上信越 フラワートレイル 鳥居峠から登る四阿山    Mount Azumaya in Jōshin'etsu-kōgen NP

Wednesday, July 20, 2016
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上信越高原国立公園に属し、群馬県と長野県の県境に跨る四阿山(あずまやさん)は、群馬県側からは鳥居峠、バラギ湖、野地平の3つの登山口がある。 長野県側からは、四阿高原から登るルートの他に、四阿山の北西に位置する根子岳から縦走するルートがいくつかある。
梅雨時期に悪天で1度はキャンセルしたこの山へ再び訪れるチャンスがあった。とはいえ、今年の梅雨明けは遅く、この日も山頂付近には霧がかかっていた。 007.gif  しかし、高山植物が花盛りで次から次に現れる色とりどりの花に心が躍る。 043.gif 060.gif 
文中の花名については不確かなので、間違っている記載などありましたらコメントいただけたら嬉しいです。 040.gif




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<マイカーの場合(前橋方面から)>
関越自動車道 渋川伊香保ICから国道17号線、353号線、145号線、144号線で嬬恋村に入る。西に走り県境の峠が鳥居峠である。 鳥居峠から右(北)に曲がり未舗装の林道を3kmほど行った所に10台くらい停められるパーキング(無料)がある。




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パーキングからミズナラやカラマツの雑木林に入る。林相がとても美しい。  072.gif




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森の下草はササ原であるが、トレイル脇にキバナノヤマオダマキ?が咲いていた。 黄花というより純白で森の中に舞い降りた妖精のようにも見える。 なんだか幸先の良いスタートだ。 006.gif




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パーキングから樹林帯を登ること40分で、国指定天然記念物の “四阿山の的岩” に着く。的岩は、幅約3mの岩壁が垂直にそびえ立ち、高さは約15m、南北方向に約200m続く巨大な岩脈である。  鎌倉幕府を開いた源頼朝が岩壁を的に矢を射ったという伝説があり、“屏風岩” とも呼ばれている。 027.gif





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まるで人工構築物の城壁を思わせるような自然壁である。 005.gif ところで、最近、全国各地の天然記念物や名勝にロッククライミング用のハーケンやボルトが打たれて話題になっているが、この的岩にも20本以上のハーケンやボルトが打たれている。 002.gif
元クライマーとして弁解する訳ではないが、クライマーって人種は壁があれば人工壁だろうが、自然壁だろうが登りたくなる人種なのだ。まして、こんなへんぴな山の中の自然壁となれば天然記念物とは知らずに登攀欲に駆られて開拓したのだろう。
的岩が天然記念物に指定されたのは1940年(昭和15年)らしいが、当時はそのことを知らしめていなかったのではないかと推測する。 現在に至っても国天然記念物であることを示す看板は無い。 行政サイドも指定しっぱなしではなく、広くその存在を明示してほしいものだ。 040.gif





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右側の林から的岩の裏側に廻ってみた。崩れそうなチョックストーンの窓が見える。この穴が源頼朝によって射抜かれた穴かな? 037.gif  うっそうとした林の中に突起した岩の壁に、自然が創り出した造形に圧倒され、しばし時間を忘れる。 045.gif




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的岩で地球の不思議に触れた後は、東屋のある分岐まで約1時間の登りが続く。東面側が低木の明るいトレイルには草花が一斉に咲き乱れている。特にパープル色の花が目立つ。ウツボグサ(写真左上)にホタルブクロ(写真右上)、ノアザミ(写真左下)に混ざってクルマユリ(写真右下)やハナチダケサシなどが、今が盛りとばかりに咲いていた。 056.gif 056.gif 056.gif




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やがて、コメツガ原生林の中に入って行く。




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薄暗い樹林の中で一際目立っていたのがイエローのハクサンオミナエシ(別名:コキンレイカ)だった。 そして、それとは対照的にササの茂みに隠れるように地味に蕾をつけているイチヤクソウ(写真左)072.gif





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コメツガ原生林を登りきると、見通しのよい尾根に出る。 南方向を振り返れば目前の浅間山には雲がかかっていた。




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東の山腹には高山植物が咲く草原が広がっている。 056.gif





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トレイルも花盛りでミネウスユキソウ(写真上段)に、ソバナやツリガネニンジン、ヒメシャジン、はたまたミヤマシャジンなどの類似したキキョウ科の花が混然と混ざり合って咲いていた。(写真下段)正直、この手の花の違いは判らない。 039.gif 簡単な同定の仕方を知っている方がいたら教えてください。 040.gif




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花、花、花のオンパレードに圧倒されるうちに的岩から1時間強で東屋のある分岐に着く。この辺りはまさに日本庭園のような美しさで、休憩するには最適な場所だ。 063.gif 072.gif




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休憩しながら東屋周辺を散策すると、膝下くらいの低木があたり一面に群生していた。 可愛らしい花と、陽当たりの良い場所では実もつけていた。 初めて出会ったこの植物はツツジ科の落葉低木でクロマメノキというらしい。 秋には葉が紅葉し、実は黒紫色に熟すので “黒豆の木” なのかな? この実は “アサマブドウ” と呼ばれ地元では食用にされるらしい。知らなかった! 機会があったら食べてみたいな~ 011.gif




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東屋の先も陽当たりの良い尾根が続く。小ピークを登る。 042.gif




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ここにもたくさんの草花が咲いているのだが、その品種は明らかに標高によって異なってきている。まるで山全体が植物園のようだ。 056.gif 056.gif




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ハナチダケサシ、ヤマブキショウマ、ハクサンフウロなどに混ざって、シュロソウ(写真左)やイブキジャコウソウ(写真右)などが見られるようになる。 




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小ピークを越えると砂礫と岩場の尾根となり、板1枚が置かれただけのベンチがある。




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そのベンチの近くに数株のピンクの花が咲いていた。もしやこれは・・女王様! さすがにコマクサの存在感は半端ない。 005.gif 056.gif




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コマクサが咲く明るい尾根が続くのかと思いきや、またも針葉樹林帯に入る。 しっかりした木段が設置されていて歩き易い。 070.gif




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この古木が、木の精の顔に見えるのは気のせい(木の精)かしら? 041.gif




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そして、木の精の贈り物かしら? 森の中にもこんなユニークな形の花が・・トンボソウかな? 039.gif




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やがて樹林帯の鞍部に着くと(東屋のある分岐から1時間30分ほど)嬬恋清水の看板がある。 鞍部から東の山腹を100mほどトラバースしたところに湧水があるらしい。下山時に寄ってみよう。




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嬬恋清水の分岐から少し登ったあたりで、ようやく四阿山のピークが見えてきた。




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東側の展望が開け眼下に嬬恋村の山麓風景が見渡せる。 目の前には浅間山の雄姿がガスの切れ間から見え隠れする。




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足元の黒い蕾は何かしら? 開花するとタンポポのようなイエローの花になるミヤマコウゾリナ(写真左)という花のようだ。大変身するんだね。 037.gif  そして、果実が梨に似ているというイワナシも登場だ。この実も食用になるらしい。 011.gif




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やがてササ原の中に木段が現れると、長野県側からのトレイルと合流する。四阿山へは木段を右に行く。




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坂を登り切ると石積みの囲いがある祠(上州祠)が左に現れる。山頂はもうすぐだ。 042.gif




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東屋のある分岐から約2時間、林道パーキングから約4時間で、四阿山(2,354m)に到着。ここにある祠が信州祠である。 一座に2つの祠があるのは、昔、信州側と上州側で領地を主張しあい、互いの領地の中に奥宮を設置したからだ。 034.gif




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ピークから東には、嬬恋村方面から登るルートが続いている。 隣に見えている 2,333mピーク (二等三角点がある) はクサリ場のあるヤセ尾根で、こちらのルートも面白そうだ。 045.gif




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北西方面にはガスのかかった根子岳が時々姿を現す。 根子岳から縦走するルートも健脚ハイカーには人気があるようだ。この日は警察学校の生徒たち40人くらい? が訓練で根子岳を越えてきていた。 005.gif お陰で山頂は満員御礼で腰を下ろして休む場所もなかった。 003.gif




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上州祠まで戻って、ゆっくりランチ休憩したら、同ルートで東屋のある分岐まで降る。 
途中の嬬恋清水では、湧水を汲みに立ち寄った。 案内板によれば、この湧水は関東最高地点の湧水で、シーズンを通して絶えることが無いらしい。 地底湖から湧き上がる大腸菌フリーの軟水で冷蔵庫に3ヶ月保存した後でも飲めるらしい。 で、気になる味だが、本当に美味しい水だ! 久しくこんな美味しい湧水を私は飲んだことが無い。 鳥居峠ルートで四阿山を登るハイカーには是非飲んでほしい。 049.gif




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コマクサの咲く尾根を通過して、東屋のある日本庭園のような分岐に着いたら、下山は左のルートに進もう。 すぐに露岩が現れるので、その先を左へ回り込む。 071.gif




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浅間山を見ながら開けた尾根を南に進む。 070.gif




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標高も徐々に下がると、あたりはホツツジの群落となる。 005.gif 056.gif




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やがて木道が敷かれた草原にでる。ここは “花童子の宮跡 (げどうじのみやあと)” と呼ばれるかつての修験道の跡らしい。




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そして今は高山植物の宝庫で、祠や石碑も植物に埋もれている。 056.gif 056.gif 056.gif




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ホソバノキリンソウ、ナデシコ、カラマツソウ、キンバイソウ、カワラマツバ、クガイソウなどなど、ここに来てこれでもかという数の植物に迎えられ、下山の疲れも吹っ飛んでしまう。 016.gif




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ヤナギランの先にはトンボがとまり、ヨツバヒヨドリの花にはアサギマダラが蜜を吸っていた。 花園は虫たちの楽園だね。 037.gif





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花童子の宮跡を過ぎ、傾斜が緩やかになると、東屋と石祠のある広場のような場所にでる。

東屋の周辺にもたくさんの蝶たちが乱舞していた。 056.gif 060.gif




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やがて、ダケカンバとミズナラの美しい森を進み、程なくしてカラマツの森に変わり、ニガナの咲くトレイルをパーキングまで戻る。




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初めから終わりまで花がつきないフラワーロードだった。 056.gif 056.gif

お花畑の他にも、浅間山(天気が良ければアルプスも)の眺望、国指定天然記念物の的岩、コメツガ林、花童子の宮跡、嬬恋清水と見どころ満載の充実したトレイルである。 049.gif



私のこのトレイルへの評価: 5★ 初級者~中級者向け
行程距離: 約8.5km(鳥居峠パーキング‐的岩‐コメツガ原生林‐東屋の分岐‐嬬恋清水分岐‐四阿山‐嬬恋清水‐東屋の分岐‐花童子の宮跡‐鳥居峠パーキング)
標高差: 約770m
実動時間: 約7.5時間 (登行約4時間、下山約2.5時間、山頂での1時間休憩込み)



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by dream8sue | 2016-07-20 04:58 | 上信越高原 国立公園 | Trackback | Comments(0)
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