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上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin'etsu-kōgen NP

Saturday, June 24, 2017
上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_16325326.jpg
上越のお花見山行2日目はハクサンイチゲの群落が素晴らしいという定評の平標山へ行くことになった。 前日に登った大源太山でバテバテだったので、はたして高低差1000mもの山に2日続けて登れるものか一抹の不安があった。 しかし、この日は低気圧接近の影響か?朝から風があり湿度と虫の心配は全くなかった。 それどころか休憩中には防寒着が必要なくらいの体感温度となった。 
ハクサンイチゲも満開で、私はここまで大きなハクサンイチゲの群落を見たことが無かったので大いに感動した。 正直なところ、平標山は他の谷川岳の山々に比べてボタ山だし、ササ原のイメージしかなかったので、ハイカーが平標山へ行きたがる訳が分からなかった。 が、今回のハイキングで平標山が高山植物好きのハイカーに愛される理由が分かった。




上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_16331320.jpg<マイカーの場合>
群馬県側からは国道17号線で三国峠を越え、左に苗場スキー場をみてから3kmほど走れば元橋の登山口に着く。
登山口の大きなパーキングは有料だが、登山口より少し手前のトンネルを越えた右側の路肩に無料のパーキング(10台可能)がある。
関越自動車道の月夜野ICから国道17号線を北上しても、湯沢ICで降りて国道を南下しても時間的には大差はない。

登行ルートは、元橋から北東に位置する松手山を経由するので “松手山コース” とも言われる平標山への登路では距離的に最短ルートを行く。 
登山口は、元橋のパーキングから二居川を渡ったところから始まる。 




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トレイルはブナの樹林に入り、最初から急な松手山の南西尾根をガンガン登ることになる。




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側らに咲くヤマツツジや足元の小さな花に気持ちを和ませながら、時々立ち止まって呼吸を整える。




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おや、この花は何だろう? ササバギンランかしら? 




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元橋から松手山までの2kmの間に650mの標高を一気に登るので結構きつい。 樹林帯をぬけたプラトーに建つ大きな鉄塔の下で一休みしていこう。




上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_1636233.jpg上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_16363814.jpg
鉄塔を過ぎ、松手山の登りにさしかかると周りの景色がひらけはじめる。 植生も変わり、高木に変わりササ原と灌木が目立つようになる。 そんな中で一際目立っていたのはピンク色が鮮やかなタニウツギ(写真左)だ。 前日に登った(清水峠に近いほうの)大源太山でもタニウツギが満開で、この時期の新潟の山では定番のようだ。 また、秋には美しく紅葉するコマユミ(写真右)もこの時期は地味で目立たない。
 



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上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_16373194.jpgそして、シャクナゲの群落を過ぎれば松手山まではすぐだ。
三角点のある松手山はこれというほどのピークではない。
狭いピークにハイカーがウジャウジャいるのでさっさと通過する。
ちなみに、ピークから北に伸びるトレイルは松手尾根から二居集落へ続くものだ。





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松手山を過ぎると、平標山から南方の大源太山(河内沢ノ頭)へかけての緩やかな起伏が眼前に迫ってくる。 そして、その稜線の西側には広大なササ原がニ居川支流の河内沢へと落ちている。 これぞThe上越!だ。 岩山のアルプスとも、森の秩父多摩とも違う、ササ藪のイメージが上越の山だ。




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展望の良くなった尾根路にはドウダンツツジやムラサキヤシオツツジなども咲いている。




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迷うことの無い一筋の尾根を登れば、トレイルが木道になり、このあたりから高山植物が多く見られるようになる。 振り返れば、歩いてきた松手山からの稜線が眼下に見え、バックには苗場山が大きくそびえる。 2年前の乳癌の放射線治療後に登った苗場山の辛い記憶がよみがえる。 → “上信越 苗場山の山上湿原を訪ねて     Mount Naeba in Jōshin'etsu-kōgen National Park”





上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_1640971.jpg上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_16402367.jpg
高山植物の似たもの比較(その1)あくまで、この日、同じ場所で同時に咲いていた似ている植物だよ。 左がハクサンチドリ(ラン科)で、右はヨツバシオガマ。 シオガマ類は、自分でも光合成する一方で他の植物にも寄生する“半寄生”という特異な生態を持つらしい。 1人で生きる私にはうらやましいことだ・・私も半分でもいいから誰かに寄生した生き方をしてみたいものだ。 hahaha 




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やがて見晴らしの良い一ノ肩に到着。 ここまで来れば山頂まではもうひと登りだ。




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上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_16422219.jpgそして、一ノ肩で待望のハクサンイチゲの群生を見るようになる。





上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_1643113.jpgハクサンイチゲの群落に気を良くして、疲れも忘れて平標山に到着。
しかし、平標山のササに囲まれた広いピークにはハイカーがウジャウジャ。 
霧も出てきて、展望もイマイチだ。

山頂は4つのルートの交差点になっているので、霧で視界が悪い時などは方向を間違えないよう注意を要する。 北は平標新道で土樽へ、東は仙ノ倉山から万太郎山への主稜線、南は平標山ノ家から三国山方面へのトレイルだ。 




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平標山から仙ノ倉山方面へ植生保護のために張られたロープに従って鞍部まで降る。 




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この間がハクサンイチゲの見どころで、まるでハクサンイチゲの畑状態だ。




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ハクサンイチゲは、茎の途中から数本の花柄が伸びて花をつけるので、どの株もまるでブーケみたいだね~




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時々霧が晴れて仙ノ倉山方面の稜線が見え隠れする。 鞍部にあるベンチでランチ休憩するが、コルなので風通りがよくて寒いくらいだった。 天気が良ければ仙ノ倉山まで往復するのも良いだろう。 ランチ後は平標山まで戻る。 以前はこの鞍部からお花畑の広がる山腹に鑑賞路があったらしいが現在は植生保護のために閉鎖されている。




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ハクサンイチゲの他にもハクサンコザクラやミヤマキンバイ・・




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チングルマなども見られる。




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お花見散策が終わったら平標山ノ家を経由して元橋へ下る(平元新道) 山頂の南側から木道と階段のトレイルに進む。 湿原にはまだ残雪がある。




上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_1646165.jpg上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_16463692.jpg
似たもの比較(その2)木道の脇に咲くツツジ科の花がこの2つ。 左はウラジロヨウラク(別名ツリガネツツジ)。 右はベニサラサドウダン。 前日に登った大源太山には見飽きるほどこの花が咲いていた。 どちらも赤いベル形の花が可愛いね。




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平標山ノ家まで長い木段が続く。 先ほどまで見えていた大源太山(河内沢ノ頭)は霧に隠れてしまった。




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トレイル脇にはイワナシも多い。 熟した実は梨のような味で可食できるが、まだ不味いよ。




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平標小屋までもう少しという地点ではササ原の中に湿原が広がっている。 保護区なので近づくことはできないが、木道からでもイワイチョウの群落の中にワタスゲやイワカガミが咲いているのが見てとれる。




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上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_16484320.jpg木道脇に咲くイワカガミの群落。 Oh!中にはこんなゴージャスな株もある。 
ゴージャス過ぎて笑っちゃう。 ( ◠‿◠ )クスクス




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いたいた、湿原と言えば食虫植物のモウセンゴケだよね。 でも、まさか平標山でこの植物に会えるとは思わなかった。 相変わらずグロテスクだね。 ヾ(o≧∀≦o)ノ゙キャー




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さて、ハイカーで賑わう平標山ノ家でビール休憩?いや、おやつ休憩した後は、小屋の西側から平元新道を降る。 平元新道は、平標山ノ家と元橋を結ぶので名づけられた路で、ルートの半分は樹林帯の中、後の半分は林道歩きとなる。 すぐにブナなどの生える樹林の中に入るが、トレイルは依然として木段が整備されている。 




上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_16495723.jpg上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_16512657.jpg
展望の無いスイッチバックの路を、エンレイソウ(写真左)、ユキザサ(写真右)、ナルコユリなどを愛でながら高度を下げて行く。




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林道近くまで標高を下げると、ブナなどの自然林からカラマツ林となる。 




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このカラマツ林での似たもの比較(その3)は、こちらの両者。 どちらも花に興味の無いハイカーには目にも鼻にも留まらないくらいの小さな花。 左の花弁に切れ込みがあるのはナデシコ科のハコベ(サワハコベかな?)で、右はキキョウ科のタニギキョウ。 可愛いハコベと、可憐なキキョウ。 私はキキョウ派かな~ あなたはどっち派? 




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おっと、私の好きなオククルマムグラ(言いづらッ!)も群生している。 この花は白い星形の小さな花をたくさんつけるので、上から見ると星屑みたいに見えて素敵だよ。




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そうこうしていると河内沢に沿って作られた岩魚沢林道(平元新道登山口)にでる。 ここから元橋までは約3kmの林道歩きとなる。 始めは河内沢の右岸を、途中にある車止めゲートを過ぎてからは左岸を歩く。




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単調な林道歩きの途中にも興味を引く植物がみられる。 地味なズダヤクシュも群落になると見応えがあるね。




上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_16541945.jpg上信越 平標山でハクサンイチゲの群落をみる    Mount Tairapyo in Jōshin\'etsu-kōgen NP_f0308721_16544065.jpg
葵の御紋でお馴染みのアオイの葉。 根元を探ってみれば、何と花が咲いているではないか(花期は秋季) 花のように見えるのは花弁ではなく3枚の萼片で、ギフチョウが産卵する植物でもあるらしい。 う~ん、地味な花は嫌いでは無いが、この花はちょっと・・グロ過ぎて・・好きにはなれないな~ 




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やがて林道は舗装された道となり別荘地へ向かう。 トレイルはその別荘地を迂回するように右の二居川沿いの樹林へ下る。 沢の音を聞きながら行けば、大きなアップダウンも無く0.5kmほどで元橋パーキングに着く。




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パーキングに出る少し手前にある小さなダム湖には立ち枯れした木々が水面に映っていた。 ハイキングのフィナーレに上高地の大正池を思わせるような美しい風景を見ることができた。

今回のトレイル・コンディションは谷川山系の中では良いほうだろう。 なにせ階段が多いからね~。 技術はいらないがそれなりに体力は必要なルートだ。 高山植物好きには楽しいルートだと思う。 だけど、植物も多いけれど人間も多いよ~。 O(*≧д≦)oイヤーッ!!   行くなら週末は避けたいね。

本ルートのマップ
私のこのトレイルへの評価: 4★ 初級者向け
距離:約10km/ 時間:約8時間(元橋P 7:00‐鉄塔8:00/8:20‐松手山‐平標山10:30‐お花畑散策12:00‐平標山ノ家‐平元新道登山口‐元橋P 15:00)
標高差: 約1030m
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by dream8sue | 2017-06-24 16:01 | 上信越高原 国立公園 | Comments(2)
Commented by y at 2017-07-10 18:43 x
豊富な残雪は、高山植物にとっては良いものなのでしょうかね
下界の我々も水道水の安定供給という恩恵を受けてますが 

お花も素晴らしいですが、一面の笹原の画像も良いっすね
Commented by dream8sue at 2017-07-10 23:07
y さん
関東地方はカラ梅雨のようですから、夏の水道水 水不足にならないでしょうか?
上越の山々のイメージは、谷川岳東面の岩場は別として、全体的にササ原のイメージですね。
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