中部山岳 中房温泉から燕岳・大天井ヒュッテ     Mount Tsubakuro in Chūbu-Sangaku NP

Sunday, August 27, 2017

f0308721_00243125.jpg
燕岳も槍ヶ岳も過去に何度か登っているし、今更ハイカーで混雑したエリアに行かなくてもいいかな~と思っていた。 
しかし、どちらも冬期や残雪期に登っているので、夏の高山植物が咲く頃に一度歩いてみたいと思っていたので、意を決して行くことにした。 

さて、そうなると気がかりなのは天気だ。 

3日間の好天が欲しいところであるが、2日目の昼から天気が崩れ始めた。 

Day1中房温泉から燕岳に登り、大天井ヒュッテまで駒を進めた。 

Day2は東鎌尾根を越えて槍ヶ岳山荘まで登り、さらに南岳まで縦走した。 

Day3あわよくば大キレットを越えて・・なんて考えていたが、悪天のため南岳から天狗原に降り槍沢ルートに合流して上高地へ下山した。 





f0308721_00281433.jpg

<公共交通の場合>

JR大糸線の穂高駅から登山口の中房温泉までは安曇観光タクシーの乗合バス(4月~11月運行)で1時間ほどだ。(¥1700/片道) 

運行時間は期間中にばらつきがあるので事前に確認が必要だ。


穂高駅周辺の登山者用パーキング(穂高駐車場)は穂高駅の南側にある。 穂高駅の駅前の信号“穂高駅前”を南に曲がり(駅を背にして右折)約600mで三叉路になるので左折し、約100mで次の三叉路を右折した突き当たりが広いパーキング(無料)となっている。 

中房温泉行の乗合バスが止まるパーキングなので、マイカーと公共交通を利用した縦走には便宜性がある。




中房温泉の登山口には登山相談所などもあるので、情報収集に役立てよう。 
また、長野県の登山条例(長野県登山安全条例)は、群馬県の谷川岳遭難防止条例や富山県登山届出条例などのような違反者に対しての罰則規定はないようだが、万が一の時に自分に返ってくるものなので必ず提出しよう。 
時代的に電子計画書の提出が便利である。


f0308721_00394983.jpg
中房温泉の公衆トイレの脇から、すぐに合戦尾根の急登が始まる。 
合戦小屋までは針葉樹林の似たようなスイッチバックのトレイルである。 
しかも、表銀座(って、思いっきり昭和のネーミング!笑)と言われるだけに、週末ともなるとハイカーがうじゃうじゃいて、人あたりで気分が悪くなりそうだ。 122.png




f0308721_00405243.jpg
急登には第1ベンチ、第2ベンチ.第3ベンチ、富士見ベンチなどの休み場がある。 
大1ベンチの後ろ10m下に水場があり、岩の下からコンコンと冷たい清水がわいている。 



f0308721_00415237.jpg

針葉樹林の下はクマザサで覆われている。 
退屈なトレイルを、他のハイカーとシェアしながらひたすら登る。
ハイカーの多さにうんざりしながらも、路肩に小さなキノコを発見して一人密かに喜ぶSue



f0308721_00433345.jpg
合戦小屋あたりから樹林帯が灌木帯に変わり、陽当たりが良くなる。



f0308721_00440012.jpg
登山口から約4時間、ようやく合戦小屋に到着した。 
合戦小屋は休憩のみの山小屋であるが、荷揚げ用ケーブルが今も現役で使われている。 
その恩恵で、最近では人力では荷揚げが大変なスイカが名物?になっているようだ。 
スイカもいいけど、水をもっと安く売ってくれないかな~



f0308721_00442570.jpg
合戦小屋でスイカ休憩の後は、森林限界を超えて、ひと登りで合戦ノ頭に着く。 
西側には槍ヶ岳や大天井岳などの素晴らしい展望が現れる。



f0308721_00475413.jpg
合戦ノ頭を過ぎると、傾斜も緩やかになり、明るい風景が広がる。 
トレイル脇のお花畑を楽しみながら歩ける。 
アキノキリンソウやウサギギクなどのイエローの花が目立つ。 
写真の花はミヤマコウゾリナだね。 
よく似たカンチコウゾリナ(タカネコウゾリナとも言う)と比べて花全体が柔らかな感じがする。



f0308721_00484174.jpg
秋の使者、オヤマリンドウ。



f0308721_00491051.jpg
前方には燕山荘の建つ主稜線が見えている。 
ちなみに、燕山荘は“えんざんそう”って読むんだね。 
ずっと“つばくろさんそう”だと思っていた。 ヽ(-´ω`-)kekeke



f0308721_00494972.jpg
おや、この花は何かしら?



f0308721_00501256.jpg
燕山荘の直下にもお花畑が広がっている。



f0308721_00503358.jpg
存在感のあるトリカブトもたくさん咲いている。 



f0308721_00510735.jpg
ヤマハハコの群落。



f0308721_00522498.jpg
燕山荘のテント場を抜けて主稜線に飛び出す。 
そして、そこに広がる360度の展望が、まさにこのルートを銀座(平成の新宿?六本木?)にしている人気の理由だろう。



f0308721_00525547.jpg
燕山荘にザックをデポして空身で燕岳まで往復しよう。 
花崗岩の白砂とハイマツの庭園の中を歩くのは、もうそれだけで楽しい。 ヾ(o≧∀≦o)ノ゙♪♪♪



f0308721_00532236.jpg
左(西側)に裏銀座の山々の壮大な眺めが展開している。 前方(北側)には花崗岩群が現れる。



f0308721_00541096.jpg
これが、いつの間にか有名?になったイルカ岩。 
昔は誰も騒いでなかったけどな~。 これもネット社会の産物ってやつだね。 
でも、本当にイルカに似てるね。 
バックには槍ヶ岳が、イルカの口ばしの様に天を向いている。 



f0308721_00545322.jpg
白砂庭園の中には、盛りを過ぎたコマクサや、今が旬のトウヤクリンドウがたくさん咲いている。 
このバイオレット色の花は産毛が生えているからチシマギキョウのほうだね。 



f0308721_00552323.jpg
この赤い実は、コケモモかな? コケモモの実はジャムや果実酒にすると美味しいらしい。



f0308721_00555072.jpg
山頂まで、あと少し!



f0308721_00561427.jpg
おっと、山頂岩群の近くに“メガネ岩”なる岩塔がある。 
以前は登れたようだが、現在は登ることは禁止になっている。 

こういったオブジェのような岩は、私にカリフォルニアのトレイルを思い出させる。 

さしずめ砂漠の中にあるJoshua Tree National Park(ジョシュア・ツリー国立公園)のアーチロックかな・・



メガネ岩というネーミングから連想したのは日光国立公園の庚申山にあるお山巡りのメガネ岩だ。





f0308721_01014095.jpg

燕山荘から40分くらいで燕岳2763mのピークに着く。 
ピークから北へは、北燕岳を越え、北アルプスに残されたスペシャルエリアの餓鬼岳への山並みが続いている。 
山好きには魅力的なルートだ。 いつか行ってみたいな~



f0308721_01033396.jpg
この日は、東側の大町や穂高町の上空は雲海で覆われていた。



f0308721_01041612.jpg
ピークハントの後は、燕山荘へ戻り休憩しよう。 
燕岳のピークハントは、健脚ハイカーなら燕山荘から往復1時間くらいだろう。



f0308721_01052388.jpg
さて、休憩の後は、燕山荘で水を買って(200/1L)表銀座の縦走を続ける。 



f0308721_01055959.jpg
燕山荘から南へ、しばらくは起伏の少ない風化花崗岩の稜線を行く。



f0308721_01062437.jpg
常に槍ヶ岳を見ながらの稜線散歩は楽しいに決まっている。 
足元にはたくさんの高山植物がみられる。 ウラシマツツジは早くも紅葉していた。 



f0308721_01071189.jpg
数週間前に行った白馬大池から朝日岳の縦走路で初めて見たイワツメクサがここでも咲いている。




f0308721_01091738.jpg
やがて巨大な岩塔群にさしかかる。



f0308721_01094396.jpg
蛙岩(げえろいわ)の門のような狭い岩の隙間をすり抜ける時、The Lord of the Rings映画のワンシーンを思い出すのは私だけ?  O(*゚∀゚*)oワクワク! 



f0308721_01101136.jpg
岩の門を無事に通り抜け(って、普通に通れるけどね・・106.pnghahaha)、ふり返ってみれば、先ほど登った燕岳の白い頂が美しい。



f0308721_01113542.jpg
“もう結構です”というくらいトウヤクリンドウがあちらこちらに咲いている。




f0308721_01153165.jpg
午後になり、稜線を境にして東側から霧が上がってきた。 




f0308721_01161667.jpg
振り返って蛙岩の方を見れば、霧の中に浮かぶ岩塔が本当にファンタジーの世界のように見える。




f0308721_01173286.jpg
そんな自然と幻想に酔いしれながら1人の山旅にひたっていると、やがて大下りの頭に着く。 




f0308721_01180148.jpg
ここから花崗岩砂のザレた路の下降となる。   




f0308721_01182484.jpg
山稜の左側(東側)の巻き路に入ると霧の中となる。 
東側に霧が発生するのは常のようで、程よい水分が高山植物を育てている。




f0308721_01194114.jpg
とても小さなミヤマコゴメグサがいっぱい!




f0308721_01200953.jpg
大下りの後は、大天井岳への登り返しとなる。 
山稜の右側(西側)には部分的に保護ロープが張られている区間があり、そこにはコマクサの大群落がある。




f0308721_01203738.jpg
時期的にほとんどのコマクサは花期の盛りを過ぎていたが、遅咲きの株がちらほらと残っていた。




f0308721_01210003.jpg
岩にへばりつくように生えている小さな葉は、未だに花を見たことがないイワウメかな? いつか花の時期に見てみたいものだ。




f0308721_01212557.jpg
前夜発の寝不足と、気圧の薄い高山の登りで、やたらと眠い。 
疲れも出てきて、ここから大天井ヒュッテまでが思った以上に長く感じる。 
眼前には大天井岳が大きくそびえている。 
基部で大天荘から常念岳へ行くルートと、大天井ヒュッテから槍ヶ岳へ行く2つのトレイルがくっきりと分かれているのが見える。




f0308721_01220929.jpg
コマクサ群落を過ぎてしばらく行くと、クサリがセットされた切通岩(きりとおしいわ)が現れる。 
クサリとハシゴを降りれば、このルートの開拓者である小林喜作のレリーフが岩にはめ込まれたコルである。 
喜作さん、なかなか愛嬌のあるお顔ですね。 (◠‿◠)クスクス




f0308721_01225285.jpg
コルから階段を登って少し行くと、大天井岳から大天荘へ行く分岐がある。 
大天井岳のピークハント並びに、テント泊の場合は左の急坂を登って大天荘へ行かなければならない。(大天井ヒュッテにはテント場は無い) 
当初はテント泊する予定であったが、ここで心が折れた。 (*_*;  
東鎌尾根へ進むには遠回りになるし、ここに来て最後の登りが辛そうだ。 
迷わず右の緩やかな巻き路へ進む。 
このあたりから霧が山全体を覆うようになる。




f0308721_01244447.jpg
巻き路のザレた斜面には、風にあおられて花柱を逆立たせたチングルマがたくさん見られる。




f0308721_01250735.jpg
巻き路は、西側へ行くにつれて急傾斜のトラバースになる。 
谷側が切れ落ちた狭い岩棚トラバースもある。 




f0308721_01262984.jpg
足場の悪いクサリ場もあるので、最後まで気がぬけない。 




f0308721_01265889.jpg
喜作レリーフから約1時間、巻き路が下り坂になると、ようやく霧の中に大天井ヒュッテの赤い屋根が眼下に見えてくる。 
疲れた~! 今夜はここで小屋泊としよう。

休憩時間を除いた実動時間で、中房温泉から燕岳までの6時間の登りに加え、燕岳から大天井ヒュッテまでの縦走に4時間弱かかった。 

特にテクニカルで危険な場所は無いが、体力的にはストレニュアスである。 



本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆ 




私のこのトレイルへの評価: 5 中級者向け
距離:約10.6km/ 所要時間:休憩込み 11.5時間(中房温泉登山口 6:20 1ベンチ 6:50/7:102ベンチ 7:40/7:50- 富士見ベンチ 9:10/9:25合戦小屋10:00/10:30燕山荘12:00燕岳12:40燕山荘 13:30/13:50大下りの頭14:50喜作レリーフ大天井ヒュッテ 17:50
標高差: 1300m





f0308721_01305609.jpg

下の画像をクリックしていただけたら嬉しいです。 ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ
↓ Thanks for reading my article. Please click the photo below, so that your access can be counted.
にほんブログ村にほんブログ村

by dream8sue | 2017-08-27 01:44 | 中部山岳国立公園 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://hikingbird.exblog.jp/tb/28116512
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
<< 中部山岳 東鎌尾根を越えて槍ヶ... 秩父市 浦山川水系冠岩沢で沢登... >>