南魚沼市 ひとりぼっちの越後三山縦走 中ノ岳と駒ケ岳から紅葉の水無渓谷へ     Mount Echigokoma in Minamiuonuma, Niigata

Saturday, October 28, 2017
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越後三山縦走の3日目は中ノ岳から越後駒ヶ岳を経由し、水無川への下山ルート(十二平登山口へ)を歩く。
今回の縦走ルートの行程の中では、距離も長く、標高差は1800m、累計高低差は2000m以上の激下りとなる。

さあ、今日も長い一日になりそうだ! 101.png



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私は、前日に八海山からオカメノゾキの大キレットを越えて中ノ岳避難小屋で1夜を明かした。
中ノ岳(2085m)には北峰と南峰があり、避難小屋が立つピークが北峰で、山頂は南峰のほうである。

写真は南峰から見た北峰。 バックの青い山は越後駒ヶ岳。
前日までの行程は前項を参照してください。 




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避難小屋を日の出前に出て、小屋から10分で登れる南峰でご来光を見る。
南峰は、展望も良く、荒沢岳、平ヶ岳、尾瀬の燧ヶ岳などが望める。

ピークの南側へは、兎岳や丹後山へ、また日向山を経由して三国川十字峡へ続くトレイルがある。
こちらの十字峡への下降路は、天候が悪化した場合などのエスケープルートとなる。
ちなみに、今回も台風が接近しているので、当日の朝まで三山縦走を続行するかどうか迷った。



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中ノ岳小屋に戻り、越後駒ヶ岳の縦走路へ進む。
北峰直下の急坂を降り、山稜の右側をトラバースして展望のきく尾根にのれば、越後駒ヶ岳までの長い稜線が一望できる。

分かってはいたことだが、 “うわ~遠いな~” と、心の声がつぶやく。



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それでも、朝の稜線歩きは気持ちが良い。
左(西側)には、水無川の源頭部を挟んで御月山とグシガハナ、その水無川の先には八海山が紅葉した すそ野を広げている。



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右(東側)には、荒沢岳の鋭鋒が黒いシルエットを北の奥只見湖へ落としている。
その山容は、どこか北アルプスの槍ヶ岳を思わせるものがある。

う~ん、カッコいいな~・・いつか登ってみたい山リストに追加しておこう。 102.png
ちなみに、八海山に代えて、この荒沢岳と中ノ岳、越後駒ヶ岳を “裏越後三山” というらしい。



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すると、その荒沢岳へ向かって南から竜のような雲が流れていく。 150.png
雲は途中で横から縦に動きを変え、まさに天に昇る竜のように上昇していった。
突然現れたドラゴン・ショーに時間の経つのも忘れて見入ってしまった。
やっぱり自然って面白いね。 169.png



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その後、いくつかの小ピークを越えて行くと、やがてプチ蟻の塔渡りのようなヤセ尾根が見えてくる。
今にも崩れ落ちそうな脆いリッジである。
慎重に、素早くヤセ尾根を渡り、今度はヒノキやマツ、シャクナゲの尾根を行く。



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ここが “檜廊下” で、風雪に耐えて曲がったマツの根っこ登りとかがあり、なかなか面白いトレイルである。



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やがて中ノ岳と越後駒ヶ岳の最低鞍部である “天狗平” に着く。 
ここから越後駒ヶ岳まで300mの登り返しだ。
この辺りは風の通り道でもあり、ハイマツと低灌木が、地を這うように生えている。



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おや、シャクナゲの花がら?が花の形のままで残っている。 意外と綺麗かも。 177.png
この花がらって、摘んであげたほうが翌年も綺麗に花を咲かせるらしい。



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天狗原からは、見上げた首が痛くなるほどのカンバ平への急勾配の登りである。 140.png
気合を入れて、ぐんぐん高度を上げていくと・・ダケカンバが生えるカンバ平のピークである。



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朝から歩くこと約4時間弱、振り返って、自分の軌跡を見る。 
北面に雪を付けた中ノ岳がもうあんなに遠い。



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緩やかになった路をさらに北へ進み、平坦な湿地帯になれば諏訪平である。 
Wow! 赤い実が鈴生りだ! 八海山から越後駒ヶ岳の稜線では、このアカミノイヌスゲが多く見られる。



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諏訪平の先で、水無川へ下るグシガハナへの分岐に合流する。
ここにザックをデポし、越後駒ヶ岳を往復する。



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分岐から北の稜線をたどり右手に奥只見湖へ注ぎ込む北ノ又川の渓谷を見ながら20分ほど行くと、
越後駒ヶ岳の手前で、越後駒ヶ岳の最もメジャーな登山口、枝折峠方面への分岐を右に見る。
越後駒ヶ岳に登るハイカーの95%は、こちらのルートからであろう。

眼下には駒ノ小屋と、その東遠方に枝のように山麓に伸びる奥只見湖が見える。



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分岐から越後駒ヶ岳は目と鼻の先である。

ゲゲゲ!ピークにはたくさんの人だかりが・・・一瞬、行くのをやめようかと足が止まる(私、人の多い山は嫌いなので・・)
“でも、あと150mだしな~、一応、三山縦走ってことだしな~”・・と心の声。  141.png



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ハイカーでごったがえす山頂では、景色を楽しむことも無く、滞在時間1分で退散。 105.png



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グシガハナ分岐に戻り、一休みした後は南西に伸びる尾根に進み、グシガハナのピークを目指す。
緩やかなチシマザサの稜線を降り、雲竜ノ峰を越えて行く。 
左には水無川の源頭部の北沢の岩壁が圧巻である。

分岐から40分ほどでグシガハナ(1811m)に着く。
グシガハナは、越後駒ケ岳から南に突起したピークで、まさに三座の展望台である。



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まず、正面(南側)に、八海山が水無川を挟んで、見たくなくても目に飛び込んでくる。
前日に歩いた八ッ峰から入道岳、五竜岳への稜線・・



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そのまま東に目を向ければ、オカメノゾキの鞍部から中ノ岳までの稜線が、手の届きそうなくらい近くに見える。



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そして、振り返って北を見れば、先ほど登った越後駒ヶ岳が、今まで見えていた山容とは違う形で鎮座している。



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さて、グシガハナで展望を楽しんだら、いよいよ山麓に向けて極楽尾根~滝沢尾根の下降である。
ツガやマツ、ヒノキなどの針葉樹林の急坂から始まる。



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グシガハナから十二平登山口までは直線距離にして3km程度であるが、標高差は1300mである。
この極楽尾根~滝沢尾根がいかに急であるかが分かる。しかも、均一勾配でず~っと急坂! 143.png
針葉樹林と、見晴らしの良い岩稜歩きを交互に繰り返しながら高度を下げていく。



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やがてブナなどの生える自然林に変わると、そこは黄金の世界だった。
“力水” あたりだろうか? 今までとは、まったく山の色が違う。



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右側(北側)には群界尾根から落ちるシャープなスラブや、山腹に飛び出た岩塊などが見える。



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左側(南側)には八海山の山稜と水無川の深い渓谷が横たわっている。



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ブナ、ナラ、ツツジなど見事な紅葉だ。 やはり秋にしてよかった!  109.png



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滝沢尾根上の紅葉と、バックの郡界尾根の山麓の紅葉との二重協奏曲だ!



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こちらは単独でも十分存在感のある紅葉



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倒木がトレイル上に倒れて、行く手をふさぐ。 
その倒木を障害物リレーのように幹をまたいだり、くぐったりして突破する。 119.png



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グシガハナから1時間くらい降ったあたりで、見晴しの良いピークに着く。

右側(北側)にはモチガハナ沢などの群界尾根から落ちているいくつもの支流がある。 
それらの支流は、下流の十二平登山口で水無川本流に合流している。



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蛇行する水無川の流れが、紅葉の海の中で光っている。



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トレイルは、相変わらず急な尾根が続く。
足元では、今にでも燃えだしそうな色鮮やかなツツジなどの紅葉が続いている。



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火が付きそう! 102.png



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グシガハナから約3時間の下降で、ようやく “雪見の松” に到着。
もう膝がガクガクである。 145.png



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雪見の松を過ぎても急坂は続き、ひたすら下降する。
左下に、八海山のすそ野に食い込む笹花沢などの流れが紅葉の中に白いラインとなっている。



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ブナが多いセクションは黄葉が際立っている。



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白いブナの幹も美しい。



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だいぶ標高も下がり、ようやく水無川の川底が見えてくる。
“もう少しだ、ガンバレ!” と、自分を励ます心の声。 166.png



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そして、グシガハナから約4時間の激下りの末に、やっと十二平登山口に降り立った。
滝沢尾根は予想外の紅葉であった。でも、逆に紅葉が無ければただの激下りの尾根でもある。
膝の悪いハイカーにはつらいルートである。 



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十二平登山口の目の前の岩壁が紅く染まっていた。



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十二平登山口から水無川の右岸(川下向かって右側)沿いに林道を西に行く。
すぐにモチガハナ沢が出合い、その流れは林道の下に設けられた流水溝をつたって水無川へ流れ込んでいく。
多くの支流を抱きかかえ豊かな清流の川なのに、水無川とはこれいかに? 129.png



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林道は水害で荒廃が激しく、落石やぬかるみを避けながら歩く。 
右岸の斜面からも名の無い滝が流れ落ちている。



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左に水無川本流の美しい流れを見ながら歩く。
単調な林道歩きかと思いきや、この時季はすこぶる美しい渓流美が堪能できる林道である。 177.png



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十二平登山口から30分ほど歩くと、水無川に一際大きな流れが合流している。 
八海山の沢登りルートとして登られている高倉沢である。



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さらに下流に進むと、右側からオツルミズ沢が合流し、出合いにはカグラ滝、オツル滝の美瀑がかかっている。



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振り返って山を仰ぎ見れば、山腹にも大きな滝が見える。
オツルミズ沢の中腹にかかるサナギ滝かしら?




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渓流美を楽しみながら、1時間ほどの林道歩きで、千之沢小屋の建つ越後三山森林公園の広いパーキングに着く。
千之沢小屋は、1階のトイレの使用はできるが、2階の部屋はロックされていて泊まれない。

荒金入口(森林公園から2時間弱)から浦佐駅までバスもあるが、本数が少なく時間調整が難しい。 
根性で浦佐駅まで歩くことも考えられるが、現実的にはここからタクシーを利用するのが良いだろう。

私は、日没前だったので、森林公園からスタート地点の坂本神社までさらに1時間ほど歩いて、きっちりループにして締めくくった。
坂本神社までは金山橋を渡り、水無川左岸の自転車専用道路を歩いた。
坂本神社から浦佐駅までタクシーを利用。
浦佐駅から関東へ戻る各駅電車は、17時が最終で、それ以降の時間は新幹線のみである。
また、マイカー利用の場合も今回のループトレイルなら都合が良いだろう。

私の越後三山縦走は、大倉口(坂本神社)からの急登で始まり、八海山の楽しいクサリ場、オカメノゾキのナイフリッジと中ノ岳への藪漕ぎ、
そして越後駒ヶ岳から滝沢尾根の下降では思いもかけなかったゴージャスな紅葉が見られた。
台風シーズンの好天を狙っての単独縦走であったが、終わって見れば充実感と満足感たっぷりの山行だった。


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆ 

私のこのトレイルへの評価: 4★ 中級者向け
距離:約15.5km/ 所要時間:休憩込で約11.5時間(中ノ岳避難小屋 5:40‐中ノ岳‐中ノ岳避難小屋 6:00‐檜廊下 8:20/8:30‐天狗平9:20‐グシガハナ分岐 10:00‐越後駒ケ岳10:20‐グシガハナ分岐 10:40/10:50‐グシガハナ‐雪見ノ松 14:30‐十二平登山口15:15‐越後三山森林公園P 16:10/16:20‐坂本神社17:10)
累計高低差: 約+300m / -2000m

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by dream8sue | 2017-10-28 20:57 | 新潟県エリア | Trackback | Comments(4)
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Commented by key at 2017-11-17 18:49 x
初めまして!このブログを見つけて10日程でしょうか、楽しく読ませていただいております。
私、群馬県甘楽町に越してきて、半年ほどの、初老のものです。スーさんの西上州の記録も含めとても参考になり、また勢力的な行動に驚いております。
これからも、更新を楽しみにしております。では、失礼いたします。 key
Commented by dream8sue at 2017-11-17 21:24
key さん
初めまして! ブログを読んでいただき、コメントいただき、ありがとうございます。
群馬県甘楽町は西上州の玄関ですね。
西上州には私も主に春と秋に足しげく通っています。
小粒だけどピリリと辛い、そんな山がニョキニョキとあるお気に入りのエリアです。
きっと西上州のどこかの山でお会いするかもしれませんね。
これからもよろしくお願いします。 o(*゚∀゚*)o
Commented by pochi23 at 2017-11-19 18:11 x
三山周回、お疲れ様。
中ノ岳から越後駒の稜線は根張りで歩きにくいでしょ。私は雨で濡れた中でしたのでツルツル最悪でした。
大好きな山域なのですが、大雨の高倉沢を遡って夜のオカメノゾキを越えたこともありました。雷に当たるは、食中毒で当たるは、結構散々な目にあってます。。。でも懲りないなー。
Commented by dream8sue at 2017-11-19 21:57
Hi Pochi23,
はい、中ノ岳から越後駒の稜線のササの根は、みんな谷側へ滑り落ちているので、神経をつかいました。
このルートをトレランで走る人の気がしれません。 怖ッ! 三( ゚Д゚) ス、スゲー!

>>大雨の高倉沢を遡って夜のオカメノゾキを越えたこともありました。
高倉沢は、大雨でなくても、釜の泳ぎや夏でも雪渓登行、スノーブリッジの通過などある沢ですよね?
泳げない私には無理だわ~ ヒィィ((ll゚゚Д゚゚ll))ィィ!!!
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