2017年 06月 23日 ( 1 )

上信越 花盛りの大源太山から七ツ小屋山を歩く     Mount Daigenta in Jōshin'etsu-kōgen NP

Friday, June 23, 2017
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雪深い上越の山は雪解けと同時に高山植物が一斉に咲き始める。 しかし、同時に虫も大量発生するので虫嫌いの私はこの時期に上越の山へ行くのは避けていたのだが・・。 上越のマッターホルンと呼ばれる大源太山に登ったのは、1991年の秋に沢登りで北沢を登った記憶がある。 その後も積雪期の3月と12月に3回ほど尾根から登っているはずであるがあまりよく覚えていない。 長い歳月は私から上越の山の記憶を遠ざけた。 そんな私に数十年ぶりに大源太山を登る機会が訪れた。 




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<マイカーの場合>
関越自動車道の湯沢ICを降りてから県道268号線で南東に走る。 
高速道路の高架を潜り、左手に岩原スキー場の斜面を見ながら東に走る。
県道は457号線に変わり大源太キャニオン青少年旅行村を目指す。 
大源太キャニオンの0.5kmほど手前で直進し林道大源太線に入る。 
道幅の狭くなった林道を3kmほど走れば、登山口のある林道終点のパーキング(10台くらい駐車可能)に着く。 

小坂の集落あたりから見上げる大源太山は、マッターホルンとは似ても似つかないが、ゴツゴツしたその山容は独特で威圧感がある。




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登山口から山菜の定番ワラビの新芽をみながら、スギ林の中をしばらく行く。 程なくして大源太川北沢の渡渉ポイントにでる。 フィックスロープにつかまりながら飛び石で渡る。 北沢は水量が多いので増水時は靴を脱いで渡ることもあるので留意しておこう。





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渡渉後は北沢の左岸(川下に向かって左側)をしばらく行く。 
すぐに、下降で使うシシゴヤノ頭からのトレイルの分岐が現れる。
分岐を右に見送り、ブナやナラの自然林の中を川上へ進む。
ブナの根元にはギンリョウソウのファミリーが顔を出していた。

私の中で、ブナ林と言えばギンリョウソウ、というイメージを持つようになったのは、2015年の初夏に訪れたカヤの平高原(上信越高原国立公園)で日本一美しいというブナ林を歩いた時からだ。




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途中で横切る枝沢には、アルミのハシゴが掛けられているが、グラグラしていて心もとない。




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沢筋のトレイルではシダ類やヤグルマソウの群落をよく見かけるね。




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パーキングから30分ほどで2回目の渡渉をこなし、弥助尾根の支稜、ムラキ尾根に取り付く。




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樹林の中には、タニウツギの鮮やかなピンクの花や、目立たないが可愛いチゴユリやツクバネソウなどが咲いている、

また、花後のイワカガミやイワウチワもたくさん生えている。 花は終わってしまったのかな~? 

ところで、チゴユリと言えば白い花を下向きに咲かせている姿(写真右)が定番だけど、咲き始めの花はこんなに綺麗なんだね~(写真上)




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ムラキ尾根はフィックスロープが張られるほどの急登だ。 私のふくらはぎはすでにパンパンで爆発寸前だ。




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息を整えながら振り返れば、木立の間から足拍子岳~荒沢山と思われる白い側壁が見えてくる。




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そして樹林の中では高山植物の共演が始まる。 この時期の2大主役の1つが、このベニサラサドウダンだ。 大源太山~七つ小屋~シシゴヤノ頭の稜線の至る所でこの花を見た。




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定番のゴゼンタチバナ(写真左)にナエバキスミレ?(写真右)




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そして、今回の2大主役のもう1つは、このアカモノだ。 こちらも広範囲にわたってトレイルの脇を固めていた。 




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やがて樹林帯が終わり、灌木帯に入ると視界が開け南側にコマノカミノ頭が間近に見えるようになる。 こんな誰も知らないようなピークにも、新人だった頃に先輩クライマーに連れられて残雪期の北尾根を登った記憶がよみがえる。




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古木の幹の中に根づくツツジの若葉に感動!




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大源太川の支流である弥助沢の残雪を左側に見ながら、両サイドが切れ落ちたヤセ尾根を行く。




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やがて完全に森林限界となり、弥助尾根のクサリの張られた岩稜の上に立つ。




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登ってきた灌木帯を見下ろせば、遠くに湯沢町の街並みやスキー場が広がっていた。




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高度を上げるに伴い右側に谷川岳の主稜線(上越県境尾根)の山々が見え始める。 高山植物も花盛りで楽しい。 しかし、気温が上がり体感湿度も増し、蒸し暑さはマックスである。 加えて懸念していた虫も発生し顔の周りにまつわりつく。 ムシムシ(蒸し&虫)攻撃で、大源太山(1598m)のピークに着いた時には私の体力も気力も減退していた。 ここで40分ほどの大休憩。




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大源太山ピークから南側の稜線は、主稜線に合流し七ツ小屋山から谷川岳へ、さらに平標山方面へと右方向(西)へ続いている。 




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残雪も豊富だね。




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大源太山の山頂直下からは本ルートの悪場(小さな岩場が2カ所)が始まる。 急下降する岩場にはクサリやロープがセットされてあるので、それらを使って慎重に降りれば問題ないと思う。 が、岩が濡れていると嫌らしい。




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秋にいち早く紅葉するナナカマドはよく見かける落葉樹だけど、花よりもやはり秋に真っ赤になった実の方が印象的だ。

花は全体的にみるとさほど美しいとは思わないが、咲き始めの花をよく見れば、丸い蕾からウメの花のような花をたくさん咲かせていて実に美しい。




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トレイルは、池の平と呼ばれる最低鞍部まで下り、再び七ツ小屋山へ向かってササと低い灌木の中の急勾配の尾根をガンガン登る。 この登り返しが実にきつく、何度も足を止めて呼吸を整える。 (*_*; フゥー




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時々振り返って谷川主稜線から孤立してそびえる大源太山を見れば、丸ノ沢(まんのさわ)側へ切れ落ちる東壁が圧巻だ。 大源太山は別名、丸ノ大源太(丸ノ沢の源頭の意)とも呼ばれている。 ちなみに平標山と三国峠の間にも同名の大源太山があるが、こちらは河内沢ノ頭ともいう。 同エリアに同じ名前の山があるなんて、近藤さんじゃなくても混同しちゃうよね。 ヾ(o≧∀≦o)ノ゙hahaha
 



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足元には相変わらず高山植物が咲き乱れている。 この辺りのイワカガミ(写真上)はまだ満開状態だ。 マイヅルソウ(写真左)も群生している。  おや、シラネアオイ(写真右)もまだ咲いているなんてシラネ~かった。 ヾ(o≧∀≦o)ノ゙hahaha




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主稜線(県境尾根)までの急登は、大源太を登った後だけに身体にこたえる。 大源太山から1時間30分程の登行でようやく主稜線の分岐に出る。 左に行けば清水峠で、七ツ小屋山へは、右(南)へ10分ほど登れば着く。




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主稜線からは東側の展望が開け、眼前には湯檜曽川を挟んで朝日岳から白毛門の尾根が一望できる。 




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その北側へは、朝日岳から巻機山までの長い稜線が連なっている。 この間は不明瞭で歩くハイカーも稀であるが、私は昔、“岳人” という山岳雑誌の依頼原稿の為に単独で歩いた記憶がある。 (岳人507号をお持ちの方は参照されたし)




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三角点のある七ツ小屋山(1675m)に着いた頃からいくぶん風が出てきて体感湿度が軽減された。 




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七ツ小屋から蓬峠方向へのトレイルは、低いササ原の中に小さな湿原があり、高山植物がたくさん咲くラブリーな路だ。 




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タテヤマリンドウだよね? お久しぶりで~す。 




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ツマトリソウ(写真左)がいっぱい。 ヒメイチゲ(写真右)もちらほらと咲いていた。 ヒメイチゲは、数週間前に行った日光の太郎山にたくさん咲いていたな~。



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今年初めてみるハクサンチドリ。 残雪の山と良く似合うね。




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のどかな尾根路は明瞭で迷う心配もない。 現前には蓬峠から武能岳、茂倉岳、そして谷川岳本峰へと続く長い稜線が伸びている。 




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七ツ小屋から30分弱ほど歩き、蓬峠まであと0.6kmといういう場所にシシゴヤノ頭方面への分岐がある。  ここで蓬ヒュッテまで往復するという健脚な同行者達を待ちながら1人でおやつタイムを楽しむ。




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おやつタイム後は、分岐からシシゴヤノ頭を目指し主稜線から分かれて西へ向かう。




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おっと、忘れていた! 今回のルートで2大主役のベニサラサドウダンに似ているがゆえに主役になれなかったウラジロヨウラクだ。 この花も結構たくさん咲いていた。




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このルートは、大源太川北沢を挟んでループになるので、歩いてきた大源太山から七ツ小屋山の稜線が右側に展開する。




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大源太山をズームしてみれば、夏でも白い岩肌をのぞかせる南壁の迫力はまさにマッターホルンの呼び名にふさわしいだろう。 まあ、本家本元のスイスのマッターホルンはこんなもんじゃないけどね。ヾ(o≧∀≦o)ノ゙  私も1992年に登っているけど、ラペルができないと登れても降りられないよ。 だから、眉毛書いてるお笑いタレントは下山時にヘリコプターを利用したんでしょう? 150年前に初登頂したのウインパー隊の下山に伴う悲劇からも分かるように、マッターホルンという山は、登りよりも下山が数倍難しい山なのだよ。
ちなみに、上越のマッターホルンの方は、南壁を挟んで左のスカイラインが登ってきた弥助尾根で、右のラインが悪場のある最低鞍部までの稜線である。




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なんて、スイスのマッターホルンに思いをはせながら歩いていると、小さなアップダウンを繰り返し、ようやくシシゴヤノ頭に着いた。 西にはコマノカミノ頭を経由し、足拍子岳から荒沢山へ続く稜線が伸びる。 この稜線にも昔はトレイルがあったようだが今は廃道のようだ。 しかし、足拍子岳から荒沢山辺りは残雪期の適度なバリエーションルートとして今でも登られている。
さて、シシゴヤノ頭からは、ヒロクボ沢右岸の尾根を北沢へ向かって樹林帯を一気に下降する。 稜線の展望はシシゴヤノ頭で見納めだ。




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樹林帯に入るとスイッチバックの繰り返しが延々と続き、なかなか高度が下がらない。 しかし、そんな退屈な歩きに花を添えるのは、言わずと知れた高山植物の花々だ。 ショウジョウバカマ(写真左)もまだ咲いていた。 チゴユニに似ているが、花のつき方が違うのでタケシマラン(写真右)かな?




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ツバメオモト(写真左)も綺麗に咲いている。 あ、イワウチワ(写真右)もまだ花が残っていた! はじめまして、会いたかったよ~




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展望が無いので足元ばかり見てしまうが、樹冠に目をやればグリーンの中で純白が際立つタムシバ(写真左)とバックにはムラサキヤシオツツジがコラボしている。 Wow! その横にはお馴染みのオオカメノキも存在をアピールするかのように咲いている。 




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徐々に標高を下げて行くと涸れ沢の脇にシラネアオイが咲き、それらの草花の上にタニウツギやブラシのような花をつけるウワミズザクラが覆いかぶさるように咲いている。




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沢音は聞こえるがなかなか川筋には出ない。 倒木がトレイルをふさぎ迂回の為に藪を漕ぐ。 小さな水場に出るあたりで、だいぶ標高を下げた感じになる。




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その水場の周囲に咲く花は、湿った場所でよく見るラショウモンカズラ(写真左)。 このスミレは何だろう・・ツボスミレかな?




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緩やかになった樹林帯の路を行くと、ブナの大木に絡みつくツルアジサイの群落に出会う。 こんな間近で、しかも何本もの大木に及んでいるので圧倒される。  




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そして、シシゴヤノ頭から降ること約2時間、ようやく入山時に通り過ぎた分岐に合流した。 ここからは渡渉を1回して、スギ林の中を通過すればパーキングまでそう遠くはない。




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予想していた通り高山植物は豊富で、まるで植物図鑑をめくるようだった。 私が掲載した花だけでも30種類に及ぶので実際はもっと多くの花に出会っている。
ルートは、大源太山の下降で若干の岩場やヤセ尾根の通過はあるものの、全体的には技術よりも体力勝負だ。 特に大源太山を登った後の七ツ小屋山への登り返しは見た目以上にきつい。 
また、湿度の高いこの時期の上越の山は、熱中症にかかるリスクも考慮して充分な水分補給を心掛けよう。 虫嫌いのハイカーは虫よけ対策も必須である。 
今回の山行で個人的に感じたことは、滑稽な虫除けネットを被ってまで自分が花見ハイクをしたいかと言えばNOである。 自分で思っているより自分は花見ハイキングが好きではないのかもしれない。 やはり西上州などの切り立った岩場歩きの方が好きだということが分かった。

本ルートのマップ
私のこのトレイルへの評価: 4★ 中級者向け
距離:約10km/ 時間:約10時間(林道パーキング5:45‐大源太山9:00/9:40‐七ツ小屋山11:10/11:40‐シシゴヤノ頭分岐12:00/12:30 ‐シシゴヤノ頭13:40‐林道パーキング16:00)
標高差: 約950m(累計高低差1050m)

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by dream8sue | 2017-06-23 16:58 | 上信越高原 国立公園 | Trackback | Comments(2)