戸隠連山 P1尾根から西岳を登り八方睨への縦走路    Nishidake in Myōkō Togakushi renzan NP

Friday, September 30, 2016
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戸隠連山は、北の乙妻山から高妻山の五地蔵山までを裏山、五地蔵山から八方睨までを表山、八方睨から南に位置する一夜山までを西岳と呼ぶらしい。
戸隠山の一般的な登山ルートは、奥社から蟻の塔渡、八方睨経由で戸隠山、九頭龍山を経て一不動、そして戸隠牧場へ下るルートである。 八方睨から西岳方面へのルートは一般ハイカー向けではない。 046.gif
地質のことは分からないが、群馬にも戸隠連山によく似た凝灰角礫岩からなる妙義山がある。 妙義山を含む西上州は私の好きなエリアなので、戸隠連山も好きなタイプだ。 すでに上記した一般ルートは登っているので、今回はP1尾根から西岳を登り八方睨まで縦走して、蟻の塔渡を下降ルートとする。 070.gif




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<マイカーの場合>
西岳登山口は鏡池の南にある。 前橋方面からは、上信越自動車道長野インターか信濃町インターが利用しやすい。特に信濃町インターは渋滞も少ない。 国道18号を長野市街地方向に進み、 “柏原小学校入口” 交差点を右折、県道36号線で黒姫山山麓を通って戸隠キャンプ場、奥社入口を過ぎたら鏡池へ通じる林道(小鳥ヶ池の手前)を右折する。 林道を3kmほど走れば鏡の様に風景を反映した鏡池に着く。 鏡池は観光地なので、ハイカーは湖畔の南側にあるパーキングを利用した方が良いだろう。 045.gif 
午前6時だか、すでに戸隠山の岩壁に陽が差している。 屏風のようにそそり立つ岩壁が鏡池に映るその神秘的なたたずまいは多くのカメラマンを魅了している。  072.gif




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鏡池から林道を南に5分ほど歩くと、登山ポストが設置された西岳登山口に着く。 必ず登山届を提出して出発しようね。 034.gif




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林道が楠川を横切るところで、楠川に沿って下流に下るトレイルへ入る。 ぬかるんだ沢筋のトレイルにはモミジガサや実を付けたツクバネソウなどがあり、植物観察しながら歩く。 056.gif




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途中で川を3度ほど渡渉しながら左岸の尾根を登る。 




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パーキングを出て約1時間、左岸の尾根を登り切ると天狗原(大平)に到着する。 天狗原にはヨメナのような野菊が咲き乱れていた。 これから登るP1尾根と八方睨までの稜線が眼前に現れる。 写真の左から2つ目の台形のピークが第1峰(P1)である。




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その左側には第2峰、第3峰と続く稜線が見えるが、これらのピークへの登山道は無い。 046.gif




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ここで植物に詳しい同行者がサルナシの実を発見。 熟した実を試食してみたが、まるでキウイフルーツそのものなのには驚いた。 005.gif 011.gif




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天狗原で休憩、サルナシ試食タイムをしたら、いよいよP1尾根の登りが始まる。 070.gif




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下部尾根は美しい自然林の中を行くので、秋を感じさせるたくさんのキノコを見ることができる。 中にはこんな花のようなキノコ(写真左)もあって、キノコ観察もまた楽しい。 写真右はマシュマロ? 041.gif




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やがて、尾根が痩せてきて勾配もつよくなり一気に汗が出る。 ふくらはぎが痛くなるくらいの急登をこなすと展望台のようなリッジに着く。 右側には谷を挟んで本院岳から派生しているダイレクト尾根の側壁がそびえている。 005.gif 072.gif




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展望台の周りにはアカミノイヌツゲが赤い実を付けていた。 まるで赤い真珠のようだ。 花期には白くて愛らしい花をつける。 私はつい数ヶ月前に白砂山でこの花の存在を知ったばかりだ。
アカミノイヌツゲの花を見たい方はこちらから → “上信越 花と展望の白砂山から八間山を歩く  Mount Shirasuna in Jōshin'etsu-kōgen National Park”




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展望台からオオイワカガミの群生するヤセ尾根をしばらく行くと、最初のクサリ場が現れる。 左側(西側)から巻いて足場の悪い10mほどの岩場を越える。




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最初の岩場を越えるとますます傾斜が増し、P1尾根上に洞穴のある岩場がたちはだかってくる。




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先ほどまで霧がかかっていたが、陽が高くなるにつれ視界が明るくなってきた。 やはり天気が良いと気持ちもウキウキしてくるね。 058.gif 060.gif




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草付き交じりの岩場を行くと、 “熊の遊び場” の看板が現れる。
熊の遊び場は意外と狭い。
こんなに狭くて熊が遊べるのかしら? 041.gif
登山口から約3時間、天狗原からここまで約2時間ほどだ。 059.gif




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熊の遊び場を過ぎると、右にトラバースして、ハングした岩バンドが見えたら左にトラバース気味に登る。
右トラバースはさらに右へ迷いトレースがあるので、つられて右に行きすぎないように注意してね。 034.gif




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ハングした岩バンドを越えると、長~い3連のクサリ場になる。




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クサリ3本分を登ると、さすがに高度感が半端ではない。 岩場から左の沢状の草付きを登る。 草付きだけどすごい急傾斜なのでフィックスロープやクサリがセットされている。 登り切れば “無念の峰” の看板が置かれたヤセ尾根に着く。





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無念の峰の先は、P1尾根の核心部と思われるハシゴとクサリの5mの下降ポイント。 ナイフリッジ上の岩壁なので5m以上の高度感がある。しかも足場の悪い垂壁なので精神的に来る。 いやいや・・妙義山の鷹戻しはもっと怖いよ~。 017.gif
ハシゴが岩壁の右側に設置されているので、まず3mほど足場の悪い垂壁をクサリを頼りにトラバースしなくてはならない。 この際、左下に曲がった鉄棒のスタンスがあるのだが,位置が悪いため鉄棒スタンスには乗らない方が良い。 034.gif




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ハシゴのセクションをこなすと、その先に上部岩壁が現れる。




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こちらにもあった蟻の塔渡10mのナイフエッジ。 リッジの脇に適度に踏み跡があるので八方睨コースの本家本元の蟻の塔渡ほど難しくはない。046.gif




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それよりも続いて現れるピナクルの10mのクサリ場の方が迫力がある。 青ラインを登る。 005.gif 008.gif




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“え~これを登るの~!” とビビるが、よく見ればしっかりしたスタンスがあるので大丈夫。 006.gif




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稜線が見えてきた! 072.gif




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結構な高度まで登ってもブッシュや樹木があるのは中級山岳の宿命だ。 でも、こんな藪尾根でもクサリが必要なくらいの急傾斜である。 斜度70度の20mのクサリを登りきる。 042.gif




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そして、ブッシュの生えたヤセ尾根の先に、第1峰(P1)直下の岩壁が見えてきた。 フィックスロープのかかる脆い岩場を登れば、そこは稜線である。 070.gif




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登山口から約4時間30分で第1峰(1,989m)に到着。 眺めは最高だ。 東側には飯縄山が長いすそ野を広げて鎮座している。 この絶景を見ながら早めのランチを食べる。 なんて贅沢な時間だろう。 063.gif 043.gif




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さて、腹ごしらえを終えたら稜線歩きに取り掛かろう。 まずは第1峰から西岳への登りだ。




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稜線では意外にも紅葉が始まっていた。 期待していなかっただけに嬉しい誤算だ。 ナナカマドの実が真っ赤に熟して青空に映えていた。 072.gif




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トレイルの側らにはツツジやオオバギボウシ、タカトウダイ(写真)などが色づき始めていた。




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西岳のバックに戸隠裏山の主峰、高妻山がその頂をのぞかせている。




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高妻山の右奥には黒姫伝説の黒姫山が見える。 そして手前には本院岳がものすごい絶壁を従えてそそり立っている。 005.gif
黒姫伝説の黒姫が乗り移ったSue がどうなったか知りたい方はこちらから → “黒姫山 黒姫を訪ねて天空の池沼へ    Mount Kurohime in Myōkō Togakushi renzan National Park”




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左(西)に目をやれば、白馬連峰がそびえ北アルプスが意外と近いことに驚く。ここは長野県なのだ!って、当たり前ですが・・・ 041.gif




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第1峰(P1)から約30分で西岳(2,053m)に着く。 059.gif 066.gif




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次のターゲットは本院岳だが、向かう稜線上には大キレットが待ち受けている。 本院岳の肩から西面の紅葉が素晴らしい。 072.gif




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西岳からササの生い茂るトレイルを降る。 ササに隠れているが右側は絶壁なので足運びは慎重にね。 特に雨の日などはトレイルもササの葉も滑りやすいので要注意である。 034.gif
やがて垂壁にクサリがセットされた下降ポイントに着く。 長いクサリでルンゼ状の垂壁を降る。 部分的にスタンスの遠い場所があり、クサリに全体重をゆだねることになる。 誰かのサイトに書いてあった “腕力が無いと落ちます” という言葉が頭をよぎる。 ここか~!肩が痛いし、腕力無いし・・落ちるかも・・ 008.gif




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何とか落ちずに下降し、振り返って見たキレットは逆光の中にあった・・ふぅ~・・ 042.gif



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東側の谷に食い込むキレット。 西岳の側壁がヒダの様に折れ連なっている。 005.gif




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キレットからは本院岳への登りとなる。




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急登に足を止め、紅葉を愛でながら息を整える。




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そして、西岳から50分ほどで本院岳(2,030m)に到着。  059.gif 066.gif




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一休みしながら西岳から第1峰の稜線を振り返る。  042.gif 063.gif




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バックの景色をズームで見れば、北アルプスの山脈が薄いレイヤー雲の上に頭を出している。 072.gif




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本院岳から八方睨までは長い。 本院岳から気の抜けない縦走路を最低鞍部まで標高差約300mも降ってから八方睨まで登り返す。 下りのトレイルは薮でルートが不鮮明な部分や、フィックスロープがセットされたザレ場のトラバースなどもある。 009.gif




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本院岳から1時間弱の下りで最低鞍部を過ぎ、ようやく八方睨が射程距離に入ってくる。 けど・・まだまだ遠いな~。 008.gif




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登りだしてしばらく行くと紅葉した広葉樹の森に入る。 ずうっとヤセ尾根で緊張が続いていたのでメルヘンチックな雰囲気にホットする。 043.gif




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いよいよ最後の登りだ。頑張れ! 042.gif




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八方睨のピークに近づくにつれ、足元にはダイレクト尾根の複雑な地形と紅葉が広がる。 072.gif




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本院岳から約2時間で、ようやく見覚えのある八方睨(1,900m)に着く。 059.gif 066.gif 他のピーク同様、素晴らしい展望である。 072.gif




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北にはいつか登ってみたい高妻山の雄姿がそびえる。 この角度から見る高妻山は実にかっこいいな~! 004.gif 016.gif




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西には歩いてきた西岳の稜線がのびている。 長かったな~ 042.gif




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東の尾根に目をやれば、蟻の塔渡の岩稜がまるで蛇のように背をくねらせている。 005.gif
さあ、一休みしたら、あそこを下降するぞ!  070.gif

P1尾根まで登ってしまえば楽勝かと誤った認識をしていた。 本当に苦しいのは稜線に上がってからの西岳、本院岳、八方睨へのアップダウンの縦走路だった。 天気が良くて素晴らしい景色と予想外の紅葉に助けられてどうにか歩けた。 蟻の塔渡の下降は、登高より2倍怖いよ。 続きはこちらから → “戸隠連山 八方睨から蟻の塔渡を下降   Nishidake in Myōkō Togakushi renzan National Park”


このルートのマップ:
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私のこのトレイルへの評価: 5★ 上級者向け
行程距離: 約11.5km(鏡池パーキング~西岳登山口~天狗原~P1尾根~第一峰~西岳~本院岳~八方睨~蟻の塔渡~戸隠奥社~森林植物園~鏡池パーキング)
標高差: 約1,200m
実動時間: 約11時間 (鏡池パーキング~第一峰までの登り 約4時間30分、第一峰~八方睨までの縦走 約4時間30分、八方睨から鏡池パーキングまでの下降 約2時間、休憩込み)

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by dream8sue | 2016-09-30 16:53 | 妙高戸隠連山国立公園 | Trackback | Comments(2)
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Commented by y at 2016-10-16 17:16 x
紅葉が始まったの山も緑と赤の対比が素晴らしいですね

よく対比される戸隠と妙義なのですが、樹木は戸隠の方が豊かに思えますが、それは積雪のなせる技でしょうかね〜
Commented by dream8sue at 2016-10-18 04:02
y さん
いつもコメントしていただき、ありがとうございます。
>>よく対比される戸隠と妙義なのですが、樹木は戸隠の方が豊かに思えますが、それは積雪のなせる技でしょうかね〜
言われてみれば、確かに緑が濃いような気がしますね。
おっしゃる通り積雪の違いでしょうか。
なにせ戸隠のキノコ雪はクライマーの間では手ごわい存在として有名ですからね。
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