カテゴリ:南アルプス 国立公園( 4 )

南アルプス 鋸岳の真髄を知る直登ルート角兵衛沢から熊穴沢(後編)     Nokogiri in Minami Alps

Tuesday, August 9, 2016
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最短ルートで鋸岳(南アルプス)の核心部を歩く角兵衛沢から熊穴沢のループトレイルは、まさに鋸岳の真髄を知るルートである。
鋸岳をループで登る場合、中ノ川乗越から第1高点(鋸岳)に向かう方が楽である。私たちが今回歩いた時計回りのルートは不利である。が、角兵衛沢出合でテント泊をすることで、軽荷で身体への負担を減らしスピードアップを図ることができた。
角兵衛沢出合までのアプローチ編はこちらから → “南アルプス 鋸岳の真髄を知る直登ルート角兵衛沢から熊穴沢(前編)Nokogiri in Minami Alps NP”





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角兵衛沢出合のケルンから薄暗い樹林帯を行く。 踏み跡はしっかりしているが、夜明け前のヘッドライトの灯りだけでは踏み跡を探すのは難しい。私達も予定より30分ほど遅らせて4時45分にテント場をスタートした。 小尾根を越えるようにして “一合目” の手作りの小さな道標に出たら、右の踏み跡をトレースする。 左方向には、昔は寝木小屋沢を経て横岳峠に登る路があったようだ。(現在は廃道)




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しばらく樹林帯の登りが続き、やがて積み跡が判然としなくなると明るいガレ場に出る。ガレ場のケルンを目指し高度を上げていくと、右側に第二尾根から派生する大岩壁(角兵衛ノ大岩)が見えてくる。




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右側の尾根に登り、岩壁に沿って右に3分ほど(100mくらい?)行くと “大岩下の岩小屋” がある。オーバーハングした岩壁の割れ目から少量ではあるが水が涸れずに染み出ている。 周辺にはテントを3,4張れるスペースがある。 水場のおかげで、辺りは高山植物のお花畑になっている。 角兵衛沢出合からここまで約2時間30分。休憩するには最適な場所だ。  063.gif




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f0308721_2055343.jpg南アルプスの特徴として、夏に雨が多く、冬の積雪量は少ない。
よって森林限界の標高が高く稜線付近(2,700m付近)まで森に覆われている。
そのため植物も南アルプス国立公園にのみ分布する固有種がみられる。
その一種であるタカネビランジがちょうど満開であった。(写真上) 056.gif
私はこの花に会うのは、鳳凰三山ハイク以来2年ぶりの再会だ。
知っている花に出会うとまるで旧友にでも会ったみたいに嬉しくなるから不思議だね。 003.gif
他にも、ヒヨドリバナ、アキノキリンソウ、ホタルブクロ、ヤマハハコ、オヤマボクチ、オトギリソウ、ムラサキタカネアオヤギソウ(タカネシュロソウ)など多くの花が見られる。  056.gif




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岩小屋周辺の居心地の良さについつい長い休憩になってしまうが、まだまだ先は長いので先を急ごう。 角兵衛沢右俣に戻り、赤茶けた砕石の押し出しが延々と続くガレ場を角兵衛沢ノコルまで登る。 どこを歩いても足場が悪いが、岩壁の基部に沿って右側を行くと比較的登り易いだろう。 034.gif




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部分的な草つきやダケカンバが生えているが、ガレ場が途切れることはない。やがて、右岸(左側)にスフィンクス岩が見えてくる辺りになると、傾斜はさらに勾配を増す。 下部よりも砕石も細かくなり不安定で歩きづらくなってくる。 008.gif




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息を切らして登りながら時々振り返れば、戸台川を隔てて南アプルス林道が山腹にくっきりと見える。 その奥には中央アルプスも眺められる。 072.gif




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ガレ場を左にトラバースし、コルへ続く尾根の末端を廻り込む。




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いよいよ角兵衛沢ノコルまであと少しだ! この辺りは最高に傾斜がきつく前にもまして急登を強いられる。 安定しない足場をこらえながら、ほぼ四足になって登る。最後の踏ん張りどころだ。 042.gif
南アルプスは現在でも隆起が続いていて、その隆起速度は年間3~4mmという日本最速らしい。 当然、崩壊も多く、多雨な気候と相まってV字谷やこのような崩壊地が多いとのこと。 知らなかった!  005.gif




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岩壁とガレ場のわずかな隙間にオタカラコウやタカネヒゴダイ(写真左)、ウメバチソウなどが咲き、岩壁にへばりつくようにダイモンジソウ(写真右)が咲いていた。 056.gif




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大岩下の岩小屋から2時間強、待望の角兵衛沢ノコルに着く。 コルは露岩のある狭い鞍部である。 テントを張るなら1段下がった角兵衛沢側にギリギリ1張り可能なスペースがある。




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角兵衛沢ノコルの東側には三角点ピークがそびえている。




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第1高点へは角兵衛沢ノコルから右(西側)へ縦走路をたどり、ハイマツやナナカマドなどが生える垂直にちかい岩稜を登る。 071.gif




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ナナカマドの実かな? 早くもワインレッドに色づいているね。 043.gif




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岩稜をひと登りで小さな肩に出る。 眼下には先ほど息を切らして登ってきた角兵衛沢のガレ沢が広がっている。




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ろくに養土となる土など無いと思われる岩の上にも高山植物が根を下ろしている。 このイエローの花はイワインチンかな? 056.gif




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角兵衛沢ノコルから20分ほどで鋸岳最高峰の第1高点(2,685m)に着く。 トンガリピークなので眺望には優れている。




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第2高点を隔てて甲斐駒ヶ岳が悠然とそびえている。 その右奥には北岳の pyramidal な山容が素敵だ!




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右手には、 “南アルプスの女王” と呼ばれる仙丈岳が、穏やかで優雅な姿を見せている。




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北側に目を向ければ、八ヶ岳が雲を被り、その下には日向山の白い山肌が光っている。 噂には聞いていたが、日向山ってあんなに白いのか~ 一見の価値がありそうだ。 005.gif




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展望だけではなく、陽当たりの良い岩稜にはたくさんの高山植物が咲いているので足元にも目がいく。 こちらも久しぶりに見るトウヤクリンドウ(写真左)。




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さて、第1高点で展望を楽しんだ後は、第2高点を目指そう。 前方には第2高点がくっきりと見えているが、そこに至るまでの稜線が複雑な線をえがいている。 いよいよ鋸岳の核心部に突入だ。 070.gif




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岩稜のトレイルを行くと小ギャップの上に出る。 鞍部が見下ろせるので高度感がある。 狭い鞍部からは長野県側(南側)に崩壊したルンゼが切れ落ちている。




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小ギャップへは10mほどの垂壁をクサリを頼りに降りる。 逆層の垂壁で足場が悪く、クサリががセットされているとはいえ緊張する。 008.gif




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10mのクサリ場を小ギャップ鞍部から見上げる。




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小ギャップ鞍部からの登り返しも長いクサリ場である。 005.gif




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中間部が被り気味の岩場でパワーを要する。 上部でクサリが太くなり握りづらくなるので、左の草つきについた踏み跡へ逃げる。




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クサリ場を越えるとナイフリッジになるので、リッジ通しではなく北側の巻き路に進む。 071.gif




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巻き路から岩峰を廻り込んだところに鹿ノ窓(鹿穴)がある。この鹿ノ窓から第2高点までが最難所である。 008.gif




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鹿ノ窓をくぐって、60mはあろうかと思える長~いクサリの下降だ。 岩は逆層で、しかも脆く浮石だらけである。 トップがあらかじめ表面の浮石は払い落して下降したが、後続者の下降時には岩場の下に居てはいけない。できるだけ右岸の草つきに逃げて待機しよう。 034.gif




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さて、この後のルートファインディングが難しい。 鹿ノ窓から落ちているルンゼを降り、大ギャップから落ちている狭いルンゼへトラバースするのが正解ルートである。が、見た目には、 “この先は断崖で下りられません” と思わせるほどの険悪なルンゼを下る。 この辺りのルートファインディングが時計回りの難しさなのだと実感する。 第2高点からの方がルートを見つけやすいだろう。
また、鹿ノ窓から落ちているルンゼの途中から巻き路があるが、この巻き路は2つのルンゼの中間尾根へ続いていて、第3高点(中岳)への路である。第3高点に登っても大ギャップへはロープなどが無いと降りられないので通常は第3高点へは行かない。 034.gif




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鹿ノ窓から落ちるルンゼを、 “もう以上は降りられません” というところまで降り、ルンゼの中にある幅10㎝程度の岩バントを5mほどトラバースして、さらに中間尾根の末端壁に沿って大ギャップから落ちるルンゼへと降りる。
この中間尾根の末端へトラバースするルンゼの10㎝バンドが分かりづらい。全員の目を皿にしてこのポイントを探そう。 034.gif




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中間尾根の末端壁の右側は、落ちたらアウトの深い谷なのでトラバースは要注意だよ。 034.gif




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大ギャップから切れ落ちているルンゼ(ガレ沢)に降りたら右へトラバースする。




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ガレ場から右の尾根に登り、樹林帯に入って20分ほど登り返せば、第2高点の南西稜に這い上がる。 042.gif




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南西稜を左に少し登れば第2高点(2,675m)に着く。 第2高点のピークには錆びた剣が天を刺している。 その剣と同じくらい鋭い後方のピークが先ほどクサリの連続で登り下りした第1高点(鋸岳最高峰)である。第1高点から第2高点間の核心部に2時間30分を要した。
By the way, なぜ鋸岳だけピークを第1高点とか第2高点というのだろう? 通常は第1峰、2峰とか、西岳、東岳などと言うのにね。 039.gif




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さて、第2高点で最後の展望を楽しんだら熊穴沢右俣の下山ルートに進もう。 まず第2高点から中ノ川乗越へ下りるために甲斐駒ヶ岳への縦走路を東に行く。 第2高点のピークから東の小ギャップまで降り、そこから右へ岩稜と岩稜との間のガラ場を降る。




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f0308721_2130940.jpg踏み跡ははっきりしているが、相変わらず足場が不安定でつらいところだ。
しかし、ここは緑のルンゼでお花が一面を覆っている。 056.gif
ここで初めて見た花が、ミソガワソウ(写真上)だ。
写真左は、おなじみのマツムシソウだね。 056.gif




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中ノ川乗越が眼下に見えている。 山梨側(北側)には樹木が生えているが、南面の熊穴沢右俣は崩れ落ちた斜面で、角兵衛沢右俣同様にガレ場が続いている。
ちなみに、第2高点から西側の大ギャップ、鹿窓ルンゼ、小ギャップなどは熊穴沢の左俣源頭部になる。




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中ノ川乗越から右側の岩の墓場のようなガレ場を降る。 熊穴沢右俣は、角兵衛沢右俣に比べて幅も広く、足元の石も大きい。しかし、踏み跡など無いので石から石へ飛び石しながら降りる。 比較的大きな砕石なので安定はしているが、膝には悪そうだ。 008.gif




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振り返れば中ノ川乗越の大きなギャップが、もうあんなに遠くになっている。




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ガレ場を左寄りに降っていくと、やがてカラマツ林が現れるので、しばらくはカラマツ林の中を行く。 カラマツも根元まで砕石で埋まっていて痛々しい。 002.gif




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そして樹林帯に入ってしばらく行くと、ようやく砕石から解放される。 カラマツとシャクナゲのしっとりした森となり、膝にも優しいトレイルとなる。 ふぅ~・・やはりガレ場歩きは疲れるね。 042.gif




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第2高点から熊穴沢の下降に3時間30分を要し、ようやく熊穴沢出合の河原に出る。 
早朝に角兵衛沢出合をスタートしてから12時間が経過していた。 消耗した身体には戸台川の水が嬉しい。頭から水をかぶって互いの労をねぎらう。




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熊ノ沢の出合はこんなに狭く、沢というよりただの崖崩れにも見える。 この奥にあんなに大規模なガレ沢があるとは想像もつかない。




f0308721_21342055.jpg熊穴沢出合からテントを張った角兵衛沢出合までは、戸台川を渡渉して左岸の路を行く。
20分ほど下流に歩けば角兵衛沢入口に着く。
今宵も角兵衛沢出合に泊まることにする。
角兵衛沢出合から戸台への下山は、アプロート編と同じルートなので、そちらを確認してください。 040.gif 043.gif





f0308721_21353765.jpg鋸岳の縦走路は複雑な地形の岩場なので、ハイキングマップだけでは対応できないものがある。
そして、ルートファインディングもさることながら、ザレ場の急登や脆い岩場での対処能力が試されるルートだ。
まさしく上級ハイカー向けのルートである。
初級者だけでは行かない方が良いだろう。 034.gif
久しぶりに手ごたえのあるトレイル歩きだった。

私のこのトレイルへの評価: 4★ 上級者向け
行程距離: 約6.5km(角兵衛沢出合‐大岩下の岩小屋‐角兵衛沢ノコル‐第1高点‐第2高点‐中ノ川乗越‐熊穴沢出合 - 角兵衛沢出合)
標高差: 約1,365m
実動時間: 約13 時間(休憩込み)

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by dream8sue | 2016-08-09 20:47 | 南アルプス 国立公園 | Trackback | Comments(10)

南アルプス 鋸岳の真髄を知る直登ルート角兵衛沢から熊穴沢(前編)     Nokogiri in Minami Alps

Monday, August 8, 2016
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初心者入山禁止、危険マーク付きの鋸岳にハイキング上級者メンバーで行ってきた。 その上級者たちをもってしてもルートファインディングに悩む個所あり、クサリはセットされているものの落石ロシアンルーレットのような鹿穴ルンゼ、足元からグズグズに崩れ落ちる石の墓場のような砕石帯など手ごわい縦走路であった。 008.gif

鋸岳へのアプローチはいくつか考えられる。 昔ながらの戸台川の河原を歩くルート、北側の釜無川源流からのルート、甲斐駒ヶ岳から縦走するロングルートなど。 そんな中で、鋸岳の核心部である第1高点~第2高点を最短で歩く直登ルートともいえる角兵衛沢から熊穴沢のループトレイルは、まさに鋸岳の真髄を知るルートである。 045.gif

まずは、アプローチ編(入山と下山日のルート)として、戸台から角兵衛沢出合までの戸台川の河原歩きの様子である。 035.gif 070.gif




f0308721_637281.jpg<マイカーの場合>
マイカーの場合は、中央自動車道諏訪ICから国道152号を南下して美和湖の南端の三叉路を左折する。
約2kmで南アルプス林道バス営業所(バス停:仙流荘)を左手に見る。
営業所から4kmほど走ると戸台大橋バス停があり、さらにその先1kmほど走った二俣を右に行き小黒川を渡る。
橋本山荘などの前を通り河原に降りて行くと広いパーキング(無料)がある。
パーキングの入口には登山案内の看板がたくさん立て掛けられた小屋(無人)がある。




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河原パーキングに着いて目に飛び込んできたのは、戸台川の上流に悠然とそびえる甲斐駒ヶ岳の雄姿だ。
私は2002年の正月にアイスクライミングで戸台川上流にある “舞鶴の滝” を登りにこの河原を歩いているのだが、冬と夏の違いもあるが全く記憶にない。とにかく長い河原歩きだったという記憶だけだ。 008.gif 003.gif




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そして、目の前の荒れた河原を覆っていたのがこのフサフジウツギ、属名ブッドレア(ブッドレヤ)と言う中国原産の帰化植物だ。樹高は3m以上あると思われる大きさで、パープル色の花穂を放射線状に出していて、とてもボリューム感がある。この帰化植物は戸台川のけっこう上流まで侵食している。 005.gif




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南アルプス林道が開通される前は、(長野県側からの場合)このルートから北沢峠を目指したという昔ながらのルートである。が、昭和の時代に襲った台風で登山道は崩壊されたままなので、現在はほとんど河原歩きとなる。 河原はどこでも歩けるが、少しでも効率よく歩く為に、有るような無いような踏み跡をトレースする。 070.gif




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やがて踏み跡も消え何度か渡渉を強いられる。 場所によっては靴を脱いで渡渉する個所もある。河原の中洲に橋桁のような構築物があり不思議に思うが、以前は吊り橋があったらしいので、その残骸のようだ。
渡渉後、河原から右岸(注意:川の下流を向いて右側が右岸、左側が左岸である)の林道に這い上がり、廃屋の人家を高みの林の中に見て、そのまま右岸の林道を白岩の堤防まで進む。 071.gif




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河原や林道にはフサフジウツギ以外にも、センニンソウ、クサボタンやマツヨイグサなどの花々が咲きほこっていた。 甘い香りをあたりに拡散している大木はクサギ(写真左)だ。 枝からインゲン豆のような実を垂れ下げているツタ植物はフジの木だ。春にパープルの花を咲かせるフジは見たことがあるが実を見るのは初めてだ。
フジの花といえば、今春に訪れた日光国立公園で庚申山の林道のフジの花は見事だったな~ → “日光 庚申山 奇岩がいっぱいのお山巡り   Kōshinzan in Nikkō National Park”





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さて、植物観賞しながら、渡渉を含む河原歩きを1時間ほどこなすと左岸に白岩の大岩壁が見えてくる。




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そして、程なく白岩の堤防に着く。 042.gif




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堤防を右岸から越え、再び河原に降りて、有るような無いような踏み跡を追う。 070.gif




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やがてビューポインの堤防が現れる。 スカイラインに浮かぶ甲斐駒ヶ岳の手前には、鋸岳の第一尾根、第二尾根と思われる尾根が張り出している。 ビューポインの堤防を過ぎると、残存している昔の登山道にそって赤テープなどを探しながら川の左岸を行く。




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左岸のトレイルではキブシの実?が山ブドウの様に房になって垂れ下がっていた。春には黄金色の花をよく見かけたが、これまた実を見るのは初めてだ。




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赤テープなどに導かれていくと、ケルンや赤ペンキのサインなども出てきて、判然としなかった踏み跡はしだいに1本に統一されてくる。




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相変わらずフサフジウツギは多いが、他にもヌスビトハギの可愛い花や、野イチゴの木などがあり、熟した甘い野イチゴに舌鼓をうちながら歩いた。011.gif 
写真の大葉は、日本産のアザミの中では最も大きいというフジアザミ。 富士山周辺に多い分布していることから “富士アザミ” と命名されたようだ。 027.gif 056.gif




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白岩堤防から歩くこと約1時間30分、河原から離れて、しっとりとした森に入って行く。




f0308721_650189.jpg森に入ってすぐに苔生した美しい林床を見ると、 “角兵衛沢入口” の標識が現れる。
角兵衛沢出合は対岸にあり、樹木が茂っているので、この標識が無ければ、分からなかっただろう。
ちなみに、下山ルートの熊穴沢出合は、この上流の次の出合い(角兵衛沢入口から10分程)である。




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そして、対岸の角兵衛沢出合へは、再び靴を脱いでの渡渉となる。 川を渡ったところが今夜のキャンプサイトであるが、気を抜いてはいけない。 この河原の石はメチャ滑る。 008.gif 私は、裸足でも見事に滑って尻もちをついた。 007.gif Be careful!!! 034.gif




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テントサイトには、大きなケルンが積まれている。 鹿の骸骨も置かれている。005.gif ここは小さなテントなら5,6張は張れるだろう。 034.gif




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川岸から見上げる鋸岳には、大崩壊の赤茶けた斜面が見える。 いよいよ明日は、あの大崩壊を登るのか~! 043.gif 060.gif
本編である、兵衛沢から熊穴沢のループトレイルの様子はこちらから → “南アルプス 鋸岳の真髄を知る直登ルート角兵衛沢から熊穴沢(後編)”




f0308721_6531657.jpg角兵衛沢出合までのアプローチルートとして、地元ガイドが南アルプス林道の “歌宿” や丹渓新道からのバリエーションルートを紹介していたので、その方法も一考かと思った。
が、今回はメンバー全員が初めてのエリアということもあり、セオリー通りに河原歩きルートとなった。
入山、下山に各半日を要し、関東からマイカーでのアクセスと合わせて鋸岳のみに3日間を費やすことになった。
結果的には、バスの時間を気にしないですむこのルートで良かったかもしれない。


私のこのトレイルへの評価: 4★ 上級者向け
行程距離: 約5.5km(戸台の河原パーキング‐白岩堤防‐角兵衛沢出合)
標高差: 約270m
実動時間: 約3時間 (休憩込み) /下山時は同ルートで2.5時間

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by dream8sue | 2016-08-08 06:32 | 南アルプス 国立公園 | Trackback | Comments(0)

南アルプス ドンドコ沢から登る鳳凰三山(後編)     Hoō Sanzan in Minami Alps National Park

Wednesday, August 20, 2014
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鳳凰三山の素晴らしさは二つある。一つは風化花崗岩の白い山稜をたどる、鳳凰三山自体の稜線の美しさ。
もう一つは白峰三山をはじめとする周囲の展望を楽しめることだ。045.gif


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鳳凰小屋から樹林帯を登っていくと、次第に樹木がまばらになり、地面も白砂へと変わる。
鳳凰小屋までの記録は “ドンドコ沢から登る鳳凰三山(前編)” でテェックしてね。 049.gif


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白砂の地面はビーチを歩いているようにザレて歩きずらい。 002.gif
それでも右手前方のオベリスクを目指して、一歩一歩斜面を登っていく。 042.gif


f0308721_2255911.jpg白砂の斜面には、ピンク色のコザクラを大きくしたようなタカネビランジの花が目を引く。
この花は鳳凰三山の縦走路のいたる所に咲いている。 056.gif056.gif056.gif
美男子がビランジの写真を撮っている・・なんて・・041.gif


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振り返れば甲府盆地にかかる雲海と、青空に浮かぶ雲が Wonderful! 072.gif


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あれ、トリック写真? 005.gif いえいえ、私は真っ直ぐに立っています! 046.gif


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地蔵岳(2,764m)の巨岩オベリスクが空にくっきり威容を誇っている。“う~ん、やっぱ存在感あるなぁ~” 004.gif


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鳳凰小屋から約1時間、オベリスクの基部に到着。こ
のオベリスクがバルタン星人のカニの手みたいに見えるのは私だけ? 041.gif 登れる所まで登ってみよう!071.gif


f0308721_2321550.jpgこんな岩場に張り付くようにトウヤクリンドウが根を下ろしていた。 056.gif
リンドウというとパープル色が多いが、このリンドウは淡い黄色なのが特徴だ。
胃薬になるので“トウヤク:当薬”の名がついているらしい。 034.gif


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オー!世界遺産が見えるじゃん! 005.gif やはり富士山は登る山ではなく、見る山だよなぁ~。It's so beautiful! 049.gif 072.gif


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オベリスクの最後のクラックが垂直で難しい!013.gif 残置のロープがあるので登る人もいるようだ。私?無理無理!046.gif


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f0308721_236340.jpgオベリスクを後にして鳳凰三山の最高峰、観音岳(2,841m)を目指す。まずは白い砂が印象的な“賽ノ河原”へ下り、アカヌケ沢ノ頭へ行く。 賽ノ河原には風雪に耐えたお地蔵さんがたくさんいる。


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アカヌケ沢ノ頭へ行く途中で振り返れば、木立の間からオベリスクの雄姿を見ることができる。
おや?ピークに誰か登っているようだ!013.gif


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Wow! Who is that? He is definitely a awesome climber! 005.gif 004.gif


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アカヌケ沢ノ頭(2,750m)に着く。ここから見る観音岳は実に大きい。 072.gif


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アカヌケ沢ノ頭と観音岳との鞍部まではハイマツと花崗岩の岩稜の間を縫うように降っていく。
振り返ればアカヌケ沢ノ頭西面の岩ヒダのような岩稜がすごい。 072.gif


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強風に耐えて生きるカラマツの造形が美しい。 072.gif バックにオベリスクが見える。049.gif


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アカヌケ沢ノ頭から観音岳までは、見えている以上に距離がある。042.gif


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ようやく観音岳への鞍部にさしかかる。ここから左には鳳凰小屋に繋がるトレイルがある。
このトレイルを利用すれば地蔵岳を経由しないで、直接、鳳凰小屋から観音岳を目指すことが出来る。


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観音岳までは高低差200mほどの登り返しとなる。 いよいよ、観音岳がターゲットに入ってきた。070.gif


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鞍部からしばらくは樹林帯を進み、ザレ場や岩稜帯をこなす。
振り返れば・・ “ワォー!アカヌケ沢ノ頭の奥に見えるのは甲斐駒ヶ岳ではないか! 005.gif やっぱ、大きいなぁ!” 045.gif 049.gif


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観音岳まではもう少しだ、頑張れ! 042.gif 066.gif


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鳳凰小屋を出発してから約3時間30分、鳳凰三山の最高峰の観音岳(2,840m)に到着。 066.gif
山頂からは360度のパノラマが楽しめる。
歩いてきた地蔵岳やアカヌケ沢ノ頭、大きく見えていた甲斐駒ヶ岳もだいぶ遠くになった。 072.gif


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東に見えている山脈は八ヶ岳。 おや、手前の岩塊に誰かが立っている。 013.gif
もしやオベリスクのクライマーではないか? 039.gif


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南に目をやれば、向かう薬師岳へのなだらかな稜線と、西に広がる見事な樹林帯が見て取れる。072.gif


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そして、何と言っても目の前(西側)の北岳を盟主とする白峰三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)の展望が素晴らしい。
ここから北岳までは野呂川を挟んで直線距離にして7km足らず。
雪渓の上部に見える北岳の岩壁が北岳バットレスだ。
“たしか昔、ピラミットフェースとか、下部岩壁十字クラックから四尾根などを登攀した記憶があるなぁ・・” などと昔の思い出に浸っていると、先ほどオベリスクのピークに登っていたクライマーがすたすたとやって来た。歩きも早い! 005.gif
聞けば小学生の時にすでに親に連れられて黒部源流を遡行しているという生粋の沢屋さんだ。
どうりで身のこなしが忍者のようだ。He is so cool! 004.gif


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さて、忍者になれない我々凡人は、白砂を踏んでゆっくり薬師岳に向かって縦走を続けよう。041.gif
観音岳から薬師岳までは砂地と岩稜の緩やかな下り坂で20分程度だろう。ルンルン気分の楽しい稜線歩きだ。 060.gif 071.gif


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薬師岳周辺には甲府側から雲が蒸気のようにわき上がっている。005.gif


f0308721_23185995.jpgトレイル脇にはコゴメグサが群生していた。
米粒くらいの花なので一輪では目立たないが、たいがい群生しているので見つけやすい。
美しい花は他にたくさんあるが、可愛らしさではピカイチではないだろうか。
私もそんな存在になりたいな。だって美しさでは勝負にならないから。。041.gif

そしてその可愛い花を取り囲むように群生している緑の葉っぱがウラシマツツジだ。
春にドウダンツツジのような花が咲き、秋には葉が赤く紅葉する。
この葉の表面は葉脈がへこみ、逆に裏面で突出し、顕著な網目模様になる。
この葉を見て、同行者の一人は“エロイ”と表現した。
人の感性って面白いね。この葉っぱ“エロイ”ですか? 037.gif


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そんな植物観賞をしながら稜線散歩を楽しむこと、観音岳から約30分、薬師岳(2,780m)に到着。
薬師岳山頂は砂地の広場のようになっていて、見事なハイマツの群落がある。 072.gif


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波のように横たわった樹木が、冬の風雪のすごさを想像させる。 009.gif


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鳳凰小屋から約4時間の稜線歩きだった。一休みしながら最後の展望を楽しもう。063.gif


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下山は “中道” と呼ばれる東面の尾根を小武川に向かって下りるトレイルだ。
薬師岳山頂からしばらく岩場を下っていくとすぐに樹林帯の中へと入る。


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終始、樹林帯の中を行くやや単調なトレイルである。 019.gif
高低差400m弱ほど下り、2,390m地点に御座石と呼ばれる大きな岩が横たわっている。
休憩適地なので一休みしていこう。063.gif


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御座石からも木の根の張り出した針葉樹林帯をひたすら下る。
1,800m付近でいったん傾斜が緩くなり、周辺が背の低い笹原に覆われるようになると、トレイルも比較的やさしい表情へと変わる。072.gif


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“そろそろ林道に出るかな?”と期待するが、なかなか着かない。
実動時間よりも長く感じるトレイルをひたすら降り続ける。
朝からの疲れと、膝への負担がつのる苦しいところだ。 042.gif 008.gif
中道はドンドコ沢ルートに比べ(この時季は)植物も少なく、時々目にするマルバダイブキなどの花が疲れを癒してくれる。 043.gif


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やがて沢の音が聞こえ始め、林の中でくち果てた廃屋の横を通り過ぎれば中道登山口の標識が見え、ここで林道に合流する。
後は林道を30分ほど降れば、左手に「青木鉱泉近道」と書かれた看板があるので、林道を外れ樹林帯から沢に出て、沢を渡れば青木鉱泉に至る。070.gif
青木鉱泉で温泉に浸かって2日間の汗を流して帰ると良いだろう。(入浴料 :1,000円) 065.gif


f0308721_2326062.jpg私はハイカーが多いルートが嫌いで、いつも人の少ないマイナールートをよく歩くのだが、やはりポピュラーな山にはそれなりの魅力がある。白砂を踏んでの南アルプスの展望ルートは万人に指示される好ルートだ。中道はちょっと退屈かな・・

私のこのトレイルへの評価:5★ 中級者向け 
距離:約13km, 高低差:約1,740m、行動時間:9時間(休憩込み)


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by dream8sue | 2014-08-20 22:48 | 南アルプス 国立公園 | Trackback | Comments(0)

南アルプス ドンドコ沢から登る鳳凰三山(前編)     Hōō Sanzan in Minami Alps National Park

Tuesday, August 19, 2014
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ハイカーなら誰もが知っている南アルプスの鳳凰三山を縦走してきた。20年以上前にテントを担いで夜叉神峠から入り、ドンドコ沢を下山したことがある。しかし、ドンドコ沢の見所である4つの顕著な滝(下流から南精進滝、鳳凰ノ滝、白糸滝、五色滝)の記憶がまったく無い。おそらく見ていないのだと思う。そこで今回はじっくり滝を見ながらドンドコ沢を上りルートで歩き、三山を縦走後は中道を下降するループトレイルで楽しむことにした。 070.gif


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都心からのアクセス:中央高速道を韮崎インターで降り、県道27号線から国道141で西に向かい、国道20に合流したら右折し、川に沿って北西に進む。“上円井”の信号で左折し狭い道を通り抜ければ再び広い道に交流するので右折する。すぐに“御座石鉱泉”という標識があるので左折し、小武川に沿って走る旧道の小武川林道に入りる。旧道は所々に未舗装の箇所があるので運転には気を使う。道に迷わなければ韮崎インターから1時間くらいで青木鉱泉に着くだろう。 (青木鉱泉の駐車料金:750円/1日)

なお、電車、バスでのアクセスは鳳凰小屋のサイトで詳しく案内されているので参考にして欲しい。バスの本数が少ないので事前計画は綿密に。 → http://houougoya.jp/access/


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青木鉱泉の庭先に登山ポストがあるので計画書を提出して山道に入る。すぐに小武川流域の砂防工事現場を横切る。命綱1本に身をゆだねて仕事をしている職人たちはまるでビックウォールを登っているクライマーのようだ。 005.gif 004.gif


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川を工事用の仮説階段を使って徒渉すれば、いよいよドンドコ沢左岸(川下に向かって左)の尾根登りが始まる。いきなり傾斜の強いスイッチバックのトレイルだ。 009.gif


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ひと登りすると支流を横切る。ドンドコ沢には鳳凰小屋に至る間に4つの滝があるが “早速、南精進滝か?” と思ったがこれは違った。 015.gif


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しばらく行くとまた支流がある。“これが、南精進滝か?” と思ったがこれも無名の滝だった。 015.gif


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沢筋に付けられたトレイルのせいか、トレイル脇にはたくさんの植物が見られて急登の労を癒してくれる。 056.gif 043.gif


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青木鉱泉から約2時間、南精進滝への分岐には立派な標識があり、こんどこそ間違いなさそうだ。分岐から5分ほどドンドコ沢方向に寄っていくと、狭い高台のような場所から南精進滝が一望できる。中間に滝つぼを介し2段になった落差約50mほどの滝だ。高台から比較的近くに、目の高さで滝が見れるので迫力がある。私はこの滝が4つの中で一番美しい滝だと思う。 072.gif


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南精進滝の美しさに、この先の3つの滝への期待感が高まる。トレイルはこの先でも072.gifドンドコ沢に流れ込む支流を何度か横切りながら標高を上げて行く。071.gif


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針葉樹林の林床には、写真のカニコウモリという花がたくさん咲いていた。 056.gif


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足元には時々、面白い形をしたキノコ類を発見することができる。ハリネズミ?みたいな白いキノコが針の変わりにたくさんの水泡を背中につけていた。 037.gif そうかと思えば、茶色いユリの花みたいなラッパ形のキノコもある。 005.gif


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深い樹林帯にはシダ類も多く、まるで南方のジャングルみたいだ。 072.gif


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南精進ヶ滝から1時間弱で鳳凰ノ滝への分岐が現れる。分岐より10分ほど南西に行けばドンドコ沢の河原に出る。071.gif その間にはピンクの綿菓子のようなシモツケソウの群生も見られる。 056.gif おいしそうな実をつけた野いちごの木などもあり、自然の恵みにちょっと舌づつみ。 011.gif


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河原からは遠くに2本の滝が左右から落ちているのが見える。これが鳳凰ノ滝だろう。まるで羽を広げたフェニックスのようだ。 005.gif 071.gif
河原をつめれば滝の下まで行けそうだが、結構時間がかかりそうだ。遠目からズームで片翼の滝をアップでパチリ。


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鳳凰ノ滝への分岐に戻り一休み。063.gif ここで今日の行程(青木鉱泉から鳳凰小屋まで)の半分くらいだろう。042.gif
ふと見れば虎のしっぽのような花が咲いている。サラシナショウマかな? 056.gif


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さあ、一休みしたら、次なる滝を目指してドンドコ登ろう! 070.gif 樹林の切れ間に北側の岩壁帯が見える。ガスがかかり幻想的だ。 005.gif 043.gif


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鳳凰ノ滝の分岐から急登を登ること1時間半、白糸滝に到着。066.gif ガレた沢筋の先に垂直に落ちる滝が見える。072.gif
ちなみに頭上の木から垂れ下がっているこの糸状の植物は、空気中の霧から水分を得て光合成をして成長するサルオガセというものらしい。 そういえばこの植物、アメリカの Nojoqui Falls 周辺でも見たな。滝の周辺って霧が発生しやすいのかな? → “苔のロングスカートをはいた滝  Nojoqui Falls near Solvang”



f0308721_2044720.jpgf0308721_2061377.jpg
キャー! 005.gif ディズニーのおとぎ話にでも出てきそうな可愛いキノコ。037.gif でもベニテングダケ(毒キノコ)だから食べちゃだめだよ。 034.gif
この手裏剣のような葉が特徴的な花は何だろう? 039.gif いたる所でこの葉をみるなぁ・・ 039.gif


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白糸滝からさらに1時間ほど登った所に、五色滝への分岐がある。分岐から5分も急坂を降れば五色滝の基部まで行ける。 071.gif


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4つの滝の中で最大の落差約70mの滝だ。005.gif 049.gif


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滝つぼまで行くと、すごい水しぶきで寒いくらいだ。057.gif 070.gif


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五色滝を過ぎるとトレイルは斜度を緩め始め、幹が美しいシラビソの森を通り抜ける。 072.gif


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このあたりが最後の急登である。鳳凰小屋はそう遠くない。頑張れ! 042.gif 070.gif


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トレイル脇に小さな花が咲いている。056.gif お初にお目にかかります。貴方はダイモンジソウ、ですね? 037.gif 確かに花弁が“大”の字にみえる!045.gif


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針葉樹林が終われば下りになり、やがて沢に降り立つ。沢沿いのトレイルにはハイマツやタカネビランジなどの高山植物が咲き、ゴツゴツした岩場を進むと小川を横ぎり再び樹林帯に入る。


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樹木の間から地蔵岳のシンボルであるオベリスク(地蔵仏と呼ばれる巨大な塔のような岩峰)が見えてくると、いよいよ鳳凰三山に来た感が高まってくる。072.gif 070.gif


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そして突然、秋の花を代表するヤナギランの群生が現れれば、そこはもう鳳凰小屋の敷地内である。 056.gif


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鳳凰小屋は沢筋に建っているため水が豊富で、小屋の周囲にはヤナギランをはじめとし、トリカブト、ホウオウシャジンにキオンなどたくさんの高山植物が生殖している。殺伐とした稜線に建つ山小屋とは違いとても雰囲気の良い山小屋だ。049.gif (1泊2食付き: 8,000円)


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テント場も小さいながらきちんと整地されている。072.gif


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高低差が大きく、確かにきつい登りであるが、歩きに飽きた頃に滝が現れ疲れを忘れさせてくれる。滝好きには嬉しいトレイルだ。 049.gif 展望はないが森の中にはたくさんの植物が生えていて楽しい。056.gif

そして、翌日はいよいよ鳳凰三山の稜線歩きだ。“南アルプスの展望台”といわれる通りの素晴らしい景色が展開する。→ 南アルプス ドンドコ沢から登る鳳凰三山(後編)


私のこのトレイルへの評価:5★ 中級者向け 
距離:約7km, 高低差:約1,300m、行動時間:7時間(休憩込み)


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by dream8sue | 2014-08-19 19:38 | 南アルプス 国立公園 | Trackback | Comments(0)