人気ブログランキング | 話題のタグを見る

中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park

Sunday, August 18, 2019
中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16322579.jpg
中部山岳国立公園に属す蝶ヶ岳から常念岳を歩く山行の2日目は、蝶ヶ岳のキャンプ地(蝶ヶ岳ヒュッテ)からスタート。

三股登山口から蝶ヶ岳への登高は 前編 をチェックしてね。 034.gif 



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16323108.jpg
2日目の朝は、雲海と東の空を紅く染める朝焼けを見ながら始まった。 127.png



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16323745.jpg
常念山脈の西側は美しい渓谷で知られる梓川が並行して流れ下っていて、その対岸に連なっているのが穂高連峰だ。
左手に朝陽に輝く槍・穂高連峰。 本日はこの大パノラマを飽きるほど見ながら歩くことになる。 070.gif 060.gif 



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16324224.jpg
蝶ヶ岳ヒュッテの北側、展望盤のある小ピークを越えて、二重山稜の主稜線を行く。
そこには厳しい環境に育つ オヤマソバ(オンタデと同じタデ科) がたくさん咲いていた。 056.gif 



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16324848.jpg
左(西側)へ横尾へのトレイルを分け、ひと登りで広々した 三角点ピーク に着く。
西側に見えるスカイラインが、大キレット と 南岳から槍ヶ岳 までの稜線である。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16325348.jpg中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16325958.jpg
 オヤマソバ以外にも、ちらほらと高山植物が見られる。 056.gif  トウヤクリンドウ と イワベンケイ。 056.gif 



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16330578.jpg
三角点ピークの北側の岩峰が 蝶槍 である。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16404572.jpg
バックには皆な大好き槍ヶ岳。 槍ヶ岳の右のスカイラインが日本の山岳史に残る北鎌尾根だね。 
夏でもいいから歩きたい北鎌尾根・・らしいけれど、やっぱり北鎌尾根のルーツは冬でしょう! 034.gif 045.gif



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16405101.jpg
蝶槍の岩場を慎重にクライムダウンして、一気に高度を下げて樹林帯に入る。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16405717.jpg
日陰の樹林帯の中では、モミジカラマツ の白い花が一際美しく咲いている。 056.gif 



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16410357.jpg
池のある鞍部に出て、さらに草原の斜面を登って行く。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16411189.jpg
振り返って蝶槍を見れば、稜線上にちょこっと立った三角垂。 この角度から見る蝶槍なら、何で蝶槍って名前なのかがよくわかるね。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16412241.jpg中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16412880.jpg
 陽当たりの良い東斜面はお花畑の草原で シモツケソウ や マルバダケブキ の鮮やかな花が咲いている。 056.gif 
秋の気配を感じさせる ウメバチソウ や オヤマリンドウ なども見られる。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16413548.jpg
そうそう、火曜サスペンスでお馴染みの トリカブト も今が盛りとばかりに群生している。 037.gif 056.gif 



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16441204.jpg
お花畑を登り上げれば、そこは 2592mピーク。 042.gif   066.gif



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16441880.jpg
再び樹林帯を鞍部まで降り、ザラザラの路を2512mピークまで登る。 042.gif  



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16442585.jpg
2529mピークから30分程で、展望の良い 2512mピーク に着く。  066.gif
目の前に巨大な常念岳が待ち構えている。 



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16443208.jpg
2512mピークは、ひと休みするには最適地で、槍・穂高連峰の青い山脈が目の前に横たわる。 063.gif 



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16443894.jpg
その 穂高連峰 をズームアップすれば、眼下には我が青春の岩壁 屏風岩 が切れ落ちている。

当時、人工登攀でめぼしいルートを登ってしまった私は、日本では数少ないアメリカンエイドのルート “トリプルジョーカー” にも手を付けた。
アメリカのヨセミテ帰りでイケイケだった私であるが、日本の脆い岩場でのアメリカンエイドということで、
いつジョーカーをひくかわからない、そんな神経をすり減らすクライミングだった・・ような・・・・・懐かしい記憶がよみがえる。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16444485.jpg
2512mピークからは砂礫混じりの長~い尾根が続くので覚悟していこう。 (;^_^ フウ~



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16445299.jpg
中間地点の緩やかな場所で振り返れば、巻いてきた岩稜のてっぺんに大岩がクロスしていた。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16445908.jpg
さらに急傾斜の登りを続けると、重なるボルダーを登る疲れる登高となる。 042.gif 



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16464220.jpg
そして、2512mピークから登ること2時間弱、巨岩が累々と重なっている 常念岳(2857m) に到着。 
360度さえぎるものの無い大展望が得られる。 174.png 060.gif

北へ伸びる稜線は、常念小屋から常念山脈の最高峰、大天井岳へと続いている。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16465551.jpg
山頂付近に咲く花は、今の時季は イワツメグサ くらいである。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16470421.jpg
下山は、北へ少し下ったところの三差路分岐を右(東)へ行き、前常念岳を経由して三股へ向かう。
分岐周辺のハイマツの中に雷鳥の親子がいた。 5羽の子鳥を親鳥が見守っていた。 101.png



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16471138.jpg
常念岳の東面は圧倒的な断崖となって常念沢へと切れ落ちている。 005.gif 



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16472074.jpg
黒い真珠のような実は ダンコウバイ かな。  他にも クロマメノキ や アカモノ などが実を付け始めている。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16472965.jpg
前常念岳までは比較的ゆるやかではあるが、岩がゴロゴロの歩きづらい路だ。042.gif 



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16473743.jpg
前常念岳の三角点近くには石室の避難小屋がある。 
屋根は鉄筋、壁は天然石で作られた、ちょっとくらいの嵐ではビクともしない頑丈な造りだ。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_16474570.jpg
避難小屋あたりから積み重なったボルダーを飛び石したり、クライムダウンしたりと厄介な下降となる。 042.gif 
その後も、ザレた急斜面なのでスリップが怖い。 008.gif  
前常念岳から森林限界までの下りが、このルートの最大の難所ではないだろうか。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_17165330.jpg
森林限界を過ぎて、コメツガなどの針葉樹林帯に入る。
始めは緩やかだった尾根路も “掘金村” と書かれた標識がある地点から右(南)へ曲がると一気に急勾配となる。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_17170210.jpg
しかも長い!  042.gif  ツガとクマザサの中を行くスイッチバックが延々と繰り返される。 



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_17171140.jpg
単調な下降では、トレイル脇に咲く花を探してしまう。 これは・・ツルリンドウ かな?



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_17171984.jpg
樹林帯を降ること約2時間、ようやく傾斜がゆるやかになってきて、烏川本沢の沢音が近くなる。



中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_17172707.jpg
そして、ようやく見覚えのある三股の分岐に出る。 ここから三股パーキングまでは10分程である。  


蝶ヶ岳へのトレイルは、アルプス入門コースとして定評のあるルートだけに、良くメンテナンスされている。
が、常念岳から三股へ下るルートは入門者にはややきついルートなので、ビギナーは蝶ヶ岳新道の往復が良いだろう。 165.png  


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆

私のこのルートへの評価: 5★  中級者向け
距離:約10km/ 所要時間:休憩込で約10.5 時間(蝶ヶ岳 5:00‐蝶槍 6:00‐2592mピーク 7:00/7:15‐2512mピーク 7:45/8:00‐
常念岳 9:45/10:30‐前常念岳 11:30‐森林限界 12:30/12:50‐三股口 15:00/15:20‐三股P 15:30)
標高差: 約1600m

中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と常念岳(後編)     Mount Jōnen in Chūbu-Sangaku National Park_f0308721_17173466.jpg

下のバーナーをクリックしていただけたら嬉しいです。 ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ
 ↓ Thanks for reading my article. Please click the banner below, so that your access can be counted.

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へにほんブログ村

by dream8sue | 2019-08-18 16:27 | 中部山岳国立公園 | Comments(2)
Commented by skyblue2017 at 2019-08-29 09:32
はじめまして。蝶ヶ岳、常念岳の記事、楽しく読ませて頂きました!
偶然ですが、私も全く同じ日程、行程で蝶ヶ岳、常念に行っていました。私の撮った写真やそこで感じたことが貴ブログ記事と重なる部分が多くて思わずコメントさせていただきました。もしかしたらどこかで出会っていたかもしれませんね!しかもその前に行った山も偶然にも八ヶ岳!(日程は違いますが)
山中で見かけた不明の花・・「ソバナ」と言うんですね。やっと分かりました。ありがとうございます。
Commented by dream8sue at 2019-08-29 15:08
> skyblue2017さん
はじめまして。 コメントありがとうございます。

偶然ですね。でも、夏山シーズンですから3000m級の山に出かけたくなるのが共通心理ですよね。
次はどこの山ですか? 私は針ノ木岳に行ってきました。

高山植物にはさほど詳しくはないのですが、メジャーな花は覚えました。
でも似たような花や植物が多く、同定はなかなか難しいです。
そんなことも夏山を登る楽しみのひとつになっています。 o(*゚∀゚*)oナニナニ?? 

短い夏山をエンジョイしましょう!
名前
URL
削除用パスワード
<< 中部山岳 針ノ木岳を越えて D... 中部山岳 三股から登る蝶ヶ岳と... >>