カテゴリ:新潟県エリア( 4 )

南魚沼市 ひとりぼっちの越後三山縦走 中ノ岳と駒ケ岳から紅葉の水無渓谷へ     Mount Echigokoma in Minamiuonuma, Niigata

Saturday, October 28, 2017
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越後三山縦走の3日目は中ノ岳から越後駒ヶ岳を経由し、水無川への下山ルート(十二平登山口へ)を歩く。
今回の縦走ルートの行程の中では、距離も長く、標高差は1800m、累計高低差は2000m以上の激下りとなる。

さあ、今日も長い一日になりそうだ! 101.png



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私は、前日に八海山からオカメノゾキの大キレットを越えて中ノ岳避難小屋で1夜を明かした。
中ノ岳(2085m)には北峰と南峰があり、避難小屋が立つピークが北峰で、山頂は南峰のほうである。

写真は南峰から見た北峰。 バックの青い山は越後駒ヶ岳。
前日までの行程は前項を参照してください。 




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避難小屋を日の出前に出て、小屋から10分で登れる南峰でご来光を見る。
南峰は、展望も良く、荒沢岳、平ヶ岳、尾瀬の燧ヶ岳などが望める。

ピークの南側へは、兎岳や丹後山へ、また日向山を経由して三国川十字峡へ続くトレイルがある。
こちらの十字峡への下降路は、天候が悪化した場合などのエスケープルートとなる。
ちなみに、今回も台風が接近しているので、当日の朝まで三山縦走を続行するかどうか迷った。



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中ノ岳小屋に戻り、越後駒ヶ岳の縦走路へ進む。
北峰直下の急坂を降り、山稜の右側をトラバースして展望のきく尾根にのれば、越後駒ヶ岳までの長い稜線が一望できる。

分かってはいたことだが、 “うわ~遠いな~” と、心の声がつぶやく。



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それでも、朝の稜線歩きは気持ちが良い。
左(西側)には、水無川の源頭部を挟んで御月山とグシガハナ、その水無川の先には八海山が紅葉した すそ野を広げている。



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右(東側)には、荒沢岳の鋭鋒が黒いシルエットを北の奥只見湖へ落としている。
その山容は、どこか北アルプスの槍ヶ岳を思わせるものがある。

う~ん、カッコいいな~・・いつか登ってみたい山リストに追加しておこう。 102.png
ちなみに、八海山に代えて、この荒沢岳と中ノ岳、越後駒ヶ岳を “裏越後三山” というらしい。



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すると、その荒沢岳へ向かって南から竜のような雲が流れていく。 150.png
雲は途中で横から縦に動きを変え、まさに天に昇る竜のように上昇していった。
突然現れたドラゴン・ショーに時間の経つのも忘れて見入ってしまった。
やっぱり自然って面白いね。 169.png



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その後、いくつかの小ピークを越えて行くと、やがてプチ蟻の塔渡りのようなヤセ尾根が見えてくる。
今にも崩れ落ちそうな脆いリッジである。
慎重に、素早くヤセ尾根を渡り、今度はヒノキやマツ、シャクナゲの尾根を行く。



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ここが “檜廊下” で、風雪に耐えて曲がったマツの根っこ登りとかがあり、なかなか面白いトレイルである。



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やがて中ノ岳と越後駒ヶ岳の最低鞍部である “天狗平” に着く。 
ここから越後駒ヶ岳まで300mの登り返しだ。
この辺りは風の通り道でもあり、ハイマツと低灌木が、地を這うように生えている。



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おや、シャクナゲの花がら?が花の形のままで残っている。 意外と綺麗かも。 177.png
この花がらって、摘んであげたほうが翌年も綺麗に花を咲かせるらしい。



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天狗原からは、見上げた首が痛くなるほどのカンバ平への急勾配の登りである。 140.png
気合を入れて、ぐんぐん高度を上げていくと・・ダケカンバが生えるカンバ平のピークである。



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朝から歩くこと約4時間弱、振り返って、自分の軌跡を見る。 
北面に雪を付けた中ノ岳がもうあんなに遠い。



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緩やかになった路をさらに北へ進み、平坦な湿地帯になれば諏訪平である。 
Wow! 赤い実が鈴生りだ! 八海山から越後駒ヶ岳の稜線では、このアカミノイヌスゲが多く見られる。



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諏訪平の先で、水無川へ下るグシガハナへの分岐に合流する。
ここにザックをデポし、越後駒ヶ岳を往復する。



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分岐から北の稜線をたどり右手に奥只見湖へ注ぎ込む北ノ又川の渓谷を見ながら20分ほど行くと、
越後駒ヶ岳の手前で、越後駒ヶ岳の最もメジャーな登山口、枝折峠方面への分岐を右に見る。
越後駒ヶ岳に登るハイカーの95%は、こちらのルートからであろう。

眼下には駒ノ小屋と、その東遠方に枝のように山麓に伸びる奥只見湖が見える。



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分岐から越後駒ヶ岳は目と鼻の先である。

ゲゲゲ!ピークにはたくさんの人だかりが・・・一瞬、行くのをやめようかと足が止まる(私、人の多い山は嫌いなので・・)
“でも、あと150mだしな~、一応、三山縦走ってことだしな~”・・と心の声。  141.png



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ハイカーでごったがえす山頂では、景色を楽しむことも無く、滞在時間1分で退散。 105.png



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グシガハナ分岐に戻り、一休みした後は南西に伸びる尾根に進み、グシガハナのピークを目指す。
緩やかなチシマザサの稜線を降り、雲竜ノ峰を越えて行く。 
左には水無川の源頭部の北沢の岩壁が圧巻である。

分岐から40分ほどでグシガハナ(1811m)に着く。
グシガハナは、越後駒ケ岳から南に突起したピークで、まさに三座の展望台である。



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まず、正面(南側)に、八海山が水無川を挟んで、見たくなくても目に飛び込んでくる。
前日に歩いた八ッ峰から入道岳、五竜岳への稜線・・



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そのまま東に目を向ければ、オカメノゾキの鞍部から中ノ岳までの稜線が、手の届きそうなくらい近くに見える。



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そして、振り返って北を見れば、先ほど登った越後駒ヶ岳が、今まで見えていた山容とは違う形で鎮座している。



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さて、グシガハナで展望を楽しんだら、いよいよ山麓に向けて極楽尾根~滝沢尾根の下降である。
ツガやマツ、ヒノキなどの針葉樹林の急坂から始まる。



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グシガハナから十二平登山口までは直線距離にして3km程度であるが、標高差は1300mである。
この極楽尾根~滝沢尾根がいかに急であるかが分かる。しかも、均一勾配でず~っと急坂! 143.png
針葉樹林と、見晴らしの良い岩稜歩きを交互に繰り返しながら高度を下げていく。



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やがてブナなどの生える自然林に変わると、そこは黄金の世界だった。
“力水” あたりだろうか? 今までとは、まったく山の色が違う。



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右側(北側)には群界尾根から落ちるシャープなスラブや、山腹に飛び出た岩塊などが見える。



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左側(南側)には八海山の山稜と水無川の深い渓谷が横たわっている。



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ブナ、ナラ、ツツジなど見事な紅葉だ。 やはり秋にしてよかった!  109.png



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滝沢尾根上の紅葉と、バックの郡界尾根の山麓の紅葉との二重協奏曲だ!



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こちらは単独でも十分存在感のある紅葉



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倒木がトレイル上に倒れて、行く手をふさぐ。 
その倒木を障害物リレーのように幹をまたいだり、くぐったりして突破する。 119.png



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グシガハナから1時間くらい降ったあたりで、見晴しの良いピークに着く。

右側(北側)にはモチガハナ沢などの群界尾根から落ちているいくつもの支流がある。 
それらの支流は、下流の十二平登山口で水無川本流に合流している。



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蛇行する水無川の流れが、紅葉の海の中で光っている。



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トレイルは、相変わらず急な尾根が続く。
足元では、今にでも燃えだしそうな色鮮やかなツツジなどの紅葉が続いている。



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火が付きそう! 102.png



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グシガハナから約3時間の下降で、ようやく “雪見の松” に到着。
もう膝がガクガクである。 145.png



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雪見の松を過ぎても急坂は続き、ひたすら下降する。
左下に、八海山のすそ野に食い込む笹花沢などの流れが紅葉の中に白いラインとなっている。



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ブナが多いセクションは黄葉が際立っている。



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白いブナの幹も美しい。



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だいぶ標高も下がり、ようやく水無川の川底が見えてくる。
“もう少しだ、ガンバレ!” と、自分を励ます心の声。 166.png



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そして、グシガハナから約4時間の激下りの末に、やっと十二平登山口に降り立った。
滝沢尾根は予想外の紅葉であった。でも、逆に紅葉が無ければただの激下りの尾根でもある。
膝の悪いハイカーにはつらいルートである。 



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十二平登山口の目の前の岩壁が紅く染まっていた。



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十二平登山口から水無川の右岸(川下向かって右側)沿いに林道を西に行く。
すぐにモチガハナ沢が出合い、その流れは林道の下に設けられた流水溝をつたって水無川へ流れ込んでいく。
多くの支流を抱きかかえ豊かな清流の川なのに、水無川とはこれいかに? 129.png



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林道は水害で荒廃が激しく、落石やぬかるみを避けながら歩く。 
右岸の斜面からも名の無い滝が流れ落ちている。



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左に水無川本流の美しい流れを見ながら歩く。
単調な林道歩きかと思いきや、この時季はすこぶる美しい渓流美が堪能できる林道である。 177.png



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十二平登山口から30分ほど歩くと、水無川に一際大きな流れが合流している。 
八海山の沢登りルートとして登られている高倉沢である。



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さらに下流に進むと、右側からオツルミズ沢が合流し、出合いにはカグラ滝、オツル滝の美瀑がかかっている。



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振り返って山を仰ぎ見れば、山腹にも大きな滝が見える。
オツルミズ沢の中腹にかかるサナギ滝かしら?




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渓流美を楽しみながら、1時間ほどの林道歩きで、千之沢小屋の建つ越後三山森林公園の広いパーキングに着く。
千之沢小屋は、1階のトイレの使用はできるが、2階の部屋はロックされていて泊まれない。

荒金入口(森林公園から2時間弱)から浦佐駅までバスもあるが、本数が少なく時間調整が難しい。 
根性で浦佐駅まで歩くことも考えられるが、現実的にはここからタクシーを利用するのが良いだろう。

私は、日没前だったので、森林公園からスタート地点の坂本神社までさらに1時間ほど歩いて、きっちりループにして締めくくった。
坂本神社までは金山橋を渡り、水無川左岸の自転車専用道路を歩いた。
坂本神社から浦佐駅までタクシーを利用。
浦佐駅から関東へ戻る各駅電車は、17時が最終で、それ以降の時間は新幹線のみである。
また、マイカー利用の場合も今回のループトレイルなら都合が良いだろう。

私の越後三山縦走は、大倉口(坂本神社)からの急登で始まり、八海山の楽しいクサリ場、オカメノゾキのナイフリッジと中ノ岳への藪漕ぎ、
そして越後駒ヶ岳から滝沢尾根の下降では思いもかけなかったゴージャスな紅葉が見られた。
台風シーズンの好天を狙っての単独縦走であったが、終わって見れば充実感と満足感たっぷりの山行だった。


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆ 

私のこのトレイルへの評価: 4★ 中級者向け
距離:約15.5km/ 所要時間:休憩込で約11.5時間(中ノ岳避難小屋 5:40‐中ノ岳‐中ノ岳避難小屋 6:00‐檜廊下 8:20/8:30‐天狗平9:20‐グシガハナ分岐 10:00‐越後駒ケ岳10:20‐グシガハナ分岐 10:40/10:50‐グシガハナ‐雪見ノ松 14:30‐十二平登山口15:15‐越後三山森林公園P 16:10/16:20‐坂本神社17:10)
累計高低差: 約+300m / -2000m

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by dream8sue | 2017-11-15 20:57 | 新潟県エリア | Trackback | Comments(4)

南魚沼市 ひとりぼっちの越後三山縦走 八海山からオカメノゾキを越えて中ノ岳避難小屋へ     Mount Nakanodake in Minamiuonuma, Niigata

Friday, October 27, 2017
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越後三山縦走の2日目は八海山避難小屋からオカメノゾキを越えて中ノ岳避難小屋までの難路である。
避難小屋を拠点に考えた場合、水の補給が難しいルートなので発汗の少ない秋に登るのはメリットである。

しかし、その反面、日照時間が短いことが問題となる。
この時季の新潟県の日の出は6時、日没は17時である。
きっちり11時間でこの越後の大キレットとも言うべきヤセ尾根を歩かなくてはならない。

八海山から最低鞍部のオカメノゾキまで標高差500m降ってから、中ノ岳まで800mの登り返し。 
しかもエスケープルートもなく、メンテナンスされていないルートなので八合目と九合目の間は藪漕ぎとなる。



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八海山避難小屋をうっすらと明るくなる日の出前に出発。
大倉登山口から八海山避難小屋までは、前項を参照してください。





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小屋の目の前にそそり立つ地蔵岳へは、岩壁の基部を巻いて行く迂回路を少し東へ行った所から左の踏み跡に入る。
クサリのセットされたルンゼを10mほど登って左へ行けば地蔵岳である。



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地蔵で朝陽を浴びながら、眼下には雲海を背にした千本槍小屋と八海山避難小屋を見下ろす。



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地蔵岳の東側は、八ッ峰と呼ばれるクサリ連続の岩峰群となる。



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八ッ峰は、北アルプスの剣岳の八ッ峰のように、たくさんの鋭峰があると言う意味なので、
各ピークの名称にはさほど意味が無いが、きっちり知りたい人は、千本槍小屋の前に案内板があるので参考にするとよい。
ただし、各ピークの名称は登山口によって相違する(この案内板は大崎口の名称)ので、必ずしもこれと同じではない。



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朝陽を受けながらの岩稜歩きは爽快である。
天空の廊下のような八ッ峰縦走は、視界を遮るものが無い素晴らしい空中散歩だ。
しかし、起きたての脳と身体はまだ歩行に馴染んでいないので、よそ見はしないで、ゆっくり慎重に歩こう。



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各ピークとピークの間は急な岩壁となり10mから20m程度のクサリが何カ所もセットされている。
クサリ場は、腕力で登降するのではなく、スタンスをしっかり見定めて足に重心を置き上り下りするよう心がけよう。
岩登りは洞察力とムーブである!



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白川岳のバックには、尖った釈迦岳が頭を出している。
各ピークを越える度に、似たような景色が現れる。
岩稜歩きは楽しいが、重い荷を背負ってのそれは結構疲れる。
“次はこいつか!” とつぶやきながら岩峰を越えて行く。



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釈迦岳を下った鞍部には迂回路へのエスケープルートがあるので、気分の悪い人はここから迂回路へ進むこともできる。
が、聞くところによると迂回路も結構エグイらしいので油断大敵だよ。



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迂回路の分岐からさらに摩利支天岳、剣ヶ峰、大日岳へと岩稜伝いに行けば、途中には、いくつものハシゴやクサリがある。
中にはこんな垂直のアルミハシゴも・・・ ヒィィ((ll゚゚Д゚゚ll))ィィ!!!



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もはやガラクタ市と化した大日岳ピーク。 128.png 



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大日岳を長いクサリを使って降りきれば、右下から新開道ルートが合流している。



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八ッ峰ルートは、上級ルートとなっている。
西上州の妙義山や二子山の上級ルートが問題なく歩けるハイカーなら間違いなく楽しめるレベルだろう。



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大日岳の基部にある警告板。
Exactly!  That’s right!  I agree with this warning.



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八ッ峰からは、東の小ピークを登って入道岳へ進む。
入道岳ピーク手前の北側は切り立った崖になっているので、この稜線歩きも慎重にね。(写真は入道岳から見たもの)



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南北に長い入道岳(丸ヶ岳)は、八海山の本当の頂上(最高峰)だけに眺望は申し分ない。
振り返れば八ッ峰がもうあんなに小さい。 



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西の眼下には南魚沼市が雲海の切れ間に見えている。



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南には巻機山がうっすらと雪化粧をし、東には中ノ岳に向かって天使の階段が降りている。
本当に天使が降りてきたらいいのにな~って思うのは私だけ?  107.png



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ちなみに、八海山避難小屋から八ッ峰ルートで入道岳まで約2時間かかった。
入道岳で一息ついた後は、いよいよ中ノ岳へ向けて難路が始まる。

入道岳から五竜岳へはすぐにクサリがセットされたガレ場があり、その後の踏み跡も判然としなくなる。
注意点は、左(北側)のガレについた迷いトレースに入らないこと。
あくまで稜線に沿って行くと楽である。



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ガレ場を過ぎて、五竜岳の少し手前で阿寺山への分岐を右に分ける。
幕営可能なスペースもあるので、早出が可能でテント泊できるハイカー、またはパーティーなら八海山を越えたこの辺りで泊まることもできるだろう。
そうすれば、核心部である中ノ岳までの縦走が楽になる。



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五竜岳直下の岩場は、八ッ峰でクサリに慣れてしまった後なので、 “ここにもクサリが欲しい~!” と感じるだろう。  140.png



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入道岳から約1時間で五竜岳に到着。
前方にはオカメノゾキへ続くヤセ尾根が見える。 
こんなの見せられたら、ワクワク、ドキドキが止まらない!  169.png



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まずは荒山までの下降であるが、さらにトレイル・コンディションが悪くなる。
滑り易い急坂が数カ所あり、灌木に捕まりながら慎重に降る。



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荒山?と思わしき見晴しピーク(荒山ではない)からは、北側を流れる水無川の豪壮な景観に時間を忘れて見入ってします。 150.png



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かたや南側は、今が盛りの紅葉が黒又沢まで落ちている。 177.png



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見晴しピークからさらにクサリのかかった岩場などを降り、ぐんぐん標高を下げていく。



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すると、あら、こんな所に荒山(六合目)の山名板が置かれている。
てっきり顕著なピークだと思っていたので意外な場所であることに驚く。



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振り返ると、たどって来た入道岳(右)と五竜岳(左)が高々とそびえている。



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五竜岳の左(南側)には阿寺山へ続く稜線が伸びている。



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灌木の生えたヤセ尾根をしばらく行くと、オカメノゾキの手前の岩稜に錆びたクサリが置かれてあった。



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ここからは、オカメノゾキと出雲先との間のナイフエッジのようなヤセ尾根が見える。 
紅葉して紅くなっているので、錆びたナイフのようだが、錆びていても切れ味は抜群なので落ちないようにね。 110.png



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オカメノゾキ(七合目)周辺の紅葉がすごい!  177.png
左の水無川側は、覗き込むのも恐ろしいくらい切り立っているので、覗かない! 105.png



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鞍部からの岩稜?(岩壁)は、直登は無理なので基部を右側へトラバースして、クサリのセットされた岩場を登る。



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クサリ場はちょっと逆層で悪い。  148.png



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クサリに捕まりながら、降ってきたオカメノゾキ方向を見れば、南斜面を埋め尽くす紅葉の美しさに唖然とする。
思わずクサリから手を放して写真撮影する。 怖ッ!  105.png



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クサリ場を登り切れば眼前には錆びたナイフエッジが迫る。
右側(南側)は、黒又沢へ険崖が切れ落ちていて、ナイフエッジから引きずり落とされるような錯覚を覚える。  140.png



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左奥(北東側)には越後駒ケ岳と水無川の深く切れ込んだ渓谷が見える。
水無川の本流には多くの滝があり、関門ノ滝や幣ノ滝など落差100m~200mという壮大な滝も懸かっている。



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水無川を挟んだ対岸には、越後駒ケ岳から西にグシガハナの一際目立つピークがあり、滝沢尾根が水無川へ一気に落ちている。
“明日は、あの尾根を降りるのか!” と心の声。



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オカメノゾキからの下降は紅葉の海へダイブするかのようなスティープな下降路である。 ヒィィ((ll゚゚Д゚゚ll))ィィ!!!



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そして、ハイマツの生えたナイフエッジの岩稜を登る。



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岩稜を渡り終え、湿ったルンゼ状の急登をこなせば、 “八合目” の石標が転がっている出雲先(黒又沢ノ頭?)にたどり着く。



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八合目から、歩いてきたオカメノゾキの稜線を振り返る。
五竜岳から約4時間かけての、越後の大キレット越えであった。



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“やれやれ、ようやく八合目か~” と、ほっとしたのは、束の間の喜びであった!
ここからが非常につらい登りとなる。 145.png
中ノ岳の前座には御月山の巨体が鎮座している。



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そして、そこへ至る路は、灌木のブッシュ帯で、所々で背丈以上あるササの藪漕ぎを繰り返す。
朝からの疲れも加わり、八合目から御月山までの2時間が嫌になるほど遠く感じる。 
頭の中で、 “ドナドナドーナドーナ 169.png 子牛を乗せて~ 169.png” のフレーズが繰り返している。
まるで売られていく牛になった気分だ。 う~ん、何だか自分が壊れていく~ 105.png



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御月山への最後の岩場では、 “まだクサリあるの~聞いてないよ~” と、ぼやきが出る。 143.png



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ようやく御月山のピークに立つと、中ノ岳の全容が露わになる。
その山すそには、祓川の流れが光っている。



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中ノ岳から北へ目をやれば、越後駒ケ岳へ続く稜線が西陽に照らされている。 
“明日は、あそこを歩くのか~” と心の声。



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御月山から100mほど下って祓川で給水する。
ここは、中ノ岳に避難小屋ができる前は唯一の幕営地だったこともあり、今でも幕営可能な場所がある。



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周辺は草原となっていて、夏には高山植物もたくさん咲くらしい。
川のほとりに九合目の石標があるが・・八合目と九合目が実に長く感じられたな~。



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前日同様に給水して重くなったザックを背負い最後の登りに取りかかる。
草原からササ原に食い込んだ溝状の小沢を登る。



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ササ原から灌木の浅いルンゼになると、今年の初冠雪がトレイルを埋め尽くしていた。
まさかの雪道に、足の置き場に煩わされながらも、何とか頂上までもう少しと迫る。
祓川から1時間強の辛い登りを終え、残照の御月山と、バックにそびえる八海山を振り返る。 灌漑無量! 103.png



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日没も迫り、最後は太陽との追いかっけこであったが、何とかタイムリミットぎりぎりで中ノ岳避難小屋に着いた。 175.png
中ノ岳避難小屋は、積雪に対応して鉄ハシゴを登り窓からの出入りとなっている。
シーズン中はポリタンクに雨水が蓄えられているようだが、この時はすでに撤収されていた。
避難小屋では居合わせた他の登山者3人と互いの労をねぎらいながら、情報交換やら雑談を楽しんだ。

越後三山縦走の核心部ともいえる八海山と中ノ岳間の縦走を終えた。
たが、翌日の中ノ岳から越後駒ケ岳を経由し十二平登山口へ下降するルートは、今回の縦走ルートでは一番距離も長く標高差も大きい。
安堵と不安と期待を胸に秘めて早々に眠りについた。 152.png


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆ 

私のこのトレイルへの評価: 4★ 上級者向け
距離:約6.5km/ 所要時間:休憩込で約11時間(八海山避難小屋 6:00‐入道岳 8:00‐五竜岳 9:00‐荒山 10:30‐オカメノゾキ‐出雲先 13:00/13:20‐御月山15:20‐祓川 15:40‐中ノ岳避難小屋17:00)
標高差: 約 -500m/+800m
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by dream8sue | 2017-11-14 02:31 | 新潟県エリア | Trackback | Comments(0)

南魚沼市 ひとりぼっちの越後三山縦走 静かな大倉口から八海山避難小屋へ     Mount Hakai in Minamiuonuma, Niigata

Thursday, October 26, 2017
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越後三山は八海山、中ノ岳、越後駒ケ岳の総称で、魚沼三山とも呼ばれる。
私は三山どころか、一座も登ったことが無く、以前からこのエリアに興味があった。

三山縦走を計画する場合は、八海山と駒ケ岳のどちらを起点とするかが問題になるが、どちらから入っても八海山と中ノ岳の間は登降の標高差が大きい難路である。
どうせなら馬蹄形ないしはループですっきりと歩きたいと考えた私は、大倉口から壮大な水無川をぐるりと回るルートを歩くことにした。
宿泊は初日が八海山避難小屋、2日目は中ノ岳避難小屋を利用する。

折しも台風シーズンで、2週連続して台風が日本列島に上陸する予報となった。
台風と台風の狭間をぬっての好天狙いで、急遽決めた山行だけに同行者を得ることができなかった。
未知のエリアで、難路を単独で行くことに一抹の不安を覚えつつも、久しぶりのチャレンジ山行に心が躍るものがあった。



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<公共交通の場合>
JR上越線・上越新幹線浦佐駅から、大倉の坂本神社(八海山里宮)までタクシーで約20分(片道:2360円)
大倉入口まではバス(南越後観光バス)があるが、本数が少ないので利用するなら事前のチェックは必須。
坂本神社前の丸山屋に登山ポストがある。

大倉口は八海山の登山ルートの中で最も古い登山路である。
山口側の八海山ロープウェイが営業されてからは、大崎口コースが主要路となり、
大倉口コースを利用する人は少なくなったようだが、その分、静かなハイキングが約束される。



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坂本神社から、うっそうとしたスギ林の路を1kmほど歩く。



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スギ林を過ぎ、小さな沢沿いの湿った路から左方向の自然林の尾根へ進む。
おや、変色しているようだが、気になる花を見つけた。 178.png
アケボノシュスランかな? 初めまして。



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1時間ほどスイッチバックの急坂を登ると、小さな水桶に水が溜まっている水場を過ぎる。
雷神画が描かれた岩を右手に見て、二合目と思われる “万代松” に着く。
地図には、万代松と書かれてあるが、マツの木では無く、3本のスギの木が立っている。
どうやら、マツの木は枯れてしまったようだ。 134.png



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ここの3本スギの間からは、十日町市方面の展望が開ける。



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二合目のベンチの置かれた広場の先からは、美しいブナ林となる。
足元には、イワウチワの光沢のある葉がたくさん生えている。



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ブナ林を登っていくと稜線伝いとなり、左側(北側)に水無川を隔てて郡界尾根のヨモギ山、カネクリ山などの鋸のような山並みが見える。
Wow!  青い山脈だ~ ォォォオオ(・д・oノ)ノ!! 



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足元は秋色だ!



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こんな大きなキノコを発見! ペットボトルのキャップより大きい!



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アポロチョコレート形したキノコ。



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この花は何だろう? 178.png 雪国に数多く生えているというクルマバハグマかな? 



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やがて、神風がまつられている三合目の “風穴“ に着く。
5m奥の風穴からは、(この時季は?)冷風は吹いてこない。
どうやら神風のご利益は薄れてしまったようだ。 102.png



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風穴から少し登ると、つぶれたトタン屋根のような物がある。
古い地図にある地蔵小屋かしら?



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だいぶ高度を上げてきた。
このあたりの標高になると、ブナの木も紅葉している。



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黄金色に輝くブナの木。  177.png177.png



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黄葉の灌木。  177.png



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チゴユリは花期も可愛いけど、紅葉した姿も好きだな~ 124.png



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この実は・・ホツツジの実かな?



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おやおや、ブナの大木が真っ二つ!  150.png



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ここまでも結構な急坂であるが、さらに傾斜が増し鉄ハシゴで大木の根元に攀じ登れば・・丁目石?のような四角石が置かれていた。



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その横には、池というには無理がある水溜まりのような “雨池“ がある。 ということで・・ここが四合目。



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四合目を過ぎると、だいぶ高度感が出てくる。
振り返って、登ってきて尾根を見れば、紅葉が陽に照らされて見事である。 177.png 174.png



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水無川へ落ちる尾根の紅葉もいいね~  177.png



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西側の展望が開ける。 佐渡島まで遠望できるらしいが・・ほんまかいな~! 106.png



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四合目からさらに急登をこなし、ようやく平坦なブナ林になると、四合目半の主稜線、大崎口からのトレイルと合流する。
里宮からここまで標高差およそ950mを一気に登ったことになる。
小屋泊装備を背負っての、この標高差はきつかった!  フゥー((;゚゚Д゚゚;))フゥー・・



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大崎口コースと合流してからは、しばらくブナの木と雑木が生茂る平坦地を行く。
台風の影響なのか、トレイルは泥んこ路である。  140.png



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やがて前方に薬師岳の雄姿が見られるようになると、トレイル脇に五合目の石標が何気なく置かれている。



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六合目の女人堂への登りにさしかかるあたりで、トレイルの右に “コギ池” の案内板があったので立ち寄った。
天然記念物のモリアオガエルが生息するという小さな池にほっとする・・やはり水のある風景っていいな~



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コギ池のある大地から女人堂までは急坂となる。
もうすぐ女人堂という場所に、 “胎内くぐり” の案内板があったので、面白しろそうなので廻ってみることにする。
岩壁が狭まった洞窟のようなチムニーをアルミ梯子で乗り越す。
スティープな傾斜に加え、チムニー内には浮石が多く、いやらしい。  140.png



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胎内くぐりから一般路に這い上がり、急坂を登れば六合目の “女人堂“ の広場に着く。 



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女人堂から緩やかに下って水場(祓川、ちなみに八海山から中ノ岳への縦走路にある水場も祓川と記されている)にさしかかる。
八合目の千本槍小屋は雨水をためて使用しているので(緊急の場合は分けてもらえる?)、水はここで補給する必要がある。



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給水して重くなった荷にあえぎながら急登をこなせば、七合目の “見晴し“ に着く。



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さらに灌木帯を登れば、長いクサリ場が現れる。
クサリ場としては、傾斜はさほどきつくはないが、荷が重いので岩場に足をしっかり乗せていこう。



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クサリ場を登りきれば、側らに銅像やら塔やら鐘が吊るされた薬師岳(八合目)に着く。



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薬師岳から八海山避難小屋は目と鼻の先である。
八海山避難小屋は、千本槍小屋(有人)と隣接する避難小屋なので、使用料(2000円)を千本槍小屋管理人へ払う。



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私が避難小屋に到着した、ちょうど その時に八海山で滑落した遭難者の救助が行われていた。
山歩きをしていると、何度となく遭遇するシーンであるが、日没30分前のレスキュー技術を見て、日本のエアーレスキューもなかなかやるな~と思った。
しかし、それはヨーロッパの山岳レスキューには遠く及ばない。



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20年以上前に体験したヨーロッパでのレスキューシーンが脳裏に浮かぶ。
山の斜面ギリギリまで低空飛行して、隊員が機体から飛び降り、要救助者を背負って再び乗機して飛び去った。
それは、まるで映画のワンシーンのようであった。
あっという間の出来事で、当然ヘリコプターはランディングすることなく、ヘリのローター(回転翼)と斜面との間隔は2mくらいしか離れていなかった。
神業ともいうべきプロフェッショナルなレスキューを見てしまうと、やはり日本のレスキュー体制は日本人気質(安全優先の守り体質)ならではの方法だな~と実感する。
私もアメリカでヘリコプターの操縦をしていたので、その飛行スキルがいかに難しい事かは知っている。
だから、決して日本のレスキュー体制を批判するものでは無い。
トゥァイライトのレイヤーの空へ飛び去るヘリコプターを見て、もう一度操縦桿を握りたいな~と思った。

翌日はいよいよ、三山縦走の核心部、越後の大キレットとも言えるオカメノゾキ越えだ!


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私のこのトレイルへの評価: 4★ 中級者向け
距離:約6km/ 所要時間:休憩込で約6時間(坂本神社 10:15‐二合目 11:00/11:10‐三合目 12:15‐四合目 13:15‐四合目半13:45‐五合目 14:00‐六合目14:30‐水場 15:00‐薬師岳 15:45‐八海山避難小屋 16:00)
標高差: 約1400m
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by dream8sue | 2017-11-11 22:15 | 新潟県エリア | Trackback | Comments(2)

魚沼市 玉子石が見守る池塘群と紅葉の平ヶ岳     Mount Hiragatake in Uonuma, Niigata 

Sunday, September 24, 2017
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平ヶ岳は尾瀬の北西に位置し、山頂付近は広大な湿原が広がっている。 
尾瀬国立公園が大好きな私は、以前から尾瀬周辺の湿原をもつ山々(平ヶ岳や会津駒ケ岳、帝釈山、田代山など)が気になっていた。
でも、平ヶ岳はアクセスもアプローチも長い道のりという理由からなかなか行く気になれなかった。
しかし、今回は百名山狙いのメンバーたちに同行させてもらい無事に日帰りハイキングをすることができた。

平ヶ岳は、このエリアでは最も新しく開かれた山で、1966年(昭和41年)に鷹ノ巣の清四郎小屋の手によって路が開拓されるまでは、
尾瀬や奥利根をフィールドとするスペシャリストだけの世界であった。 125.png
そんな玄人好みのエリアに私のような若輩者が日帰りで登れるようになったのだから開拓者様様である。
楽園のような山上湿原の美しさを知ってしまったら、ちょっとくらい泥んこ路でも何てことはない。 104.png




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<マイカーの場合>
関東からは、東北自動車道の西那須野塩原ICで降り、国道400号線で塩原温泉を越えて国道352号線へ繋ぎ福島県の檜枝岐村へ入るのが道路状況は良さそうだ。
平ヶ岳登山口は、国道352号線で尾瀬の燧ヶ岳などの登山口である御池を通り越して行くと、鷹ノ巣の少し手前にパーキング(無料)がある。
公衆トイレ、登山ポスト有。




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早朝まだ暗いうちにパーキングを出発し、しばしの林道歩きから下台倉沢に架かる木橋を渡った先で細い山路に入る。
植林地の左山腹をたどって尾根筋に出れば、1時間もしないで視界のきくヤセ尾根となり下台倉山までの長い稜線が現れる。




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右側(北)には下台倉沢が切れ落ち、左側(南)には只見川を隔てて双耳峰の燧ヶ岳が美しいシルエットと共に浮かび上がる。 177.png




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夜が明ける頃には、 “前坂” と呼ばれる急坂になり、所々でフィックスロープのセットされた岩場の登行となる。 119.png




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尾根には豪雪に耐えた何本かの針葉樹があるが、その枝ぶりにしばし見惚れてしまう。 150.png




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灌木の根元には小さな花が咲いている。  
葉も花もパープルが濃いママコナ?ミヤマママコナ?  178.png




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ホツツジも満開だ。 178.png




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消耗激しい急坂であるが、徐々に標高を上げていくと、右前方に鷹ノ巣山の岩壁が見えてくる。
この辺りから紅葉が見られるようになる。 177.png




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真っ赤! 113.png




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一際急な岩場を乗り越せば下台倉山は近い。




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岩場は登りよりも下降が悪い。
長丁場の山なので、下山時には疲れた身体でこれらの岩場を下降しなければならない。 105.png




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やがて急登が終わり、なだらかな平地になり、ピークらしくないピークの下台倉山に着く。 166.png




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台倉山へは、小ピークのアップダウンを繰り返しながら、ツガやマツなどの針葉樹林を抜けて行く。
右奥に平ヶ岳が見るが、それはあまりにも遠く、思わず気を失いそうになった。 149.png




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稜線の左(東側)は紅葉が進んでいる。 177.png




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下台倉山から紅葉の尾根を快適に歩くこと1時間弱で台倉山に到着。 
三角点はあるが山名柱は無い。
燧ヶ岳の展望が良い。 右下に見える白い霧に覆われた辺りが尾瀬ヶ原だろう。




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台倉山からはしばらく展望の無いコメツガの原生林を行く。
程なくしてこのルートで最初の水場 “台倉清水” がある。
水場は右に少し下ったところに流れているようだが、渇水期には涸れることがあるらしい。 131.png




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台倉山から2つ目の水場 “白沢清水” 辺りまでは泥んこ路である。 148.png
裾汚れが気になる人はスパッツが必携かも。
木道も多くなるが、濡れていて非常に滑り易いので転ばないように慎重になる。 116.png




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木道の脇に、こんなに綺麗な実を付けたマイヅルソウが生えていた。 178.png




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こちらも赤い実だけど、何の実かな? 178.png
後で調べたら、ツルシキミという有毒植物のようだ。
美味しそうな実だけど食べちゃだめだよ。  Σ(-`Д´-ノ)No!! 




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樹林帯の途中には、倒木でトレイルが寸断されている個所もあるが、台倉山から約1時間強で白沢清水(鷹ノ巣清水)に着いた。
白沢清水はササの地面からチョロチョロと湧き出ている泉のようだが、とても飲む気にはならない。 141.png




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やがて黒木の森からササ原の斜面となり一気に視界が開ける。 174.png




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明るい尾根にはリンドウが咲いている。 178.png
全体的にはオヤマリンドウが多いようだが、これは三段重ねのエゾリンドウのほうかな・・?




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北側後方には奥只見湖と、それを取り囲む新潟と福島の青い山々が連なっている。 177.png




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南側には平ヶ岳から伸びる尾根の向こうに尾瀬の至仏山や笠ヶ岳が頭を出している。
私はどちらも登っているが、静かで鋭い山容の笠ヶ岳の方が好きだな。




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草原も随所に現れてくる。 そこには遅咲きのイワショウブが数株咲いていた。 178.png




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尾根上部にある小岩峰を登り切れば・・




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右(北側)に荒沢岳の稜線が見えてくる。




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そして左には平ヶ岳のピークがどっしりとした山容を見せている。




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小岩峰の先は低灌木帯で、色づいたツツジが紅葉のパッチワークのようだ。 池ノ岳は目前だ。




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そして、青い姫ノ池の畔に飛び出す。
その開放感と美しさに、今までの疲れが一気に吹き飛ぶ。 101.png 169.png 181.png














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姫ノ池の南側には、山というより広い丘のような平ヶ岳が見える。 177.png




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姫ノ池の畔で休憩した後は、先に平ヶ岳山頂に行き、その後で玉子岩へ行くことにする。
姫ノ池からすぐ南に玉子石への分岐があるので、ここは南へ直進する。
鞍部の草原で水場からのトレイルを合わせて、さらに南へ進めば、今度はシラビソの林を登り返す。




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シラビソの林ではツツジの紅葉が見事だった 150.png 177.png




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シラビソの林をぬけ、木道の敷かれた草原になるが、ここでもツツジが色を添えている。 177.png




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山頂付近は緩やかな登りで、広い草原に敷かれた木道が山頂へ導いてくれる。




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平ヶ岳山頂は苗場山と肩を並べる広大な湿原が広がっている。





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案内板のある休憩テラスの右奥に、山名柱が立つ標高2141mのピークがある。 166.png




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すぐ左(南側)には手が届きそうな距離に尾瀬の景鶴山や与作岳の稜線が横たわっている。
この近さなのに平ヶ岳が尾瀬国立公園には属していないことが不思議だ。




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南の白沢山方面へ続く稜線を左に見て、右へ少し行ったところでトレイル(木道)は終わっている。
周囲すべてが山々に囲まれた湿原である。




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雪解けの水をたっぷり含んだ大地には多くの池塘がある。 
夏だったら高山植物も豊富だろう。
バックには、北西方向に越後三山、奥利根源流の山々が見える。




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さて、山頂から一旦降って、池ノ岳の西にある玉子石まで行こう。 バックは池ノ岳。




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シラビソの林を抜けると分岐のある湿原へ戻る。




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シラビソの林の中では、ゴゼンタチバナが赤い実をたくさん付けていた。 赤い実が多いね。 109.png




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分岐のある湿原へ降り、分岐を左へ進み、水場を経由して玉子石へ向かう。




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樹林帯の中の水場は、小さな沢(平ヶ岳沢)が流れているので、できればここで給水しておきたい。




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水源に近いせいか? 窪地なので残雪が遅くまであったのだろうか? ここにだけは、まだお花畑が存在していた。
ミヤマリンドウと思われる小さなリンドウがたくさん咲いている。 178.png




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セリ科の植物も一面に咲いている。 178.png 178.png 178.png




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水場を後にして、西の斜面を登った所にも大きな池塘がある。
現在は、この池塘の側に作業用のプレハブ小屋が2棟建っている。




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さらに左手に平ヶ岳を見て、草原を西へ行く。 
グリーンとブラウンの草紅葉のコントラストが面白い。




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針葉樹林の森と草紅葉のコントラストが美しい。 177.png




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ツツジの紅葉も加わって、もう美しさが止まらない! 113.png
この先で右から中ノ岐登山口からのトレイルが合流する。




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さらに行くと小さな池塘があり、バックには越後三山が勢揃いする場所がある。
中央の中ノ岳は見えるが、中ノ岳の左右に位置する八海山と越後駒ケ岳は残念ながら雲に隠れていた。 145.png




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平ヶ岳から歩くこと約40分、シラビソの樹林の向こうに丸い大岩がひょっこりと現れた。
玉子石だ! 129.png




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2つの石が積み上げられている様にも見えるが、1つの花崗岩が風化によって削られ芯だけが残った形らしい。
自然の成せる技は実に興味深い。
このまま風化が進めばいつか2つに分離してしまうのかな~?
この玉子石を見たいなら今が駆け込みセールかもしれないね。 102.png
ちなみに、この玉子石を見た時、群馬県の妙義山のバリエーションルート(西大星)にある “お坊さん岩(仮称)” を思い出した。





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玉子石が見守っているのがこの池塘群である。 177.png
これらの池塘群へ行くトレイルは無い。
バックには平ヶ岳から剣ヶ倉山、滝ヶ倉山へと続く山並みが見える。

利根川源流の馬蹄形の稜線に位置している平ヶ岳であるが、見えている山々の反対側が利根川源流部であり
自然環境保全地区という特別なエリアになっている。
何せ利根川は首都圏の大切な水瓶として重要な一級河川だからね。
このエリアが汚染されてしまったら首都圏のライフラインのみならず、日本の経済活動に多大な影響を及ぼすことになるだろう。
な~んてことを考えているハイカーは私だけ? 104.png




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さて、いつまでも去りがたい紅葉の丘であるが、下山路も長いのでそろそろ下山にかかろう。
玉子石から水場方面へ戻り、平ヶ岳沢の源頭にあるキャンプサイト(5張り程度の小さなサイトで緊急用のみ使用可能?らしい)
を通りぬけ池ノ岳へ戻る。




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帰路は同ルートの下降である。 
燧ケ岳を望みながら池ノ岳直下のササ原を降る。




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泥んこトレイルの樹林帯を抜け、台倉山、下台倉山の紅葉を見ながら稜線を行き、最後は長~いヤセ尾根を降る。
夜明け前の暗い中を歩いてきたので、ヤセ尾根がこんなに長く、そして素敵なトレイルだということを下降で改めて知る。
往路では見られなかった植物や、紅葉を楽しみながら歩くことができた。
しかし、ヤセ尾根は部分的にナイフエッジなうえに、ザラザラして滑り易いので、疲れた身体にはきついが最後まで気を抜いてはいけない。

噂通りのハードな道程であったが、その分、草紅葉の湿原と青い池塘を見た時の感動は大きかった。
風化によって姿を変えてきた玉子石が、変わることなく太古の昔からそこで池塘群を見守っている景色は、
まぎれもなく地球の神秘と言えるだろう。
平ヶ岳の雄大な景色の中に身を置くと、その神秘に遭遇できた自分もまた地球が創造した生命の一物でしかないことを感じる。


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆ 

私のこのトレイルへの評価: 5★ 中級者向け
距離:約22km/ 所要時間:休憩込で約13時間(平ヶ岳鷹ノ巣登山口 4:30‐下台倉山 7:00/7:10‐台倉山 8:00‐白沢清水9:10‐池ノ岳 10:30/10:50‐平ヶ岳11:50/12:00‐玉子石 12:40‐池ノ岳13:20‐白沢清水 14:20‐台倉山 15:00‐下台倉山 15:50/16:00‐平ヶ岳鷹ノ巣登山口17:30)
標高差: 約1300m

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by dream8sue | 2017-09-24 20:23 | 新潟県エリア | Trackback | Comments(0)