじゃあ、探検隊の意味ないじゃん! 041.gif

確かに沢筋なので荒れ易いルートではあるが、他の西上州の山々のトレイルに比べて別段悪場だとは思わない。
群馬側にはすでに2つの登山口(立岩も入れれば3つ)があるので、おそらく財政事情が大きく関わっているのではないだろうか?
真相を知りたい方は官庁に問い合わせてください。 030.gif

真相はさておき、タイタニック号の船首のような艫岩とミツバツツジの見事なコラボレーションが見られたので大満足だ。 043.gif

 
私のこのトレイルへの評価: 4★ 上級者向け
行程距離: 約5.5km(旧小屋場登山口(旧道内山橋)‐第2堤防‐旧小屋場分岐(胸突き八丁下)‐相沢分岐‐艫岩
‐相沢分岐‐旧小屋場分岐(胸突き八丁下)‐中ノ宮‐相沢登山口 = カーシャトルにて小屋場登山口へ)
標高差: 約650m
実動時間: 約5.5時間 (1時間のランチタイム、休憩込み)

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by dream8sue | 2016-05-08 23:46 | 群馬県 西上州エリア | Trackback | Comments(4)
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Commented by akeno7115 at 2016-05-20 09:21 x
こんにちは、akeno7115です。
小屋場コース、手持ちのエアリアマップ昭和57年版に記載されていましたよ。ブログの地図も古いものですね。

>この角度からの艫岩を見られるだけでもこのルートの価値があると思うのは私だけだろうか?

このよう思うのであれば、もう西上州マニアの域に達しています。

ヤマレコで"usakorinn"さんという方が同日登っていますが、お知り合いですか。
Commented by 道迷い! at 2016-05-20 09:29 x
昨日、ヤフーニュースで、荒船山で誰か遭難してたけど、ご用心!
Commented by dream8sue at 2016-05-20 21:53
akeno7115さん、
廃道になった理由は定かではありませんが、1978年に内山トンネルが開通し、内山峠までイージーに行けるようになり小矢屋場ルートを歩く人が少なくなったのも一因ではないかという人もいます。
はい、usakorinn はこの日の同行メンバーです。
Commented by dream8sue at 2016-05-20 22:01
路迷い!さんこと目黒駅は品川区さん、
コメント、忠告ありがとうございます。
長野側のルートから入った単独の70代男性が遭難されたようですね。ご冥福をお祈りいたします。
高齢になればなるほど山歩きにおけるリスクヘッジは重要ですね。
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