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安中市 妙義山 裏妙義の御殿東壁は想像を絶する藪岩     Mount Myōgi in Annaka, Gunma 

Sunday, November 26, 2017
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群馬県の妙義山は、妙義湖(中木ダム)を挟んで南側の表妙義と、北側の裏妙義に分かれる。
そして裏妙義のシンボル、丁須の頭の前衛壁として御殿の岩峰群が際立っている。
今回は、その御殿の東壁と、東壁へのアプローチとして下部の風穴稜を登る。

なお、裏妙義には一般ルートの篭沢コースと巡視道の間に風穴尾根というのがあるが、御殿の風穴稜とは別物なので混同しないようにね。

最近、Web上のブログを読んでバリエーションルートに入って遭難する人が増えているそうです。
このルートは一般ルートではありません。
入山に際しては必ず経験者(読図や登攀のできるレベル)やガイドと同行してください。
 



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旧裏妙義国民宿舎(裏妙義国民宿舎は2016年3月に閉鎖さえている)から0.3kmほど妙義湖よりにあるパーキングスペースに車を停めて、
さらに0.5kmほど下流の釜ノ沢右岸の林道跡に入る。
古い立て看板のある林道跡をさかのぼれば、両方に滝のかかる二俣となる。

なお、旧国民宿舎までのアクセスは
 “安中市 妙義山 篭沢から登る冬の丁須の頭 Mushroom Rock “Chosunokashira” in Mount Myogi” (下記リンク)を参照のこと。





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右俣に入り、落ち葉で埋まる瀞を避けて、右岸の泥ルンゼを登り尾根に上がる。



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尾根上は藪は無いが、踏み跡も無い。  
時々現れる岩塊を巻いたり、ロープ確保しながら正面を登ったりして高度を上げる。



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やがて、右側に朝陽に照らされた御岳尾根の岩稜が見えてくる。
すると、こちらの尾根上では大きなミズナラの木に出くわす。
このミズナラの大木は、このルートを登るクライマーたちの良き目印になっているようだ。



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さらに倒木が横たわる足場の悪くなった斜面を登ると、いよいよ風穴稜の岩稜が始まる。



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何処から取り付くのか、あちこち探し廻ったあげく、泥の詰まった藪ルンゼをロープ確保して突破する。  144.png
ここの泥壁にはアイスバイルが決まる。



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登り上げた岩稜からは、右前方に御殿の東壁、左横には中木川を挟んで裏妙義の谷急山(下記リンク参照)や表妙義の星穴岳などが姿を現す。




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そして、岩稜の右側にあるバンドを50mほど行ったところに大きな風穴が空いている。



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風穴の大きさは、星穴岳のむすび穴(下記リンク参照)くらいの大きさだろうか?
風穴の奥にもビバークできそうな洞穴がある。
妙義山にはこんな穴や門や奇岩がいっぱいで、実に面白い。 さすが日本三大奇勝の山だね。




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さて、風穴まで3時間で着いたので何とか東壁の登攀もやれそうだ。
風穴見物の後は、今度は星穴の上のナイフリッジ(上の写真の左の岩稜)に乗り、東壁とのコル(ギャップ)を目指す。



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ナイフリッジに乗ると眺めは抜群で、眼前に東壁が迫る。  三( ゚Д゚) ス、スゲー!

おいおい、こんな壁登れるのか~・・・ヒィィ((ll゚゚Д゚゚ll))ィィ!!!



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右下の御殿の支稜にも岩壁が連なっている。



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ナイフリッジには、念のためフィックスロープを張って進む。



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この下が、先ほど遊んだ風穴である。



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ナイフリッジを渡り終え、東壁のコルへは2回のラペルとなる。
最初は5mくらいの短いラペル。



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そこから2回目の下降ポイントまでヤセ尾根を行く。
東壁の左側にも、軍艦岩?と思われる岩が連立している。
岩の要塞の真っ只中に自分がいることを認識させられる。 もう逃げだすことはできないのか?  140.png



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いえいえ、大丈夫・・逃げ道はある。  103.png
2回目、40mの長いラベルで東壁とのギャップ(東壁取付き)へ降りれば篭沢側へ逃げる(下降する)ことができる。

今回、ラペルポイントの立木にグリーンのスリングを残置した。



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さて、どうにか東壁の取付きに着いた。
本当に登るの?って、確認するまでもなく全員戦闘モードじゃん! 躊躇しているのは私だけ?  105.png

1ピッチ目(Ⅲ級/40m)の出だしは逆層のフェイスで、見た目より悪い。
“これⅢ級じゃないしょ!” と心の声。  149.png

逆層のフェイスから左上して藪岩を40m登ると、顕著なルンゼの下に出る。
ビレイポイントには、茨木山岳会が残置したと思われるスリングとカラビナがあった。



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そして迎えた、最悪の2ピッチ目(Ⅳ級/40m)。
このルンゼを登るのだが・・これがまたひどく汚いルンゼで・・   140.png
ルンゼ全体に泥が詰まっていて、頭の上から石やら土やらブッシュやらが降ってくる。
目にも鼻にも、口にも砂が入ってくる。
“これって、何かの罰ゲームですか! 私何か悪いことしたっけ!?”   145.png



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イワヒバ(イワマツ)だらけで、ホールドを探すのも一苦労だ。
さらに、泥壁のスタンスは足元から崩れていく。
スタンスが崩れ落ちる前に、次のホールドかスタンスを探さないと墜落だ!  149.png

プロテクション? そんなものは取りたくても取れない。
気休めに、細い木の根にスリングを巻きつけていくくらいだ。
正直 “リードでなくて良かった~” と心の声  



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3ピッチ目(Ⅲ級/40m)。 リードを交代して私が登る。
岩壁の基部を大きく左にトラバースして、カンテの反対側のクラックから泥斜面を這い上がる。  144.png



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ナラの木でアンカーを取り、セカンドをビレーする。
眼下にはいつの間にか針峰が現れた。

その下には、妙義湖が藍色の湖面をたたえている。
“ああ~♪ 哀愁の~妙義湖よ~♪” 知る人ぞ知る名曲が頭の中でレフレーインしている。  169.png
やばい、私、あまりのハードなクライミングに壊れてきたか!  149.png



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山麓の紅葉が綺麗だな~・・なんてのん気にしている場合ではない。  105.png



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4ピッチ目(Ⅲ級+/35m)の出だしは、垂壁の乗越し。



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最終ピッチ(Ⅲ級+/25m)は、中段テラスまで易しい岩場を左上し、
その上は露質感のあるフェイスから勾配のつよい草付きを這い上がる。
マツの木の樹林帯に到達して登攀終了。 ふぅ~、泥壁から解放されて笑顔がこぼれる瞬間だ。 110.png



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終了点から10分くらいで御殿の頭に着く。
御殿の頭に集結するクライマーたち・・しばし達成感に浸る。  114.png



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しかし、夕闇が迫っている。 ゆっくりしている時間はない。 105.png
御殿の頭から丁須の頭の一般ルートを目指して先を急ぐ。

あたりは、あっちもこっちもシルエット祭り状態だ。
振り返れば御殿の頭と、その後ろに表妙義の白雲山のシルエットが浮かんでいる。



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その右へ目を向ければ、鷹返しの絶壁から星穴岳までのゴツゴツした岩稜が、まるで針が折れた針ネズミみたい。  102.png



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一般路へ向けて藪尾根を行く。
マッシュルームのシルエットが目指す丁須の頭だが・・結構遠いな~。
ルートも思っていた以上に複雑で、一部ラペルで降りる絶壁などもあった。 143.png



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丁須の頭直下の一般ルートに出た時点で日没を迎えた。
一般ルートと言っても、そこは妙義山である・・  
クサリ場も多く、篭沢の沢筋に入ると渡渉もあり複雑な地形である。

ヘッドランプを頼りにトレースを追う。
久しぶりのハードな山行で身体は疲れているのに、神経だけが高揚している。  

一般ルートを歩くこと約1時間半、真っ暗な国民宿舎に帰り着き、ようやく安堵する。
パーキングまでの林道を歩きながら、互いの労をねぎらう。  


東壁の各ピッチは・・ここまでひどい藪岩とは思っていなかった。
岩の脆さと泥壁に妙義山の核心を見た気がする。

足元から崩れていくスタンスに生きた心地がしないので、メンタルが強くないと泣きをみる。  148.png
冬壁とかやっているアルパインクライマーなら楽勝だろう。
すっかりハイカーになってしまった私には、久しぶりに貴重なクライミングであった。
もう2度と東壁を登ることは無いだろうが、一生に一度の東壁クライミングに付き合ってくれた同行者たちに感謝の気持ちでいっぱいだ。 124.png 

最後に、今回の東壁登攀に際しては、メンベ岩(下記リンク参照)同等に茨木山岳会のブログを参考にさせていただきました。
貴重な情報をありがとうございました。 109.png


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆ 

私のこのトレイルへの評価: 4★ 熟達者向け(要登攀技術)
距離:約10km/ 所要時間:東壁クライミング4.5時間込で約12.5時間(妙義湖畔P 6:00‐風穴 9:00/9:20‐御殿東壁取付き 11:00‐東壁登攀終了 15:30‐御殿ピーク16:00‐篭沢ルート合流 17:00‐妙義湖畔P 18:30)
標高差: 約600m

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by dream8sue | 2017-12-12 15:23 | Rock Climbing | Trackback | Comments(0)

富岡市 妙義山 妙義富士から相馬岳そして山ガールと白雲山へ縦走     Mount Myōgi in Tomioka, Gunma

Sunday, December 3, 2017
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このところの私は、群馬県の妙義山系で裏妙義の御殿東壁と、表妙義(妙義山は、南側の表妙義と北側の裏妙義に分かれている)の金鶏山と筆頭岩のクライミングが続いた。
もう妙義山系はいいかな~と思いながらも、妙義富士と聞いてやって来てしまった。 102.png

ニードル(針峰)ばかりの妙義山に富士の名前は似合わないだろう。
以前から名前だけは知っていたが、それほど大した岩峰では無いだろうと勝手に思っていた。

今回はその妙義富士に迫り、妙義の富士はやはりカッコいいニードル富士だったことを知った。  114.png


最近、Web上のブログを読んでバリエーションルートに入って遭難する人が増えているそうです。
このルートは一般ルートではありません。
入山に際しては必ず経験者(読図や登攀のできるレベル)やガイドと同行してください。  
また、何が起こっても対応できるように自己責任の概念をしっかりもって登ってくださいね。




 
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<マイカーの場合>
国道18号で軽井沢方面に向かい、松井田バイパスの先の “五料” の信号を左折し県道51号線に入る。
上信越自動車道の松井田妙義IC入口を右折して、妙義ナバファームのキノコハウスを囲むように、次ぎの三叉路を右折する。
IC入口から1.3kmほどで写真のキノコハウスが右手に見えてくる。
このハウスの前の路肩に数台パーキング可能。

なお、妙義富士から相馬岳まで登り白雲山へ縦走する場合は、下山口の妙義神社からここまで車道を2.5kmほど歩くことになる。
私達は車2台で、妙義神社に1台を回しカーシャトルした。



 
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キノコハウスの前のスギ林を登る。
下部は尾根が広いが、目印のテープなどが程よく付けられているので、地形を読みながらそれらの目印を追う。



 
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徐々に傾斜がきつくなり、岩塊なども現れるので早々に登攀具を装着して登る。



 
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岩稜の巻きでは、悪いルンゼを登る。 

まあ、こういったバリエーションルートでは、各チームのルート取りに寄るので、あくまで参考程度にね。
あまり詳しく書くと、ルートファインディングの楽しみを損ねてしまうしね・・(^_-)-☆



 
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やがて、北西方向の視界が開け、朝陽を浴びた相馬岳北稜の下部岩壁帯が現れる。



 
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さらに尾根を登っていくと、薮の中に突然妙義富士が姿を現す。
目の前の絶壁は登れないので、左の支尾根を登り妙義富士の肩に出てから、岩稜を登れば容易にピークに立てる。



 
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妙義富士のピークは、やっと2人が座れるくらいの狭いピークで、セルフビレイを取れるアンカーも無いので、くれぐれも落ちないようにね。

“次はあのピークだよ” とSueが指差しているのは・・



 
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妙義富士とP2の間に突起しているこの草付きピークだ! 

妙義富士から、登った支尾根を戻り、妙義富士の基部の巻き路を行けば、この岩峰の取付きだ。
急傾斜であるが、ブッシュが豊富なので、木の根をホールドにして藪岩のピークまで登る。



 
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登りきれば、この大岩壁帯が目の前に現れる。  113.png
手前のピークがP2で、ちょうど光と影になっているカンテを登る。



 
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岩慣れしているクライマーならロープ無でも登れるだろうが、高度感があるので万が一のことを考えてロープ確保して登る。



 
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カンテ登りは、高度感に目がくらむ!  ヒィィ((ll゚゚Д゚゚ll))ィィ!!!  

でも、楽しくて歓声をあげちゃうよ。 ヾ(o≧∀≦o)ノ゙♪♪♪

先ほど座っていた妙義富士のピークって、あんなにトンガリのピークだったんだね~。どうりで狭いわけだ! 150.png  



 
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P2に登ってしまえば核心部は終わり、後は時々現れる岩塊をこなしながらヤセ尾根をひたすら登るだけ。



 
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北側には相馬岳北稜(下記リング参照)の上部岩壁が頭をのぞかせている。 
P12(つづみ岩)やハサミ岩もしっかり確認できる。
そのバックに見えるのは裏妙義の稜線。




 
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しばらくヤセ尾根を行くと、見覚えのある相馬岳北稜の935mの広いピークに合流する。
このピークから相馬岳までは、1度歩いているので精神的には楽であるが、体力的には一番きついセクションだ。
前半は、まだ藪岩のヤセ尾根が続く。



 
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途中のヤセ尾根から、裏妙義の稜線に立つ岩峰がよく見える。
右から丁須の頭、赤岩、烏帽子岩である。 (バックの雪山は浅間山)
この3峰を歩く(正確には岩峰基部を歩く)裏妙義縦走路(下記リンク参照)も、表妙義縦走並みに手ごたえのある岩稜ルートである。

おまけに丁須の頭の前に立ち塞がっている岩の要塞のような壁が、先日、藪岩の困難さを思い知らされた御殿東壁である。




 
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北稜935mピークから約1時間、後半は岩場も無く穏やかな尾根をひたすら落ち葉を踏みしめながらの登高。
ようやく到着した相馬岳(1104m)では、日曜日とあって2人の山ガールを含む数人の登山者と会う。



 
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お約束のズームアップ。
鷹返し、金洞山、西岳、星穴岳の見事な岩峰群である。
星穴岳に空いている小さな穴が見えるかな? 
見える人には見える・・貴方のハートを射抜く “射抜き穴” (下記リンク参照)よ。 ( ◠‿◠ )クスクス




 
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さて、相馬岳での休憩の後は、表妙義縦走路の東半分を歩いて妙義神社へ下山する。
相馬岳から15分も降れば、中間道へのエスケープルート、タルワキ沢コースの分岐を右に分ける。



 
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分岐を直進して、天狗岩の側壁を見ながら岩稜を行けば、大展望の天狗岩のピークに着く。
天狗岩からは、登ってきた妙義富士の稜線、相馬岳北稜、裏妙義の稜線が一望できる。



 
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相馬岳北稜の全容が圧巻である。 177.png



 
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その手前には妙義富士とP2の東壁?がまるで1枚の屏風のようだ。 177.png  146.png



 
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西側には、相馬岳が藪に覆われた東壁を見せている。



 
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さて、天狗岩を過ぎると大のぞきのキレットが始まり、30mのクサリ、10mのクサリ2本と続く。

と、ここで山ガール2人をレスキュー? っていうか・・
単に山ガールと歩きたい同行者(独身の日本男児たち)が、頼まれてもいないのに自分達のハーネスまで貸してヘルプしだした。 113.png



 
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中間道からタルワキ沢コースで相馬岳に登った山ガールたちは、当初は同ルートのピストンの予定だったらしいが、
山頂で会った登山者に “行けますよ” と言われて、安易に縦走ルートに進んでしまったようだ。 140.png



 
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キレットのクサリ場を登り上げれば、そこは大のぞきのピーク。
西には、天狗岩の大岩壁がきれ落ちている。



 
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その山麓に目をやれば、先日歩いたばかりの金鶏山(下記リンク参照)が霞んでいる。




 
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そして、クサリ場はまだまだ続く。



 
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南面がスッパリときれ落ちたカンテに掛かるクサリ場 “背ビレ岩” をビビりながら下り・・ 149.png



 
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見晴らしの3連クサリ “ビビリ岩” では、足を滑らしながらも必死に下っていく山ガール。 105.png
もちろん、日本男児たちがロープで確保しているので大丈夫! 124.png



 
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そして、最後の奥の院の長いクサリ場を降りきり、ロープ確保は終了。



 
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急な岩場を下って、辻という一般路との合流点に降りて、大の字に向かう。

 Wow! 木立の間から大の字の裏側が見える。
何度も歩いているトレイルであるが、 “裏大の字” を見たのは初めてかも。



 
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大の字(正確には大の字の設置されている岩棚)までは10mくらいのクサリ場であるが、
大きなステップが刻まれているので慎重に登れば問題ないだろう。

 大の字では、だいぶ低くなった展望を見ながら、山ガールたちと楽しく親睦を図る。 169.png



 
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大の字までは観光客も登れることになっている?が、
大の字下のザレた斜面(クサリあり)はすこぶる足場が悪いので、山歩きに慣れていない一般観光客にはきついだろう。



 
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大の字から30分も降れば自然林からスギ林に入り、砂防工事の柵の下を通て、妙義神社の境内へと至る。
後は、神社の境内から、旅館や土産屋の並ぶ参道を降ればパーキングに着く。

私達だけなら相馬岳から1時間は早く下山できただろうが、そこは日本男児の心意気で山ガールをアテンドしての下降となった。 162.png

妙義富士は、それほどシィビアな岩登りも無く、見事な岩峰に立つことができる。
藪岩と言いながらも、尾根の薮はそれほどでもなく、ついでに相馬岳からの稜線歩きも楽しめちゃうのだから藪岩ハイカーにはお勧めのルートである。 165.png

なお、表妙義縦走路(下記リング参照)に関しては、今回のルートとは逆廻り(反時計廻り)で歩いているので、
興味のある方はそちらと合わせて読んでもらえれば、ルートの概要が一層よく分かると思う。


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆

私のこのトレイルへの評価: 4★ 上級者向け
距離:約5km/ 所要時間:休憩込で約8時間(キノコハウス前 6:30‐妙義富士 8:30‐P2 9:00‐相馬岳 10:45/11:00‐大の字13:30/13:50‐妙義神社P 14:30)
標高差: 約700m

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by dream8sue | 2017-12-03 21:50 | 群馬県 西上州エリア | Trackback | Comments(2)

富岡市 妙義山 禁断の金鶏山から筆頭岩を登る     Rock Climbing at Hitōiwa in Mount Myōgi, Gunma

Thursday, November 30, 2017
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日本三大奇勝と言われる群馬県の妙義山であるが、その山塊の最南にある金鶏山には筆頭岩という岩塔がある。
登山者なら誰もが知っている、日本の近代登山の父ウォルター・ウェストンによって初めて登られた岩塔である。

私は昔から何度となく登っていたのだが、金鶏山が登山禁止になってから久しく登っていなかった。
2014年にアメリカから帰国して久しぶりに登った際は、こんなに高度感があったかな~とビビリまくった記憶がある。
その時、筆頭岩から東に連なる金鶏山の稜線が気持ちよさそうだったので、今回はその金鶏山と合わせて筆頭岩のクライミングを楽しんだ。


金鶏山周辺は、現在は登山禁止になっているので、登山、クライミングに当たっては自己責任で対処してください。



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<マイカーの場合>
国道18号で軽井沢方面に向かい、松井田バイパスの先の五料の信号を左折し県道51号線に入る。
1.5km程で県道213号線に当たるので右折し、妙義神社方面に向かう。
上信越自動車道利用の場合は松井田妙義ICで下りれば県道51号線に合流する。

妙義神社(道の駅“みょうぎ”が左側にある)を過ぎるとカーブの続く山道になり、金鶏山のすそ野を巻いて中之獄神社へと続いている。
その山道の途中(妙義神社から約6km)にパラグライダーの練習場 “スカイパーク” がある。(路肩に10台くらいパーキング可能)

金鶏山の登山口は、スカイパークから中之獄神社方面へ5分くらい歩いた車道の脇のコンクリート階段から始まる。



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落葉で覆われた自然林の急登を30分ほど登れば、金鶏山の岩稜の末端壁にたどり着く。
妙義山特有のコブのような岩が突起した岩稜である。



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出だしが易しい壁だったので、ロープ無しで登りだしたのだが・・ 148.png
滑り台のような溝を詰めて行くうちに、段々と傾斜が増してきて、けっこうな高度感となる。



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振り返れば・・こんな感じで・・振り返ったことを後悔する・・ヒィィ((ll゚゚Д゚゚ll))ィィ!!!



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それでも、ホールドとスタンスは豊富で、フリクションも良い。
溝状の岩を慎重に登って、岩稜のてっぺんまで登る。 166.png



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一気に高度を上げたので、岩頭からの展望も一気に開ける。 
西側には西上州の山々が展開している。 177.png



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南側には富岡市から埼玉県側まで、関東平野が一望できる。



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北側に目をやれば、榛名山群が一際高く浮き上がって見える。 146.png 177.png



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岩頭からは、やや傾斜が緩やかになるものの、ヤセ尾根となりさらに岩稜が続く。



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ナイフエッジのような岩稜を藪岩クライミング全開で越えて行く。



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すると、程なく金鶏山のピークに接近する。
ピークの少し手前(東側)にはこんな大きな石像が置かれている。
信仰の山ではありがちなことだが、人間が登るだけでも大変なこんな切り立った頂に、よくもこんな重い像を荷上げしたものだと感心する。 150.png



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稜線の一部分のようなピークらしくない金鶏山のピークを過ぎて北西へ進むと、どれも筆頭岩に見える岩塔がいくつも現れる。



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複雑に入り組んだ稜線を、岩塔の上から偵察する。
前方の岩塔を岩稜通しに、または基部を巻いたりと、ルートファインディングを楽しみながら前進する。



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バックには表妙義(妙義山は、南側の表妙義と北側の裏妙義に分かれている)の金洞山から相馬岳の稜線(バラ尾根)が見えている。



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その東には、相馬岳から白雲山と続く岩稜の側壁が山麓に向けて圧倒的な壁となって切れ落ちている。
この金洞山から白雲山までの表妙義縦走路(下記リンク参照)は見ての通りの岩稜帯の連続で上級者向けの登山道である。




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アップダウンを繰り返していくと、木の幹に同化されつつある古いクサリに出くわす。 150.png
ここが確かに昔は縦走路であったことを物語っている。



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クサリで降りたギャップを、今度はフィックスロープの残置を使って登り返す。



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その後も、かすかな踏み跡を追いながら倒木が横たわる崩壊地を登る。 119.png



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その先には、長いフィックスロープの掛かる急斜面の下降などもある。 140.png



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筆頭岩の2つ手前の岩峰で踏み跡がさくそうしている。
岩峰の頂まで登ってみたが、下降路は無い。 
でも、頂からの眺望はよく、金洞山の眺めが最高だ。 177.png



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戻って岩峰の手前から左側(南側)を巻くのが正解のようだ。
しかし、この巻き路も、のっぺりした大スラブのトラバースで手ごわかった。 149.png



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大スラブのトラバースの後は、筆頭岩へ行く最後の岩場である。
が、左へ岩場の基部を巻く踏み跡につられて、大きく岩場を巻いてスギ林に入ってしまった。
すぐ左下に車道が見えるスギ林の中のトレースを行けば、筆頭岩の取付きに着く。




f0308721_14341309.jpg【落とし物の案内】

金鶏山と筆頭岩との縦走路の金鶏山寄りで、カメラの忘れ物を拾いました。

カメラは、Olympus tough TG4 黒 で、木の枝に掛けてありました。
紅いスリングと、青いカラビナが付いています。

まだこの数日の間に忘れられたものと思います。
同行者が保管していますので、心当たりの方は、 “どんな写真が写っているか” を明記のうえ連絡ください。



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筆頭岩の取付きは、こんな逆層の岩場である。
荷物をここにデポして登攀にかかる。
この逆層の岩場をフリーで登って、左上の松の木テラスでアンザイレンする。



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筆頭岩の各ピッチの登攀については、2014年の記録を参照してほしい。




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核心は、浮石の重なる剣の刃渡り(写真)からⅣ級-くらいのフェイスの乗越しだろう。



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核心部を登り終えて、剣の刃渡りをのぞき込む。



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核心部をフォローするセカンド。



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筆頭岩の終了点からは西側が開け、ものすごい高度感がある。



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金洞山もすでに目の前である。 
右端の一際切立った岩壁が、滑落事故の絶えない人食い岩の “鷹返し” である。 149.png



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東側には歩いてきた金鶏山からのヤセ尾根が望めて感慨ひとしおである。



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筆頭岩のてっぺんで展望を楽しんだ後は、2回のラペルで筆頭岩の東側へ降りる。



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1回目は10m、2回目は空中懸垂ぎみの40mのラペルである。
約2時間弱の登攀を終え、取付きに戻り荷物を回収する。



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筆頭岩の取付きから岩壁基部を西に巻き、一本杉との鞍部にある階段から車道に降りる。
眼前には登攀した筆頭岩が高くそびえている。
後は車道をスカイパークまで降るだけだ。

筆頭岩を登らず金鶏山の縦走だけなら距離も短く標高差も小さいので4時間もあれば歩けるだろう。
しかし、昔は登山道路があったとはいえ岩山なのでルートファインディングを誤ると行きづまる。 
どんな状況にも対応できるようにロープなどの登攀装備はあった方が良いだろう。


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆

私のこのトレイルへの評価: 4★ 上級者向け(筆頭岩は要登攀)
距離:約5km/ 所要時間:休憩込で約6時間(スカイパークP 8:30‐金鶏山 9:30‐筆頭岩基部 11:30/12:00‐筆頭岩クライミング終了 14:00‐スカイパークP 14:30)
標高差: 約250m
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by dream8sue | 2017-11-30 13:51 | Rock Climbing | Trackback | Comments(4)

安中市松井田町 妙義山 禁断の星穴新道から登る星穴岳      Mount Myōgi in Annaka, Gunma

Sunday, April 16, 2017
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3日前に表妙義縦走をして、シーズン始め早々に岩の洗礼を受けた。 そして、今回は表妙義縦走よりもはるかに難易度の高い禁断の星穴新道に行ってきた。 なぜ禁断か? といえば登山禁止ルート(廃道)であるからだ。 廃道になった経緯には1970年に起きた2人の女子高生の遭難も関係しているらしい。 そんな悲劇の舞台ではあるが、私的には2015年の冬に星穴めぐり山行でみたP3のカッコ良さに惚れて、機会があれば登ってみたいと思いを募らせたルートである。

注意:このルートは一般ルートではありません。 一般ハイカーは必ず経験者(読図や登攀のできるレベル)と同行してください。 また入山に際しては自己責任であることを肝に銘じ、万が一の事態にも自分たちで対処してください。


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f0308721_1950939.jpg<マイカーの場合>
登山口の 旧裏妙義国民宿舎 までのアクセス、並びに星穴新道取付きである “星穴沢橋” までは以前登った女坂ルートと同じなので、そちらのレポートを参照してほしい。→ “安中市松井田町 妙義山 裏妙義女坂から登る相馬岳    Somadake in Mount Myogi, Annaka, Gunma”

昨年の3月で閉館となった裏妙義国民宿舎であるが、パーキングは閉鎖されていないのでこちらを利用する。 満開のサクラの木の下で身支度を整え、ヤマブキの黄色い蕾に心を和ませながら軽い足取りで出発する。 登山ポストは、国民宿舎手前の橋の横にあるので必ず提出していこう。 




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f0308721_1951019.jpg中木川に沿って林道を20分ほど上流へ向かって歩けば星穴沢が出合う星穴沢橋に着く。 
左側に慰霊碑のケルンがあり、サクラやスミレの花が慰霊碑を見守るように咲いていた。




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星穴沢の堤防を見ながらしばらく行くと、テープで閉鎖された二股に着く。 左は沢筋に下る女坂ルートだ。 右手の植林された尾根が星穴新道である。 テープをくぐってしばらく踏み跡をたどり、適当な場所から尾根に登る。




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スギ林から雑木林に変わり、所々崩壊したヤセ尾根を交えながらも迷うことのない尾根を行く。 すると数本の鉄のアンカーのみが残っているスラブ斜面が現れるので、ここを慎重にトラバースする。




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スラブの先を尾根の右側から登りつめていく。 すると顕著な岩場が行く手を阻む。 基部には黄色のペンキで “星穴→” とある。 ここがP1であることは間違いなさそうだ。




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右側のフィックスロープの張られた岩場を各自フリーで登る。 Ⅲ級くらいなので岩慣れしている人なら問題ないだろう。 でも、湿った感じの岩場なのでスタンス選びは慎重にね。




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続けて現れるやや傾斜のつよい10mくらいの岩場は、悪そうなので念のためロープ確保で登る。 クサリはあるが使わない方が良いだろう。 なにせ半世紀前のクサリだからね。  ヒィィ((ll゚゚Д゚゚ll))ィィ!!!




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さらにクサリ場が続き、外傾したスタンスの岩場が現れる。 岩登り自体は簡単であるが、上部の斜面がガラ場なので落石には要注意だ。




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P1からの連続した岩場を終えると、尾根も急になり息が上がる。  しばらく行くとP2の岩峰に行き当たる。 岩峰通しには行けないのでルートを探っていると、古ぼけた道標を発見する。 P2岩峰の左側をトラバースするようだ。




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・・と・・こんな岩壁にクサリがついている。 “え!ここ行くの~?” クサリが現役だったとしてもこの斜面は悪すぎる! ロープを出して、この岩壁をトラバースするか迷うところであるが、尾根の少し上部にラペル用のアンカーが残置されていた。




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つまり半世紀の間に、星穴新道の本来のルートをパスし、クライミング用のルートがその後出来上がっている感じである。




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ラペルして登り上げた対岸の尾根からラペルしたP2側壁を見る。 




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f0308721_2063092.jpgP2のトラバースを越えて、東方向へ尾根をたどると基部がハング気味の岩場の下降がある。 
クライミング・ダウンもクサリがあれば問題ないが、フリーでは少し怖いのでラペルする。 
なにせ、こんな細くなったクサリですからね~  Oh~こわッ!   (;^_^アセアセ・・・




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そして、ますます尾根の勾配が増し、P3への登りに入ると、5mくらいだが、ホールドの乏しい岩場が現れる。 この岩場をクサリに体重をかけない程度に利用して何とかこなす。




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標高は高くなり、北方面の景色が開ける。 浅間山の雪もここ数日でだいぶ溶けてきた。 浅間山に前に横たわっている重量感のある山は妙義山塊での最高峰である谷急山(1,162m)である。 縦走コースから離れているので訪れるハイカーも少ないが登りごたえのある立派な山だ。 → “安中市松井田町 妙義山 雪稜の谷急山     Mount Yakyu in Mount Myogi”





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そして、その東へ続く裏妙義の稜線と、眼下には妙義湖(中木ダム)が見える。




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そして、いよいよP3の基部と思わしき場所まで登ると、クサリが左側の絶壁に垂直に下がっている。 クサリがあるとはいえ、かなり急峻な下りなので迷わずラペルする。(またはアンザイレンして越えたほうが良いだろう) 10mくらい下降すると、岩壁に鉄アンカーが打たれてあるので、その鉄アンカーをスタンスにして草付きバンドへ移動する。 




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草付きバンドから岩壁をP3の南側のコルにトラバースする。 高度感で背中がゾクゾクする40mの大トラバースである。 




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そして、何とかP3をクリアしてP3南側のコルに着く。 ここには星穴沢へのラペル支点が残置されている。また、コルの西側は星穴岳から派生している岩稜が立ち並び岩の要塞のような空間となっている。




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おや、イルカ岩?




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P3南側コルからは、星穴岳までの最後の登りである。 振り返りP3を仰ぎ見る。 台形のようなシルクハットのような特徴的な形はクライマーの美観をくすぐるものがある。 私には昔見たコロラド州のスミスロックという岩場にある Monkey Face を連想させる。




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P3南側コルから星穴岳までは、踏み跡が錯綜していて分かりづらい。 ルートは岩場のリッジを直進し、落ち葉と泥藪の窪状を詰めるのが正解だ。 コルから右に回り込む踏み跡は岩壁帯に入っていってしまうのでルート取りに気をつけよう。 
登り詰めた鞍部(星穴岳の西側のコル)には朽ちた道標が倒れている。 ここにもコルから南側へのラペル支点がある。 私たちは星穴岳の東側のコルから星穴(射抜き穴と結び穴)にラペルしたが、ここからも星穴へ潜り込めるようだ。 星穴探検のレポートはこちらから → “下仁田町 星穴探検隊が行く初冬の妙義山     Hoshianadake in Mount Myogi, Gunma”




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星穴岳のピークへは西側のコルからは登れない、東側へまわり、左側が切れ落ちた岩棚をトラバースして、東側コルの下の10mのフェイスを登る。




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この10mのフェイスが、スタンスが乏しく難しい(Ⅳ級) 左の立木から細いフィックスが垂れているが、古くてとても使う気にならない。 フェイスの右側のクラックにジャミングを決めて足はフリクションで少しずつ上げていく。 しかし、クラックの岩も脆くてプロテクションが取れないのでリードにはそれなりの力量が求められるだろう。 本ルートで一番難しいセクションだ。 




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そして、見覚えのある星穴岳東側コルからはさらにⅢ級の岩登りで、2度目の星穴岳のピークに立つ。 狭いピークはまさに天空の城のような浮遊感のある場所だ。 




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星穴岳の北側には先ほどトラバースしたP3がそびえている。 赤いラインがラペルで降りた地点で、青いラインが岩壁トラバースしたラインだ。 こうして見ると、本当に登山道として活用するには無理があるルートだ。 もう立派なクライミングの領域だ。 なので、私のブログでは一般ハイカーが誤認識しないようにクライミングのカテゴリーに記載する。 登攀技術の無い登山者は安易に入らないでくださいね。




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天空の城からの眺めは360度の大パノラマだ。




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東側には、3日前に歩いたばかりの表妙義の縦走路も良く見える。




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f0308721_22443727.jpg山頂でのランチ休憩後は、P3南側のコルまで戻り星穴沢(右俣)にラペルで下降する。 
この下降ルートは結構メジャーなのか? 
今回50mラペルを4回行ったが、いずれの場所にもアンカーにはスリングやカラビナが残置されていた。 




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1ピッチ50mいっぱい下降して沢の左岸の大木に2ピッチ目の支点がある。 2ピッチ目は浮石の多い沢筋から滑り台状の沢を降る。 




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3ピッチ目は、途中にチョックストーンのある急な沢筋を降りる。




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4ピッチ目はだいぶ傾斜が緩くなってくるが、落ち葉と浮石の詰まる歩きにくそうな沢なのでラペルで降る。 ここでロープの出番は終了だ。 




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石がゴロゴロした涸れ沢をしばらく降れば、右から水流のある支流(星穴沢左俣?)と合流する。 落ち葉だらけの茶色の沢床にも、よく見れば小さな緑色の芽が・・ネコノメソウかな?




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幅広の沢になるので、歩きづらい沢筋よりも小尾根を越えて右方向へ降って行くほうが良い。 しばらくすると女坂コースの“国民宿舎”と書かれた道標がある場所にでる。 下降を始めて、ここまで4回のラペルと沢歩きで約2時間くらいだろう。




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女坂コースを30分くらい何度か渡渉しながら進むと、朝に見た星穴新道との二股に着く。 そこからは林道に出て、道端の野花などを見ながらのんびりと旧国民宿舎のパーキングまで歩いた。

星穴新道は、半世紀前のクサリなどのルートを示す残置物があるので、ルートファインディングはさほど難しくはないだろう。 しかし、完全にバリエーションと呼んで差し支えないほどの廃道である。 下降も表妙義の一般道に廻るには時間がかかるルートなので(やるならそれなりの体力が必要)、星穴沢の沢下りとなる。 したがって、ラペルやクライミングのテクニックのある者だけが、自己責任において入ることができるルートだということを肝に銘じてほしい。


本ルートのマップ
私のこのルートへの評価: 4★ 上級者以上
行程距離: 約6km(旧国民宿舎‐星穴沢橋‐P1~P3‐星穴岳‐P3南側コル‐星穴沢下降‐女坂合流‐星穴沢橋∸旧国民宿舎)
標高差: 約650m
実動時間: 約9時間 (星穴新道~星穴岳 約5時間、星穴岳~星穴沢下降 約4時間、休憩込み)
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by dream8sue | 2017-04-16 19:44 | Rock Climbing | Trackback | Comments(2)

富岡市/下仁田町 白雲山から金洞山へ早春の表妙義縦走     Mount Myōgi in Tomioka, Gunma 

Thursday, April 13, 2017
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群馬県西部に位置する妙義山は、妙義湖(中木ダム)を挟んで分かれる表妙義と裏妙義の総称である。 私は昔、表妙義の稜線は何度となく歩いているのだが、白雲山から金洞山まで通しで歩いていないことに気づき、今回は数十年ぶりに表妙義縦走に出かけた。 

注意:本ルートは、鷹返しなどのクサリ場で毎年のように死亡事故が起きている難易度の高いルートです。 高齢の方、岩登りの苦手な方、腕力の無い方(そもそも岩登りは腕力だけで登るものではないのですが・・)はくれぐれも自己責任の意味を考えて行動してください。 リーダーは、前記のようなメンバーを同行する場合は、ロープ確保など十分な配慮をするべきです。


<マイカーの場合>
高崎方面から国道18号で軽井沢方面に向かい、国道18号松井田バイパスの先の五料の信号を左折し県道51号線に入り213号線に当たったら右折し、妙義神社方面に向かう。 上信越自動車道利用の場合は松井田妙義ICで降りれば県道51号線に合流するので左折する。 妙義神社の鳥居の先の右側パーキングがある。 向かいの大きなパーキングは道の駅のパーキングである。 
私たちは、下山の中間道歩きを避けるために1台の車を中之獄神社にデポし、カーシャトルすることにした。 妙義神社からカーブの続く山道を走れば、金鶏山のすそ野を巻いて下仁田町側にある中之獄神社に着く。




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サクラが満開の参拝道を登り、境内に設置された登山ポストに計画書を入れて(書いて)行くことを忘れずにね。 神社の階段を登りきれば国指定重要文化財の本殿がある。 階段歩きが嫌な人は本殿の下から右側の登山道に入る。




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本殿から木立に囲まれた急坂を30分も登ればクサリ場が現れ、登り上げた尾根の左に妙義山のシンボル “大の字” がある。 岩壁に張り出したテラスのような大の字は、急登で汗ばんだ身体を休めるにはもってこいの場所だ。




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バックにはこれから登る表妙義の稜線が頭上高くに仰ぎ見られ、その迫力に嫌でもテンションが上がる。




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大の字のクサリを降り、コルから少し進めば右側からルンゼが合流する “辻” という場所に着く。 ルンゼの出合に “キケン 上級コース” と書かれた岩があり、ここを右に回り込むと “奥の院” の石室がある。 そして、その右側の岩壁に約30mのクサリが設置されている。 さあ、いよいよ始まりだ!




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奥の院のクサリ場から続く、濡れた10mのクサリ場や、メタボのお父さんには苦しいチムニーの岩場などをこなし、クサリ3連結の “ビビリ岩” を登る。 バックには昨年の春に登った相馬岳北稜の側壁が壮大な景色を作っている。 う~ん、シビレル~!   ォ━━ヾ(o・∀・o)ノ゙━━オ!!  
相馬岳北稜の様子はこちらから → “安中市松井田町 妙義山の名ルート相馬岳北稜    North ridge of Sōmadake in Mount Myōgi”




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ビビリ岩からは一気に視界が開け、浅間山や裏妙義の岩峰群などの展望を楽しみながら “背ビレ岩” などのナイフエッジの稜線を進む。 そして、石碑の置かれた360度の展望をもつ “大のぞき” に着く。




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振り返れば、眼前には上毛三山の榛名山と、赤城山も遠くに霞んで見える。




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休憩後は、大のぞきの北側につけられた長いクサリを降る。




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急下降の50mはあろうかと思われる長いクサリ場であるが、岩のフリクションは良いので、しっかりスタンスをきめて降りれば問題ない。 大のぞきのキレットから再び急登を繰り返して “天狗岩” に達する。




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それにしても見事な眺望だ。 眼前には裏妙義の丁須の頭から赤岩までの縦走路が横たわる。 そしてバックには、まだ雪をかぶったままの浅間山と、その右には鼻曲山や草津の山々も見える。 
裏妙義の縦走路も、表妙義縦走に負けないほどの面白いルートなのでぜひトライしてほしい。 → “安中市 篭沢から登る冬の丁須の頭 Mushroom Rock“Chosunokashira”in Mount Myogi”




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短いアップダウンを繰り返し、入り組んだ岩稜を巻きながら行くと、ようやく “タルワキ沢のコル” に着く。 休みたくなる気持ちを押さえて相馬岳のピークへの登りにかかる。




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コルから急登を20分ほどこなし相馬岳に到着! ふぅ~  (;^_^ アセアセ・・・ 登山口から約4時間。だか、まだルートの3分の1くらいである。 行く手には表妙義縦走の核心部である “鷹返し” の岩峰がお目見えだ。 
山頂で逆コースから縦走してきたという単独行の年配男性に会う。速い! 三( ゚Д゚) ス、スゲー!  いえ、私達が遅いのです! (;^_^ )




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相馬岳で20分間のランチ休憩後は、茨尾根へのガラ場の下りが待っている。 急勾配な上に脆い斜面で浮石も多く落石しないように神経をすり減らしながらの下降となる。 
ちなみに相馬岳の西に “裏相馬岳” という地味なピークがあり、2度と来ないかもしれないのでちょっと寄り道させてもらった。 プライベートテラスのような狭い岩稜の先端で南面の展望を束の間楽しんだ。




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ガラ場の下りは、やがてクサリが現れて沢筋の水場へと導かれる。



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嫌なガラ場が終わり、楽しい茨尾根の岩稜歩きとなる。 えぐれた岩壁をトラバースして・・




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急峻なクーロアール状のリッジを四つ足で攀じ登り、岩のアーチをくぐって進む。 




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茨尾根の途中で降り返れば、藪越しに相馬岳がもうあんなに遠く高く見える。




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やがて南の視界が開け、眼下には筆頭岩のある金鶏山や西上州の山々が広がる。 




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中間道に繋がる “ホッキリ” の分岐を過ぎると、岩の基部を巻くように10mくらいの外傾した岩場が現れる。クサリでこれを登り、さらにその先の濡れた嫌らしいスラブ20mほどをクサリでトラバースする。 




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やがて裏妙義の林道へ下る “女坂分岐” を右に分けると、核心部の鷹返しの大岩壁が目の前に迫る。 西側には “射抜き穴” “結び穴” の2つの穴を従えた星穴岳が鬼の顔の様に浮かんでいる。 緊張感マックスであるが、陽当たりの良い茨尾根では、時々見かけるアブラチャンの黄色い花が心を和ませてくれる。




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女坂分岐を過ぎてから尾根の東側を巻きながら鷹返しの大岩壁の基部に至る。 すぐに5mくらいのクサリのかかった岩稜が現れる。 露出感がつよいがスタンスが大きく安定しているので、落ち着いて登れば大丈夫だ。 登り上げた岩バンドを10mほどトラバースすればピカピカのハシゴがセットされている。 まさしく昨年の秋にかけ替えられたばかりのハシゴである。   




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ハシゴからクサリに変わり、40mくらい続く高度感のある岩場を登る。 ここでビビったら無理をせずに引き返そう。 何をもって上級者というのかは定かでないが、妙義山の上級コースに関しては間違いなく岩登りのできる登山者の事であると確信するだろう。 中間テラスから下を見ればこんな感じ。




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中間テラスから上を見ればこんな感じ。




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東に目をやれば、歩いてきた白雲山から相馬岳の岩稜が一望できる。




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40mの垂壁上部でカンテを越えて、右側が切れ落ちた湿った岩場のトラバースをして “鷹返しの頭” へ続く尾根にでる。




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鷹返しの頭からは、今度はルンゼ内の長い下降(約25m)が待っている。 登りより怖い下りなので、安全を考慮してラペルすることにする。 50mロープ必携だよ。 




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どうにか核心部を終えたが、安心するにはまだ早い。 白雲山側に比べると金洞山側のルートの方が悪い気がする。 左に石門群へのエスケープルートを分け、東岳へと進む。 西側には中ノ岳の “コブ岩” 岩稜が逆光の中で黒いシルエットを浮かべていた。




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南側には中之獄神社のパーキングが見えてきた。




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振り返れば安中市、高崎市方面の平野が広大な景色を見せる。




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プチ蟻の塔渡りのようなコブ岩をバランス良く渡り、さらに2段20mくらいのクサリ場を慎重に降る。 疲労感もマックスなので集中力を切らさないように頑張ろう。




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f0308721_1712499.jpgそして最後は濡れた泥壁を慎重に登れば、石祠が置かれた中ノ岳山頂に到着だ。
やれやれ、何とか日暮れ前までに下山できそうだ。
中ノ岳からはフィックスロープの張られたガレた斜面のトラバースをこなし、北側から回り込むように “主稜のコル(中ノ岳と西岳のコル)” に出る。


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主稜のコルからは石門の見晴台方向に下山となる。 コルから中之獄神社までは40分くらいである。 この間は星穴めぐりのレポートを参考にしてね。 → “下仁田町 星穴探検隊が行く初冬の妙義山         Hoshianadake in Mount Myōgi”
なお、中之獄神社のパーキングは午後6時くらいで閉鎖されるので下山時間に留意する必要がある。 私たちはパーキングが閉鎖されることを知らず6時半くらいに下山したら、パーキングの係員が時間を延長して待っていてくれた。 ありがとうございました。 ちなみに、中之獄神社のパーキングから下仁田方面に少し下った所に未舗装のパーキングがあり、こちらは時間制限が無いらしい。  <写真は中之獄神社のパーキングから見た表妙義の稜線>


中之獄神社の近くにある “さくらの里” のサクラはまだ固い蕾であった。 
早春の表妙義の縦走路は、日陰にはうっすらと氷が張っている場所や濡れた斜面があるものの、核心部の岩場などの状態はまずまずだ。 
シーズン始めでまだ身体が岩に馴染んでいないが、良いウォーミングアップとなった。

私のこのトレイルへの評価: 5★ 上級者向け
行程距離: 約5km(妙義神社‐大の字∸白雲山‐相馬岳‐鷹返し∸金洞山‐中之獄神社)
標高差: 約630m (アップダウンが多く累計高低差はこれ以上)
実動時間: 約11時間 (妙義神社~相馬岳 約4時間、相馬岳~中之獄神社 約6時間 休憩約1時間込み)

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by dream8sue | 2017-04-13 22:53 | 群馬県 西上州エリア | Trackback | Comments(2)

安中市松井田町 妙義山 西大星直登ルート     Nishioboshi in Mount Myōgi, Gunma

Sunday, November 6, 2016
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2015年の春に御岳ルートから丁須の頭を登った時に見た西大星がかっこよかった。 そして、いつかは登りたいと思っていた。
西大星はバリエーションルートであるが、そのピークへのルートはいくつかあるようだ。 ピークハント優先なら鍵沢を上流まで登ってから支尾根に取り付きルンゼやチムニーを登る方が易しいようだ。 が、どうせ登るなら北尾根から極力真っ直ぐに登りたい。 いろいろ調べる中に、 “打田氏の「藪岩魂」の延長のつもりでいくと危険” などとのコメントもある。 う~む・・「藪岩魂」の愛読者としては裏を取らなくてはいけないな~ということで、知り合いのサーティーン・クライマー(13歳じゃないよ)2名と、ツゥエルブ・クライマー(12歳じゃないよ)1名の最強メンバー + 藪岩ハイカーの私で行くことにした。


最近、Web上のブログを読んでバリエーションルートに入って遭難する人が増えているそうです。
このルートは一般ルートではありません。
入山に際しては必ず経験者(読図や登攀のできるレベル)やガイドと同行してください。  
また、何が起こっても対応できるように自己責任の概念をしっかりもって登ってくださいね。





f0308721_2113913.jpg<マイカーの場合>
国道18号線で長野県方面に走り、横川駅を過ぎたら旧道に入る。 旧道に入って最初のヘアピンカーブの手前を左に曲がる。 左に曲がるとすぐに左へ下る狭い道がある。その道を降りたところに写真の “麻苧の吊り橋” がある。 吊橋を右に行ったところに広いパーキングがあり、公衆トイレもある。 





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西大星北陵の取付きは、始めは鍵沢ルートを行く。 麻苧滝不動尊へ行く“麻苧の吊り橋”を渡り、麻苧滝や御岳ルートとは反対の右へ行く。 2羽のオシドリが仲良く泳ぐ池の西端に鍵沢ルートの登山口がある。 道標に従って山路を行けば、崩壊した旧登山道に代わって作られた急な尾根のクサリ場に行き着く。 2015年春には急場処置でフィックスロープだけだったが、現在はクサリとアルミ製のハシゴが設置されている。 だが、それにも関わらず、一般ルートとは思えないほどの足場の悪い急斜面である。




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いきなりの急傾斜をこなし、左へ山腹トレイルを行き、ガレ沢を渡った先の尾根の右上に石祠と碑がある。 ここが北稜の取り付きである。




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藪尾根を登ればすぐに小さな岩塊が現れる。 妙義の藪岩尾根らしい雰囲気に身体を慣らしながら登っていくと、程なくして紅葉の中にP1、P2と思われる岩塔が姿を現す。 005.gif 004.gif




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岩塊を2つ、3つ巻いて進み、一際大きな岩塔に行き着く。これがP1かな? ここは岩塔の基部を右から簡単に巻ける。




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f0308721_2181481.jpg続くP2?(地図上の712mあたり)の岩塔は左から巻く。
側壁のへツリはスタンスを慎重に探して一歩一歩確実にね。




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やがて、眼前に西大星が現れテンションが上がる。 う~ん、登れるかな~ 008.gif




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はやる気持ちをおさえて、まずは目の前の障害をひとつひとつこなしていこう。 プチ蟻の塔渡りのようなナイフリッジを渡るが、幅が狭く結構怖い。 008.gif




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その先には、短いチムニー状の岩場の下降があるが、スタンスが無く難しい。 でも、クライマー集団はフリーで行っちゃうんですね~。ふぅ~ 042.gif




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お、そろそろ奇岩がちらほらと姿を現す。 017.gif




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Oh!ここが渡り廊下のような岩稜だ。 なかなか見事な自然の造形だね~。 072.gif




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渡り廊下周辺からは右側(北)に山急山の岩山が鉄塔の奥に見える。 以前登っているが、あんなに大きな岩山だったのか~と改めて認識した。 005.gif
山急山に興味のある方はこちらから → “安中市松井田町 静かな山急山で大展望を独り占め   Sankyuzan in Annaka, Gunma”




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左側(南)には鍵沢の紅葉と、御岳尾根が逆光の中に黒く浮かんでいた。 072.gif




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渡り廊下の先に立ちはだかる岩場を右に巻くと、紅葉した樹木の奥に奇岩群が現れる。




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奇岩群の岩塔は右のスラブ帯を巻く。




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巻きながら上を見上げれば、左端の奇岩は宇宙人カネゴンみたいだ。 005.gif 037.gif




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スラブの右側の段差を登れば奇岩群に近づける。  宇宙人カネゴンはキノコ岩だった。 




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f0308721_230563.jpgリッジを乗り越えて、反対側からこの奇岩を見ると、空に向かってたたずむ人のようだ。(誰がよんだか お坊さん岩)このお坊さん、きっと泣いているね。 何故かって? 034.gif

だって、喉のあたりに大きなスズメバチの巣ができているのだ・・Oh My God!  002.gif





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奇岩群から続く岩場は、左の側壁をトラバースして、西大星本峰へ続く尾根へと進む。 




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振り返れば、先ほど歩いてきたP1、P2,渡り廊下の岩稜が紅葉の海に突起して、まるで白波の様だ。 005.gif




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そして、目指す西大星本峰の周辺には、遠くからは見えなかった針峰がニョキニョキと林立しているではないか。 005.gif
西大星北稜を登ったレポートを読むと、針峰や本峰には登らずにこのあたりで下降をしていることが多い。 ここまでなら楽しい奇岩巡りのハイキングとして、 “藪岩魂” レベルのハイカーなら来られるかもしれない。 しかし、ここから先はルートも複雑になり、岩登りの技術が不可欠だ。  034.gif
登山口からここまで約2時間30分。 私達はここまでフリーで登ってきたが、本峰を前にしてここでハーネスを装着して気合を入れる。  045.gif




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いよいよ西大星への登攀となる。尾根を行くと本峰の手前の小岩峰が行く手をさえぎる。 直登できるかと探ってみたが、青いロープが残置されたドスラブで、プロテクションが取れない。 ここはあえて登らなくても良いかと思い左のルンゼに15mほどラッペルして小岩峰を巻くことにした。 が、ここは右から巻く方がラッペルしなくて済んだようだ。  




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急な落ち葉の詰まったルンゼを四つ足で這い上がり、 5mくらいの壁(Ⅲ級くらい)を細かいスタンスをひろって登る。 042.gif



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さらに右か左かルート取りに迷いながらも、右寄りのルンゼを登る。 この辺りが一番ルートファインディングの難しい場所のような気がする。 039.gif




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足場の悪いルンゼを右寄りに登ると、ペツルのボルトが打たれたフェイスがある。 ここが本峰手前の針峰(P5?)へ直登するルートの取り付きのようだ。 Ⅲ級くらいの岩場をロープ確保でカンテに登りあげる。




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この高度感の中でのクライミングとなるわけで・・・ 008.gif




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カンテからは、右の岩場の展望がさらに高度感をもたらす。 008.gif




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そして、左側に本ルートの核心部(Ⅳ級くらい)が待ち受ける。 左手のホールドが無く、右手の一手が遠い。 左手の浮いた草付きを騙し騙し掴んでどうにか登ったが、私はフォローでも怖かった! サーティーン・クライマー達は余裕のクライミングだ。さすがです! 038.gif




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そして、藪岩をもう1ピッチほど登れば針峰のピークに着く。 ピークからは左側(東)に御岳ルートの尾根の全容が見える。




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f0308721_2442452.jpgもちろん、その先頭には丁須の頭が特徴的なハンマー型の岩塔をのぞかせる。 

ズームして見れば、紅葉シーズンの休日とあって丁須の頭もハイカーで大賑わいのようだ。 024.gif 




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さて、針峰からはいったん本峰とのコルへ約40mのラッペルとなる。 残置のスリングが足場の悪い岩壁のエッジ近くの木にあるが、私たちは足場の良い木に青スリングを残置してラッペルした。 




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約40mのラッペルは途中で完全に空中懸垂となる。 008.gif




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ラッペルするSue。




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ラッペルしながら北側の景色を撮影した。 上信越自動車道の高架が見下ろせる。 072.gif




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ラッペルの着地点からルンゼをコルに登り上げ、反対側のⅢ級くらいの岩場を登る。 




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岩場から落ち葉の詰まった急なルンゼを登りつめれば、藪の生えたフラットなピークがある。




f0308721_248895.jpg本峰はさらにその先のピークのようだ。
30分ほどランチ休憩した後に本峰に向かう。
遠そうに見えた本峰は意外と近く5分くらいの歩きで到着。
ランチライムを除いて約5時間で到着だ。
足元に釜飯の釜の破片が落ちていた。 013.gif
往年のクライマーのランチかしら? 039.gif 037.gif





f0308721_2504995.jpgf0308721_251287.jpg
本峰からは北西方面の展望が良い。 浅間山は残念ながら雲がかかっていたが、恩賀の高岩や稲村山が北側の空間にジオラマの様に展開している。 043.gif




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そして、南西方向には、裏妙義の赤岩、烏帽子岩の岩塔が連なり、三方境の峠を越えて谷急山が悠然と鎮座している。




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さて、下降は本峰と針峰のコルまで戻ってルンゼを鍵沢側に下ることも考えられるが、私たちは南峰側から東面のルンゼを降り鍵沢へ下ることにした。 まずは本峰から15mくらいのラッペルで下部尾根に降りる。 071.gif




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尾根から南峰の左側をトラバース(赤線)して、末端のピナクルとのコルの上から30mくらいのラッペル(黒線)で一気にルンゼに降りる。




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ルンゼ内に降り立ちロープ回収。




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急なルンゼを降る途中にも、ボルダーの詰まった小滝がありラッペルで下降する。 ここも5mくらいは空中懸垂となる。 ここでロープの出番は終了。 ちなみに、この小滝は右岸をクライムダウンで降ることも可能のようだ。




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鍵沢を目指して、ホウノキのような大葉で覆われた斜面をかけ降る。 




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本峰から下降を始めて約1時間で鍵沢ルートと合流。 ここからは御岳ルートの下降路と同じなので、そちらを参考にしてほしい。 → “群馬の駅からハイク vol.6 : 安中市 妙義山 御岳から登る春霞の丁須の頭  Chosunokashira in Mt.Myōgi”

鍵沢ルートの第二不動ノ滝は、渇水期とあってだいぶ水量が少ない。 鍵沢ルートと合流してから1時間ほどで登山口にもどった。 059.gif

休憩込みで8時間というスピードは、経験豊かなクライマー集団のお陰だ。 
承知のことと思うが、ここは一般ハイキングルートではない。 上級者ハイカーなら可能な藪岩ハイキングとも違う。 
登攀要素が強いエリアなので、十分なクライミング経験者か山岳ガイドと同行してね。 034.gif
なにせ妙義山は、群馬県下の山岳事故において、ギネス入りしている谷川岳に次ぐ、県下ワースト2の死亡事故多発山岳だということをお忘れなく。 005.gif 034.gif  

本ルートのマップ:yahoo! map
私のこのルートへの評価: 4★ 上級者向け(岩登り、懸垂下降あり)
行程距離: 約5km(鍵沢登山口7:00~北稜取付き~P1~P2~奇岩群~針峰(P5)~本峰12:30 ~南峰から下降~鍵沢コース合流~鍵沢登山口15:00)
標高差: 約630m
実動時間: 約8時間 (休憩込み)

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by dream8sue | 2016-11-06 01:40 | Rock Climbing | Trackback | Comments(0)

安中市松井田町 妙義山の名ルート相馬岳北稜     North ridge of Sōmadake in Mount Myōgi

Saturday, April 16, 2016
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妙義山の相馬岳北稜は妙義のバリエーションルートの中でもピカイチだろう。地図を見れば一目瞭然、岩壁マークに沿って登るこのルートは藪岩好きの岳人ならば登っておきたい1本だ。巻き路に逃げることも可能であるが、忠実に尾根をたどれば部分的にⅣ級くらいの岩登りあり、何度もラッペルをするルート取りなどクライミング要素の強い秀作である。 049.gif

注意:このルートは一般ルートではありません。 必ず経験者(読図や登攀のできるレベル)と同行してください。 また入山に際しては自己責任であることを肝に銘じ、万が一の事態にも自分たちで対処してください。



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標準コースタイム12時間のロングルートだけに早発ちは必須だ。日の出を待って出発。取付きはダムの下流にかかる橋を渡り、0.5kmほど行った小さな沢(橋を渡ってから2つ目の沢)が入り込んだところだ。沢の右岸の尾根に取付き、最初から急登の尾根を登る。 042.gif




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登りだしていくらもしないうちに、小さな岩場が現れる。岩場を越えると木々の間から町並みが見え始める。 “あたご社” と書かれた手作りの標識があり、左の岩壁に御宮の旗が見える。こんな熊しか通らない尾根にもお宮を置いてあるのかしら? 039.gif




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春のど真ん中ということもあり、北稜下部の標高ではミツバツツジの花が満開だ。




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朝陽に裏妙義の岩壁が紅く色づく。スカイラインは丁須の頭に突き上げる御岳ルートだ。
私は、昨年の早春にこのルートを登っている。→ “群馬の駅からハイク vol.6 : 安中市 妙義山 御岳から登る春霞の丁須の頭  Chosunokashira in Mt.Myōgi




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P1に向けて、200mの急登をこなす。踏み跡もそこそこあるので、心配していたほどルートファインディングは困難ではない。 043.gif




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東面が切れ落ちた岩尾根、P1に出ると目の前には、早くもP2が現れる。 005.gif 072.gif




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P1~P5 まではさほど難しい場所もなく高度をかせげる。登るほどに視界が開けていく。




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P2は右を巻き、2つのコブのような岩の間を行く。




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東面は絶壁なので、基本的に右側(西面)を巻く。P4辺りの西壁と新緑のコントラストが綺麗だ。 072.gif




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P1~P5までは、新緑のシャワーを浴びながらルンルン気分で歩ける。 060.gif



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時々、露岩が出てくるが、このくらいならプレーシャーも無く楽しい。 060.gif



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東面に朝陽が当たり、新緑が一段と美しい。 072.gif  072.gif




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ヤセ尾根にも春の息吹が・・この花は何でしょうか?




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P5が現れる。P5のバックにはハサミ岩がぱっくりと口を上に向けている。




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P4とP5の鞍部からは岩のキレット越しに白雲山の尾根が浮かぶ。




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P5のヤセ尾根を端まで行くと、行く手が深い断崖絶壁となり、とても降りられそうにない。そしてP6と思われる岩峰が谷を隔てて立っている。




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P5からの下降点を探し20mほど戻って右側(西側)につけられた踏み跡を見つける。(ここに新たに赤布を目印に足しておいた)




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下降途中からは、P6の岩壁の向こうにP7が朝陽を受けている。え~!あの壁を登るの?・・と心の声。 005.gif 008.gif



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f0308721_1154885.jpgP5とP6のコルからは、チムニー状の岩(15mくらい)を登る。

下部のクラックから入り、右のフェイスに出る。





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f0308721_117047.jpgP6の肩にはいあがったら、西側の岩壁バンドを登る。

P6の西壁にはイワヒバ(別名:イワマツ)が群生していて見事だ。

イワヒバの葉状の茎は乾燥すると丸く縮まってしまうが、水分を得ると放射線状に美しい枝葉を広げる。

また、足元にはミョウギイワサクラも群生している。  056.gif





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f0308721_1201756.jpgミョウギイワサクラを踏みつけないようにバンドをトラバースした先には、ラッペル用の青いスリングとリングの残置がある。

ここでP6とP7のコルへ15mほどのラッペルで降りる。 071.gif




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コルに降り立ち、P7への登高ルートを探る。目の前にある悪そうな凹角はとても登れる気がしない。右側の浮石の詰まったカンテも登れる気がしない。Oh Boy! Where should I climb? 025.gif
目の前の壁にばかり気を取られてはいけない。このコルから這い上がるポイントは、どうやら10m左のルンゼを詰めたところのようだ。出だしは少し被り気味のフェイスであるが、取付きに生える立ち木をうまく使って、大きなスタンスに立ちこむ。後はオッパイのように突き出たホールドがたくさんあるのでⅢ級くらいの岩登りとなる。




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壁は30mくらいであるが、途中から傾斜が増す。ここにもイワヒバが群生している。最後はやや小さくなったホールドをこらえ、立ち木を取れば傾斜も緩くなりP7に着く。ここが前半の核心部と言ってもよいだろう。後続の2人パーティーのリードが大きな落石を起こしたので肝をつぶすが問題は無かったようだ。 008.gif




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P7から続くヤセ尾根の先には、後半の核心部となるP12が見えてきた。




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P7から西側面の岩場をクライミングダウンを交えながら下降する。P8とのコルには、ここにも一際見事なミツバツツジが咲いていた。 056.gif



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P8からP10までは小ピークをいくつも越えて行く。岩場歩きに慣れている者ならさほど問題となるセクションではない。




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東面は相変わらず絶壁である。石碑のような岩塔が立つ小尾根を見下ろす。




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振り返れば、登ってきたP5~P7の岩峰が見える。バックには榛名山が春霞の中に薄いシルエットを見せている。 072.gif




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そして、裏妙義と呼ばれるエリアにある妙義湖と岩尾根。




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やがてP11への登りにさしかかると、東面へ顕著な巻き路がある。急峻な岩壁帯のトラバースから左上に見えるコルに登り上げる。このトラバースが意外と悪いので要注意だ。 008.gif 042.gif




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さて、このルートの核心部とも言うべきP12だ。ブッシュ交じりの20mほどのカンテ状の壁である。急傾斜の泥壁をブッシュの生える中間テラスまで登る。




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中間テラスからクラックの走る壁を左上するのだが、出だしの2mがハングしていてホールドも乏しい。
残置ハーケンと残置スリングがかかっている。ここには赤のエイリアンがばっちり決まる。トップはクラックから左のドロ壁にアイスバイルを打ち込みホールドにして越えて行く。私はフォローで、残置スリングを掴みハイステップに何とか足をのせ、残置してもらったアイスバイルを使って同じくドロ壁に打ち込みホールドとする。もしやと半信半疑で用意したアイスバイルであったが、本当にドロ壁によく効いた。
ちなみに、P12は大きく西側に巻き仙人屈に登りあげるエスケープルートがあるようだ。




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P12 は “つづみ岩” とも呼ばれていて、手をたたくと辺りの岩にこだまの様に反響する不思議なピークだ。そして、P12からは南東にハサミ岩の刃にあたる大小の岩塔が見下ろせる。そこから935mのピークへと続く尾根を目で追う。




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その右(南西)に目をやれば、下降路となる相馬岳コースと、そのバックには表妙義主稜線である鷹戻しや金洞山、そして星穴岳が黒いカーテンのように立ちはだかっている。




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さらに西には、裏妙義の風穴尾根の岩峰や西上州の山々が望める。




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振り返れば、北にP11と、バックに裏妙義の主稜線とも言うべき丁須の頭から谷急山への岩尾根が見える。




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核心部が終わり一息入れたいところであるが、P12は狭いピークなので仙人屈まで行って休憩しよう。それに、ここからの下降もあなどれない。 034.gif




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両サイトが切れ落ちた、まさにナイフエッジ。ここは無理をしないで左側(東面)へ立ち木で短く切って2回のラッペルをする。




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ラッペル後も足場の悪い斜面をトラバースしてハサミ岩の大きい方の岩の肩に出る。




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f0308721_1331718.jpgハサミ岩の肩からⅢ級くらいのクライミングダウンで降りたったところが岩のアーチになった仙人屈である。 005.gif




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f0308721_1352691.jpgアーチをくぐった西側が大きな岩のルーフをもつケーブで、千人(仙人)は無理だが百人くらいはビバークできそうな大きな洞窟である。 041.gif

取付きからここまで6時間とまずまずの速さだ。トップがフィックスしたロープにセカンドとサードはアッセンダーなどでセルフビレーを取って登るシステムでスピードアップを図った。 034.gif





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仙人屈でしばし休憩したら、先を急ごう。続くハサミの小さい方の岩は右側から巻く。




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岩場が終わったあたりで振り返って見たら、あっちもこっちも岩塔で、まるで岩の森に棲む小人にでもなった気分だ。 037.gif




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仙人屈から30分ほどで幕営敵地と思われる935mの広いピークに着く。この先はもう岩場は無いかと思いきや・・尾根にちょこんと立つボルダーを右から巻く。




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最後の短いナイフエッジを越えて、いよいよ樹林帯の尾根登りとなる。




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緊張感から解放されてただ足を前に出せばよいだけの尾根歩きだ。が、緊張感がなくなった分、朝からの疲れが気になりだす。相馬岳山頂はまだかまだかと何度も偽ピークに騙される。 042.gif




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935mのピークから約1時間、取付きから約7時間で相馬岳に到着!疲れた~! 066.gif ビバーク用にと多めに背負ってきた水をがぶ飲みする。山頂でゆっくりお茶を沸かして互いの労をねぎらい、北稜を無事に完登した喜びに浸る。 051.gif 063.gif




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下山は、1週間前に偵察済みの相馬岳コースなので、そちらを参照してほしい。一般道とはいえ50mのクサリ場やヤセ尾根が続くルートなので、疲れた身体には結構くる。(写真は北稜から見た相馬岳コースのシルエット)
→ “安中市松井田町 妙義山 裏妙義から登る相馬岳   Sōmadake in Mount Myōgi, Annaka, Gunma




f0308721_14066.jpgロングルートなので、体力と持久力が必要である。が、体力自慢だけでは登れない。
岩登りのテクニックが必要なのは言うまでもないが、テクニック自慢だけでも不安材料はある。
ここは、西上州の脆い岩質を熟知した経験知が必要なルートだと思う。

私のこのルートへの評価: 5★ 上級者以上
行程距離: 約7km(ダム下流取り付き‐P1~P5‐P6~P12‐仙人屈‐ハサミ岩‐935mピーク‐相馬岳‐国民宿舎分岐‐相馬岳コース下降 – 裏妙義国民宿舎=カーシャトルにて取付きまで戻る)
標高差: 約720m
実動時間: 約10時間 (取付きから仙人屈まで約6時間、仙人屈から山頂まで約1時間20分、山頂から相馬岳コース下降約2時間、山頂での40分休憩込み)


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by dream8sue | 2016-04-16 00:11 | Rock Climbing | Trackback | Comments(2)

安中市松井田町 妙義山 裏妙義女坂から登る相馬岳      Sōmadake in Mount Myōgi, Annaka, Gunma

Sunday, April 9, 2016
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今春中に相馬岳北稜と、表妙義縦走を行う計画があるので、そのための偵察山行として裏妙義から相馬岳に登ってきた。目的の一つは表妙義縦走の一部である茨尾根(ばらおね)を歩くこと、そしてもう一つは相馬岳北稜の下降路となる相馬岳コースの下見である。
表妙義は最近では、石門めぐりと、星穴探検を行っているが、久しく主稜線を歩いていないので数十年ぶりに歩いた茨尾根は岩の要塞、岩の迷路で楽しかった。  060.gif
→ “下仁田町 妙義山 石門めぐり   Sekimon in Mount Myōgi




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<マイカーの場合> 登山口の裏妙義国民宿舎までは、昨年の2月の丁須の頭ハイクを参照してほしい。 040.gif
→ “安中市松井田町 妙義山 篭沢から登る冬の丁須の頭   Chosunokashira in Mount Myōgi

訪れたこの日は、裏妙義国民宿舎の周辺は桜が満開で裏妙義の岩壁とのコントラストが素晴らしかった。 072.gif
ちなみに、裏妙義国民宿舎は2016年3月末で閉館となった。いろいろな思い出がある宿だったのでとても残念だ。こんなに素敵なロケーションに建つ宿なのになぁ~  007.gif




f0308721_1541492.jpgf0308721_15411849.jpg
国民宿舎から中木川の右岸(川下に向かって右側)の林道を30分ほど上流に歩き、星穴分岐から星穴沢(女坂)に取り付き茨尾根に登る。
1ヶ月前に雪稜の谷急山に登るためにこの林道を歩いているが、この一月で一気に春の息吹が噴き出している。
道端にはキブシやスミレ、マムシグサなどが咲き、単調な林道歩きを楽しくさせてくれる。 056.gif 060.gif
→ “安中市松井田町 妙義山 雪稜の谷急山    Yakyūsan in Mount Myōgi




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星穴分岐のケルン(慰霊碑)の横を通り中木川から分かれ左の星穴沢に続く路を行く。 070.gif




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以前に星穴沢を登っているのだが、まったく記憶が無い。008.gif。。星穴沢出合いには立派な堤防が作られている。こんな堤防あったかなぁ~? 039.gif




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堤防を右の林道から回り込む。現在は廃道となっている星穴新道への登山口を右に見て左へ進めば、星穴沢へと入って行く。




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しばらく沢筋に沿って、沢を何度か渡りながら上流に進む。木立の間から星穴岳の岩稜が見え隠れする。




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星穴沢にはいくつもの小滝がかかり、淡い芽吹きの樹木と白い流筋のコントラストが美しい。沢の風景ってやっぱりいいなぁ~ 043.gif 049.gif




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出合いから30分ほど沢筋を登れば、沢が二俣になる。国民宿舎から約50分歩いたので一休みする。 063.gif




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二俣の中間尾根に取り付く。いよいよ本格的な登りとなる。 042.gif




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針葉樹林帯をひと登りすると892m地点の岩峰基部のトラバースにさしかかる。このトラバースが意外と悪い。湿った岩盤の上に落ち葉が積もり、とても滑りやすく2mほどずり落ちた! 005.gif 足場の悪い急斜面で、なかなか脱出できずに落ち葉の中でしばらくもがく。 008.gif 041.gif




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岩峰基部から茨尾根に続く尾根を東に進む。 070.gif




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この尾根からは西に鬼のような顔をした星穴岳が良く見える。昨年の初冬に星穴岳に登り、2つの星穴探検をした。右の大きな穴が “結び穴” で、左が “射抜き穴” だ。
→ “下仁田町 星穴探検隊が行く初冬の妙義山   Hoshianadake in Mount Myōgi




f0308721_15514524.jpg星穴分岐のケルンから星穴沢ルート(女坂)を登ること約1時間30分で表妙義の主稜線、茨尾根に出た。 042.gif

ここからは、相馬岳を目指し茨尾根を左(北東方向)へ進む。 070.gif




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ヤセ尾根につけられた東側のトレイルを降ると、右側に要塞のような高い岩壁が出てくる。この岩壁基部をトラバースして行く。 071.gif




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f0308721_16463648.jpgホッキリに向かう手前の稜線から南側に君臨する “鷹戻し” の岩峰がよく見える。

鷹戻しに登っている登山者がいたのでズームしてみた。

赤丸の中が登山者で、赤破線がルートである。

対岸から見ているせいもあるがほぼ垂直の岩壁だ。 005.gif

よくぞこんな壁にクサリやハシゴをかけたものだ、と感心する。 045.gif




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鷹戻しの岩壁の南側には石門群の岩塔が連立している。そのバックには筆頭岩から続く金鶏山が見える。
→ “富岡市妙義町 寒風の中の筆頭岩クライミング   Rock Climbing at Hitōiwa in Mount Myōgi,Gunma




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さらにヤセ尾根を降りて行くと、ホッキリというコルに行き着く。ここから右に20分ほど降れば中間道と呼ばれる表妙義自然探勝路にエスケープできる。 029.gif




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ホッキリのコルを登り、浮石の多いヤセ尾根を登る。右側(東面)の切り立った絶壁越しに相馬山がその雄姿を現す。 004.gif



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西面の岩場を登り上げ、チョックストーンのトンネルをくぐり東面の絶壁帯に進んでいく。




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チョックストーンをくぐると、眼下に東面の景色が広がる。金鶏山のすそ野を巻く県道や平野が見渡せる。




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その先は、後ろ向きでなければ降りられないほどの急な斜面の下りとなる。 008.gif




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足元には転げ落ちたら止まらないであろう急斜面が続く。いつものお花見ハイクのようなよそ見歩きはできない。 034.gif




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ハイカー同士のすれ違いもままならないような岩壁帯の通過。




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岩壁帯を越えると、西面の沢へ降りたつ。




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沢からザレた尾根を登る。




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ザレた尾根の先には、30mのクサリ場が現れる。



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相馬岳への登り返しは思った以上にきつく心臓も神経も張りに張っている。が、そんな時に足元の小さなピンクの花が心を和ませてくれる。 “ミョウギイワザクラ” のようだ。きっと以前にも見ているのだろが、以前は花などには全く興味がなかったので認識していなかった。改めて初めまして。 035.gif 051.gif




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クサリ場をこなして、左に今日の下山ルートである相馬岳コースの分岐をみる。分岐の先を東に行けば裏相馬岳がある。裏相馬岳には寄らずに鞍部に降りていやらしい岩場を登り上げれば相馬岳山頂に着く。 066.gif 登山口から約3時間30分の登高であった。 059.gif 山頂からは北西方向にわずかな残雪をつけた浅間山が春霞のなかに浮かんでいる。




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そして、眼前(南西)には鷹戻し、金洞山、星穴岳の岩峰群が威圧的に横たわっている。バックにはテーブルマウンテンの荒船山がその特徴的なシルエットを浮かべている。
→ “下仁田町 西上州のテーブルマウンテン荒船山   Mount Arafune in Shimonita, Gunma




f0308721_166689.jpg風もなく暖かな春の陽気だ。

妙義の展望を楽しみながらゆっくりとランチタイムを楽しむ。 063.gif

ランチの後は、今回の目的のひとつ相馬岳北稜を探る。

北稜と思われる踏み跡に進んでみるも、藪で北稜側は良く見えない。 046.gif

山頂からは見えないが、下降路の相馬岳コースから、北稜の全容がうかがえる。

山頂をあとにして相馬岳コース分岐(国民宿舎の目印)へ戻る。




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ザレた歩きにくい尾根路を降っていくと、右側の展望が開け、相馬岳北稜が一望できる岩峰に着く。北稜の東面の絶壁と、一目でそれと分かるハサミ岩、そして右側に続く935mのピーク。
“OMG! あのゲジゲジ(岩壁マークの比喩)の上をいくのか~!あんなところ登れるのか!” と、Sueの心の声。 025.gif 037.gif そのワクワク、ドキドキ山行は来週のお楽しみ! 024.gif 060.gif




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とりあえず、無事に下山せねば・・展望の良い岩峰を降ると、クサリが連打されたルンゼへの下降となる。




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このクサリ場は急傾斜な上に湿っていて、なかなかシビレル。しかも50mくらいある長いクサリ場である。ここは暗くなってから歩くのは危険だと判断する。 008.gif 034.gif




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クサリ場を過ぎてもヤセ尾根が続く。




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ヤセ尾根からは、登ってきた星穴沢コース(女坂)のバックに金洞山や星穴岳が見える。 072.gif




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そして、下降路にも岩塔がニョキニョキと現れる。




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岩塔の基部まで登り、そこからクサリの掛かった岩場をトラバースして、さらにヤセ尾根を降る。 071.gif




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岩塔の基部からは裏妙義の稜線と岩峰群の雄大な景色が広がる。この角度から裏妙義の全貌を見るのはちょっと感動的だ。写真では分かりづらいが、肉眼では裏妙義のシンボル “丁須の頭” もくっきりとスカイライン上に見ることができる。感動的な裏妙義の一大パノラマに疲れた身体も息を吹き返す。 043.gif




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続いて現れる岩場は、西面をクサリと鉄棒のスタンスに足を置いて慎重に降る。行く手には “のぞき穴” のある岩塔が見える。




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岩塔のバックには妙義湖が見える。




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f0308721_1614449.jpgほどなくして、のぞき穴の岩塔に着く。

のぞき穴からは、相馬岳北稜の核心部P12(つづみ岩)やハサミ岩がまるで絵画のような構図で見えている。

どこかで見たことがあるこの風景。でき過ぎでしょう! 041.gif 049.gif




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その相馬岳北稜をのぞき穴からのぞいて見る。来週はそこに行くからね。待っててね~! 017.gif
→ “安中市松井田町 妙義山の名ルート相馬岳北稜    North ridge of Sōmadake in Mount Myōgi”




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のぞき穴の岩塔のすぐ下に “見晴し” の岩テラスがある。鉄の手すりは危険なので立入禁止のテープが張られている。入るなら自己責任でね。っていうか、手すりも立入禁止テープも、地図上の見晴しなどという案内もすべて撤去してしまったほうがよろしいのでは?登山なんてものはすべて自己責任ですよ。 026.gif 034.gif




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見晴しを過ぎると、トレイルの様子は一転して穏やかになる。




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f0308721_16183053.jpg標高が低くなってきたせいか、辺りはツツジロードへと変わった。 056.gif 043.gif




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“新緑” と言うけれど、新緑の芽吹きは、緑ではなく赤や黄色に近い色あいで秋の紅葉みたいである。 ツツジロードでテンションが上がり、下山の疲れも忘れる。




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f0308721_16202788.jpgそして、自然林から植林に入り、落ち葉の詰まった急な斜面をひと降りすれば、道幅のある平坦なトレイルとなり国民宿舎前の車道に飛び出す。




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中木川に掛かる橋の周辺もサクラや新緑の木立ちが美しい。心地よい疲労感と春爛漫の穏やかな空気に包まれる。何故だか、この美しい景色の中を歩ける健康と、日本の春に感謝したい気持ちになった。 043.gif

f0308721_17112968.jpg私のこのトレイルへの評価: 5★ 中級~上級者向け

行程距離: 約6.5km(裏妙義国民宿舎‐星穴沢橋‐星穴沢出合‐女坂分岐‐ホッキリ‐茨尾根ピーク‐国民宿舎分岐‐相馬岳‐国民宿舎分岐 -相馬岳コース- 裏妙義国民宿舎)

標高差: 約670m

実動時間: 約6.5時間 (山頂での1時間休憩込み)

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by dream8sue | 2016-04-09 15:13 | 群馬県 西上州エリア | Trackback | Comments(0)

安中市松井田町 妙義山 雪稜の谷急山     Mount Yakyu in Mount Myogi

Thursday, March 17, 2016
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3月だというのに上毛三山は真っ白にお化粧している。まさかの雪稜、いや、間違いなく雪稜だろうと10年ぶりに雪山仕様の登山靴とアイゼンを持ち、裏妙義の谷急山に行ってきた。  070.gif  ルートは谷急沢(女道)から登り、稜線を往復し、下山は巡視道を降りる半ループのトレイルだ。




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<マイカーの場合> 登山口の裏妙義国民宿舎までは、昨年の2月の丁須の頭ハイクを参照してください。
安中市松井田町 妙義山 篭沢から登る冬の丁須の頭 Chosunokashira in Mount Myōgi

国民宿舎のバックにはいつものように裏妙義の岩峰群が屏風のごとくそびえている。 072.gif

ちなみに、裏妙義国民宿舎は、今月(2016年3月)いっぱいで閉鎖とのこと。 個人的に思い出の多い宿なのでとても残念だ。 002.gif

国民宿舎の前を流れる中木川の右岸(川下に向かって右側)の林道を30分ほど歩くと星穴分岐に着く。




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星穴分岐には慰霊碑と思われるケルンがある。失われた道、星穴新道への分岐である。機会があればコソッと登ってみたいルートだ。登山禁止だけどね~ 029.gif 003.gif




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星穴分岐から星穴沢橋を渡り、さらに歩くこと20分くらいで中木沢橋を渡る。

そこから少し行き川が大きくカーブした場所の路肩に小さな石仏と女道登山口の道標が立っている。




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女道登山口は谷急沢の出合いでもあるが、水量はさほど多くはない。尾根から沢筋に降りて行くと、南面ということもあり予想に反して全く雪は無い。




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谷急沢は、新緑や紅葉の時に沢登りしてみたくなるほど美しい沢だ。 072.gif




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その谷急沢を右岸から左岸に、左岸から右岸にと何度も渡渉しながら40分ほど遡ると、大黒乗越沢との二股(谷急沢分岐)に着く。ここから右の尾根に取り付き北に進む。




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さぞかし秋は紅葉が綺麗だろうと容易に想像できる自然林の中を、落ち葉を踏みしめながら急登をこなす。 042.gif




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すると、木立の間から左の稜線上に谷急山方面の小ピークと思われる岩峰が見え始めてくる。




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大遠見峠に近づくにつれ残雪が現れる。大遠見峠から谷急山まではP1からP6までの小ピークのアップダウンを繰り返す。V字キレットなどの険悪な岩場をもつ尾根なので注意が必要だ。 034.gif




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大遠見峠からのヤセ尾根には雪がたくさん残っていて、正直、沢筋ではなく尾根筋にこれほどの残雪があるとは意外であった。ブッシュこそ多いが、急峻な岩場の雪稜歩きに思いのほか時間を要した。 042.gif




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P1を過ぎると周辺の山々が見えてきて高度感が出てくる。 043.gif




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やがてP2手前のクサリ場が現れる。濡れた岩場にクサリを握る手に力が入る。 008.gif




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クサリ場から先もナイフリッジや傾斜のある岩場が多い。P1からV字キレット、P3あたりまでがこのルートの核心部だろう。




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フィックスロープが張られた急峻な岩場を登りきればP2である。




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P2のピークに立つと、一気に視界が開ける。振り返れば北東方向に、裏妙義の烏帽子岩から丁須の頭までが手の届きそうな距離に見えている。




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P2は小さな針峰であるが、ここからの展望は山頂より良いかもしれない。 072.gif 072.gif




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北には浅間山が、南には表妙義と西上州の山々が一望できる。 表妙義の相馬山と針モグラの背中のような金洞山、星穴岳の山群が素晴らしい。その両者をつなぐ茨尾根もくっきりと見える。




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すぐ南に見える、大烏帽子、小烏帽子の山波。白い山肌から薄毛のように生えた樹木がユニークな風景を作り出している。




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そして西側には谷急山の全容が見える。こんな悪場があるとは思えない緩やかで美しい山並みだ。それにしても・・まだまだ遠いな~ 025.gif 042.gif




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P2から、すぐにV字キレットへの急な下降が始まる。
岩場に積もったベタ雪の処理が悪く緊張する。
慎重にコルに降り立つと、キレットの隙間からバックの雪景色がのぞいて見える。 072.gif

“なかなかいいな~” なんてのん気に風景を楽しんでいると・・ キャー! 同行者が上部岩壁からキレットをのぞき込んでいる。
見ている方が怖くなるから、やめて! 005.gif 025.gif

ちなみに、この同行者はヒマラヤ経験も豊富で、最近公開された安倍寛主役の “エベレスト神々の山嶺” のスタッフもしていた “ヒマラヤの獅子” なのでご心配なく。 041.gif




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な~んて、人のことをとやかく言っている場合ではない。コルからP3までの登り返しがあるが、右側が切れている岩場で、付着した雪の状態が悪く、思わず “誰か私を確保して~” って叫んでしまう。 008.gif 今回はロープを持参しなかったことを反省した。 040.gif




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P3からは悪場も少なくなる。が、朝からの疲れも出てきて、アップダウンが苦痛になってくる。 008.gif 042.gif




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まだかまだかと次々に現れるピークに騙されながらも、やっと谷急山のピークにたどり着く。
そこには、目の前にドーンと浅間山が控えていた。
私はピークへのこだわりは少ない方だが、久しぶりに “頑張って登ってきてよかった” と思えたルートだった。 042.gif 043.gif

山頂で遅めのランチをとっていると、浅間山上空に3機のヘリコプターが・・何かあったのかしら?
それにして今日の浅間山からは一切煙が出ていない。
昨年の秋に浅間隠山からみた浅間山にはすごい勢いで煙が立ち昇っていて、間違っても近寄りたくないと思ったものだが。




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山頂は360度の展望ではあるが、周辺は低木が生い茂っているので葉が茂っていない今頃の方が展望は良いのかな?




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低木をかき分けて撮った北東側の風景。妙義山の麓には上信越自動車道の高架が見える。その先に見えるのは榛名山群。 072.gif




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さて、山頂での1時間休憩を終え下降に取りかかる。登りより厄介な雪稜の下降。アイゼンを装着してのクサリ場の下降は慎重にね。 034.gif




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山頂から大遠見峠までの下降時間は、登りとほぼ同じで約2時間かかった。

大遠見峠から三方境までは10分ほどのコブ越えで着く。




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三方境からは自然林とスギ林が混ざる巡視道を降る。小さな沢をいくつも横切って徐々に高度を下げていくこのトレイルは単調である。




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疲れた身体に鞭打って夕闇が迫る中をひたすら降り、三方境から国民宿舎まで1時間30分で降りる。途中の木立の間から表妙義の岩山が残照に浮かび上がって見えた。




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今回の谷急山は、3月とは思えない残雪があり、久しぶりに登り甲斐のあるルートだった。
ただでさえ険悪な岩場が多い裏妙義なので、いったん雪稜となった場合は下手な雪山よりも技術を要する。
確かなアイゼンワークと雪山に対しての知識と注意力が必要だ。

私のこのトレイルへの評価: 4★ 上級者向け
行程距離: 約10km(国民宿舎‐女道登山口‐遠見尾根‐V字キレット‐谷急山山頂‐V字キレット‐三方境‐巡視路‐国民宿舎)
標高差: 約730m (稜線上は小ピークが多く累積高低差はこれ以上)
実動時間: 約10時間 (登り5時間、降り4時間、山頂での1時間休憩込み)

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by dream8sue | 2016-03-17 00:55 | 群馬県 西上州エリア | Trackback | Comments(2)

下仁田町 星穴探検隊が行く初冬の妙義山     Hoshianadake in Mount Myōgi, Gunma

Wednesday, December 16, 2015
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高山植物の枯れる秋から冬にかけては、お花見山行ができない分、どうしてもスリルのある岩場山行になってしまう。群馬在住の私にとって、身近な岩場の山といえば妙義山だ。

日本三大奇景で有名な妙義山は、石門などに代表されるようなアーチや穴空き岩も多い。そこでかねてから気になっていた星穴めぐりに行ってきた。星穴めぐりといっても、石門めぐりのようなハイキング気分で行ける場所ではない。 046.gif

星穴岳(1,073m)までは昔は登山道があったようだが、それも45年ほど前におきた悲惨な遭難をきっかけに廃道となり、現在は登山禁止となっている。加えて、星穴(射抜き穴&むすび穴)は、稜線からラッペル(懸垂下降)で2ピッチほど下降しなくては行けない場所にある。まさに気分はインディアナ・ジョーンズ、探検山行だ。 060.gif

注意:このルートは一般ルートではありません。 必ず経験者(読図や登攀のできるレベル)やガイドと同行してください。 また入山に際しては自己責任であることを肝に銘じ、万が一の事態にも自分たちで対処してください。



f0308721_1303378.jpg<マイカーの場合>登山口となる中之獄神社までは9月に登った石門めぐりと同じなので、そちらを参照してほしい。→ “下仁田町 妙義山 石門めぐり Mount Myōgi in Shimonita,Gunma”





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中之獄神社の赤い鳥居をくぐり、品のない日本一大きな大黒像を見ながら境内奥にある急な石段を登る。 070.gif




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石門めぐりルートの逆コースになるので、中之獄神社から右へ進み、 “見晴台・第四石門方面” の道標に従って、石段のトレイルをひたすら登る。




f0308721_2503838.jpg登山口から30分ほどの登行で見晴台に着く。 042.gif

一休みしながら登攀具などを身に着ける。

見晴台からは石門群へ続くトレイルを右に分けて、さらに北に進む。

すると、“ここより上級者コース” と書かれた立て看板があり、りっぱな注意書きの標識もある。

“ザイル等装備のない方、登攀技術のない方は立ち入らないでください。” と書かれてある。

ここまで警告してあれば、さすがに一般ハイカーは入山しないだろう。 039.gif




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石門分岐から30分ほどで中ノ岳(中之嶽とも書く)と西岳とのコルに着く。コル直下では真新しいクサリが設置されたルンゼを登る。 009.gif




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f0308721_1422910.jpg星穴岳方面へは、コルから左(西)のトレイルに進むが、ここもロープが張られ、“この先は危険、入るな!” と書かれている。 029.gif

このロープをまたぎ、西に進む。 070.gif

さあ、探検の始まりだ! 061.gif 060.gif

岩峰の基部をトラバースしながら高度を上げていく。

振り返れば、金銅山の岩峰群が東側に広がる。 005.gif

ちなみに、金銅山には東岳、中ノ岳、西岳があり、これから向かう西岳は金銅山の一角といえる。




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星穴岳の前に、まずこの西岳を登らなければならないが、西岳ピークへは2つの岩場を越えて行く。

コルから20分ほどで最初の岩場に着く。Ⅲ級程度の短い岩場にはペツルのボルトが打たれている。

近年、星穴めぐりは、山岳ガイドのツアーが盛んで、ガイドがルートを整備しているようだ。ありがたく使わせていただこう。 040.gif

今回、我々は6人で3本のロープを用意した。3本のロープをフル稼働させて、ルート工作隊が先行し要所でフィックスしたり、ラッペルポイントでロープをセットしたりして、星穴岳まで休むことなく前進した。 070.gif





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最初の岩場を超えた場所からは、すでに素晴らしい景色が展開していた。 072.gif




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巻いてきた岩峰ごしに見える南面の景色。金鶏山の先には安中市、高崎市の街並みが見える。




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岩峰の基部にも、石門群の岩場が足元を固めるかのように取り巻いている。




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西岳直下の2つ目の岩場への途中には、プチ蟻の戸渡りのような短いナイフリッジがある。フィックスロープが張られているが、使用に関してはあくまで自己責任で。 034.gif




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西岳直下の岩場に、メンバーがルート工作している。この岩場にもしっかりしたペツルのボルトが打たれている。 040.gif

易しい岩場であるが、落ちれば致命的なので、ロープをフィックスして、各自はアッセンダーやロープマンなどでセルフビレーしながら登った。 034.gif




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西岳のピークに着くと、眼下に星穴岳の岩峰群が現れる。なんとも迫力のある眺めだ。 005.gif 072.gif

本当にこんな岩峰群の中にルートがあるのか!って、いうか、昔は確かに登山道があったのだよねぇ~ 008.gif

正直、この景色が見られただけでもここまで来た甲斐があった。もう満足。 043.gif



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西岳のピークから北側には谷を隔てて裏妙義の丁須の頭から赤岩への稜線がよく見える。その奥に見えている青いシルエットは鼻曲山浅間隠山のようだ。




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さて、西岳で展望を楽しみ、一抹の不安と期待感に浸ったところで、先を急ごう。

西岳ピークからは北側の泥ルンゼを降る。残置ロープなどはあるが、濡れた泥ルンゼは足場が非常に悪いのでラッペルで降る。

泥ルンゼを降り切った所から星穴岳へ続くトレイルがやや分かりずらい。 039.gif ラッペルでルンゼを降り過ぎてしまうと東側の尾根へのトラバース路を見落としてしまうので要注意。 034.gif

そして、このトラバース路も濡れていて悪い。 008.gif 北面ということもあり、気温が下がると凍っていたりして悪場感が増すだろう。今年は11月、12月が暖かでラッキーだった。 045.gif




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東の尾根からさらに急な藪の斜面を降り、星穴岳手前の二連の岩峰の南側をトラバースする。




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フィックスロープがあるが、信用できないのでここでも自分たちでロープをフィックスした。




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途中に目印になる狭い洞窟がある。




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洞窟からさらに、二連岩峰の西側に回り込むように岩壁をトラバースしていく。左側には星穴岳からのびる3兄弟のような針峰群が見える。




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明るい南面の岩場にはたくさんのイワヒバ(別名、岩松ともいう)が群生していた。 005.gif




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トラバースを終え、マツの木の生えるⅢ級の岩場を登ると、幅が50㎝くらいしかないナイフリッジにでる。ここは、2連岩峰と星穴岳とのコルであり、射抜き穴への下降点でもある。




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ナイフリッジからは、南側に3兄弟の針峰が眼下に見える。 072.gif




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東側には巻いてきた2連岩峰と、バックには表妙義主稜線の相馬岳が見える。




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星穴探検の前に、星穴岳のピークに登りランチタイムとしよう。 070.gif

星穴岳へは、10mほどの傾斜のあるⅢ級の岩登りとなる。両サイドが切れ落ちた高度感のあるリッジなのでロープにセルフを取りながら安全第一で登る。 034.gif




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星穴岳のピークは、東西に長いナイフリッジの岩峰で、西端に手作りの山名プレートがあった。

無駄のないルート工作のお陰で、登山口から3時間で星穴岳まで来ることができた。 070.gif 040.gif




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西側にはさらに針峰が連立している。 072.gif




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北側にも顕著な岩塔が見える。おそらく昔の登山道(星穴新道)があるP3の岩峰と思われる。星穴新道は、この岩峰の基部を巻いて裏妙義の妙義荒船林道(国民宿舎側)に続いていたようだ。いつか機会があったらトレースしてみたい路だ。 043.gif 045.gif




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それにしてもこのP3(と思わしき岩塔)は、USA(オレゴン州)のスミスロックの岩場にあるモンキー・フェースによく似ている。 005.gif

昨年の今頃、西上州のじじばばの岩峰を見に行った。その時に、ばば岩を西上州のモンキー・フェースと比喩した。でも、ばば岩以上にこのP3は形といい、大きさといい、まさに西上州のモンキー・フェースだ。 045.gif




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狭い星穴岳では、横並びになってランチを食べた。 063.gif そして、後半はいよいよ射抜き穴とむすび穴への探検だ。 060.gif 070.gif

星穴岳からの下降はラッペルが無難だ。 049.gif




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ナイフリッジの下降ポイントまで戻り、ここから25mのラッペルで射抜き穴へ降りる。この下降点は射抜き穴の真上なので南側、北側のどちらサイトからでも射抜き穴には降りられるようだ。が、残置スリングの状態から南側から降りるのが一般的のようだ。




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この25mのラッペルは途中から空中懸垂となる。ラッペルの途中から下を撮影。




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久しぶりの空中懸垂! 060.gif




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空中懸垂の着地点は、岩場の基部から6、7mくらい離れる。が、そこは絶壁の淵なので足場が悪い。先に降りたメンバーがロープを引いて岩壁基部に引き寄せてくれた。

25m懸垂という情報で、50mロープ1本を使用するパーティーもいるようだが、このような安全対策のためにも、また不測の事態に対処するためにも、ここのラッペルは50mのダブルロープで行ったほうが良いだろう。 049.gif




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射抜き穴は、むすぶ穴より小さく高さ3mくらいかな?



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射抜き穴の南側には、星穴岳では眼下に見えていた3兄弟の針峰が、眼前にとても近くに見える。

岩稜帯から離れた、こういった針峰は地形図には表記されないので、実際に目のあたりにして初めて地形や岩峰の位置関係が把握できる。




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続いてむすび穴へは、射抜き穴の右(東)にある下降点から45mのラッペルとなる。下降支点は壁と立ち木の2か所にある。




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稜線から落ちている壁の全容。45mラッペルは壁の中間部からの下降となる。 005.gif




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降りながら上を撮ってみた。ここの岩壁にもイハヒバがたくさん生えていた。

この右のトラロープは岩壁の途中で切れている。下降点では下部まで見えないので、このロープはどこかでフィックスされているのかと勘違いしてセルフビレーなどに使ってしまう可能性があり大変危険と思われる。このようなトラロープならぬ、トラップロープであると知っていたら、下降点で回収なり切断処理しておくべきだった。これを読んだガイドやクライマーの方、このロープは危険です。回収、または切断してください。 040.gif




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さて、むすび穴へは、着地点から西側の落ち葉の詰まったルンゼを登る。




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ルンゼから左の尾根の南側を詰めれば、むすび穴の縁が見えてくる。




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むすび穴下部の岩場を登り上がると、いきなりむすび穴の穴の中に立つ。 066.gif

むすび穴からは、威容を誇る表妙義の岩稜が映っている。 岩穴が額縁となってバックの景色を引き立てていた。 072.gif





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新緑や紅葉の頃も良いだろうが、こうして岩の形状がくっきり露わになる時期だからこそ、地形が創る不思議なまでの絶景を味わえるのかもしれない。 045.gif

なかなか目にすることができない景色を前に、立ち去りがたい思いを断ち切って下山にかかる。




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下山ルートは、いったん45mラッペルの着地点まで戻り、南側のガレたルンゼを降る。

ルンゼはフィックスロープがベタ張りになっているが、浮石も多いので落石をしないように慎重に降ろう。 002.gif 034.gif




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尾根を越え、山腹を東にトラバースしながら進む。赤と黄色のダブルテープに沿って行けば中之獄神社まで導いてくれる。下山はルートファインディングが難しいと聞いていただけに、拍子抜けしてしまうほど分かり易いトレイルだ。

結び穴から30分ほどの下降で尾根筋にある炭焼き窯の跡と思われる場所にでる。良い目印ではあるが、樹木の根元に隠れるように存在しているので見落としやすいかもしれない。 039.gif




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とにかく東へ、東へと進み、大岩の南をトラバースしたら尾根を右に降る。さらにフィックスロープがセットされた急な尾根を左に降れば中之獄神社のすぐ西の沢に出られる。 070.gif




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フィックスロープが張られた急な尾根から沢に降りる。落ち葉が滑って歩きづらいのでフィックスロープがありがたい。 040.gif 涸れ沢を少し下れば中之獄神社の境内まではすぐだ。




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時間が許すなら、中之獄神社の上(北)に位置する“轟岩”に寄っていこう。神社へ向かう涸れ沢の左手から合流している踏み跡に入り、岩塔の下部を右にトラバース気味に登れば大きな石祠のあるリッジにでる。そこから南に君臨している岩塔が轟岩だ。狭い岩場から一段上に登り短い鉄ハシゴを登ればピークに立てる。 049.gif

轟岩は標高こそ低いが、その展望は素晴らしい。ここは、有名な石門群の陰になってしまい訪れる人も比較的少ないが、中之獄神社から近いので一般ハイカーでもアプローチし易いと思う。ただし、岩場なので足回りは適した靴で登ること。もちろん高い所が苦手な人はNGだね。 034.gif




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ピークに立つと、まず目に飛び込んでくる景色は、南側の中之獄神社とパーキング、そしてその先の西上州と奥秩父の山並みだ。 072.gif




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右回りで西側へ顔を向ければ、西上州の山々と、遠くには荒船山の特徴的なフラットな稜線が見て取れる。こうして見ると、本当にテーブルマウンテンだな~。 045.gif



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北側には、先ほどまで居た星穴岳の針峰群が見える。




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そして、その東延長には表妙義屈指の岩壁をもつ鷹返しなどがある主稜線の岩峰が続く。 005.gif 072.gif 004.gif




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県道を挟み、南東にはこちらも登山禁止となっている筆頭岩から金鶏山の稜線が見える。

轟岩から中之獄神社までは0.2kmの距離なので下山は10分とかからない。

星穴めぐりは、探検気分を味わえる楽しいルートだった。




f0308721_2365992.jpg今回のルートは、クライミングに慣れたリーダーとならハイグレード・ハイキング(バリエーション・ハイキング)とも言えなくはないが、クライミングに近い内容なので、私のブログではClimbingカテゴリーに分類した。

登りより危険が伴う降り中心のルートであり、体力や健脚自慢だけでは太刀打ちできない難しさがある。岩登りやラッペルといったクライミング要素は確かに濃い。しかし、そのようなテクニカルなこと以上に(実際、岩登りはⅢ級程度と易しい)、岩場における注意力やルートファインディングスキルが重要だ。そのような言わば実践テクニックの低いハイカーは安易に入山すべき場所ではない。 034.gif

それでも訪れてみたいハイカーはお金を払ってガイド登山すべきだ。しかし、何度も言うようだが、最後は自己責任であることを忘れずに。ガイドや行政は、サポートはしてくれるが自分の命まで守ってはくれない。“自分の命を守るのは自分”ということを肝に銘じて行動しよう。これは私自身にも言い聞かせていることで、けっして上から目線で言っている訳ではないので誤解のないように。(^_-)-☆ 040.gif



私のこのルートへの評価: 5★ 上級者向け(岩登り、懸垂下降あり)
行程距離: 約4km(中之獄神社‐見晴台‐中之岳とのコル‐西岳‐星穴岳‐射抜き穴‐結びあな‐轟岩‐中之獄神社)
標高差: 約350m
実動時間: 約6時間 (休憩込み)

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by dream8sue | 2015-12-16 01:15 | Rock Climbing | Trackback | Comments(2)