日光市 足尾ジャンダルムを越えてアカヤシオ満開の中倉山     Mount Nakakura in Nikkō, Tochigi

Friday, May 4, 2018
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2018年GWの後半は、ハイカーに人気急上昇の栃木県日光市足尾町の中倉山を登った。
同行者の希望でジャンダルム越えのルートで中倉山へ登り、アカヤシオ満開の稜線を1600mピークまでお花見散歩。 179.png 056.gif 

中倉山が人気になったのは、まさにネット社会の賜物だろう。
銅山の公害(亜硫酸ガスの煙害で木が枯れるなど)で不毛の地となった場所が、
どんな形であれ人々が訪れるようになったことは良いことだ。  102.png



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<マイカーの場合>足尾ダムに隣接する銅親水公園(あかがねしんすいこうえん:栃木県日光市足尾町885)にパーキング。



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銅親水公園の北側の林道(一般車両通行禁止)の遮断機を越えて、
久蔵川を渡り、北西方向に続く松木沢林道へ進む。  070.gif 



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あら、顔の尖った犬?・・かと思ったら狐だよね~?  犬みたいに人間に寄って来る狐。 005.gif
もしかして私、狐を見るのは初めてかも・・・  039.gif



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松木沢林道を進むと、黒い砂利のようなものが山積みされている場所を通る。
ここは、胴の精錬過程で出た廃棄物の堆積場である。 
一見、砂利のように見えるが鉛や亜鉛、カドミウムなど有害物質が含まれているので、当然ここには植物は生えない。  148.png



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その先には、旧松木村の案内板が立っている。
大昔はここに村があったんだね~  147.png



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銅親水公園から1時間も歩くと、砂防ダムの飯場がある(ハイカーでも仮設トイレの使用可能)。

その先で松木沢の左岸(川の下流を向いて左側)から流れ込む支流を渡る。
前方にジャンダルムが迫ってくる。



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支流を横切り、500mほど松木沢を上流へ行ったあたりが渡渉ポイントである。
この渡渉が最初の核心。 膝丈くらいまで水に浸かって渡るが・・・水が冷たい!  106.png



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渡渉後は、目の前にジャンダルムがそびえているので、2つの岩峰に挟まれたブッシュの生えたルンゼを目指す。



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ルンゼまでは足場の悪いガレが続く。 070.gif 
浮石だらけのガレ場に、南アルプス、鋸岳の角兵衛沢から熊穴沢のループトレイル(下記リンク参照)を思い出す。
鋸岳のトレイルの方が100倍悪かったけどね。 042.gif  149.png




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ガレ場の先にある岩場の核心はこの滝かな? 
Ⅲ級くらいの岩登りで、スタンスが濡れているので緊張する。 070.gif



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滝の上では、少し登っただけなのに一気に高度感が増す。 
よく見れば、そばにはボルトが設置させた垂壁がある。



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滝上にも岩場が続く。



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ルートはいくつか取れるが、左の比較的固そうな凹角を乗り越せば・・・



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木の根元に下降用のスリングが残置させていた。
敗退用かな? 冬期登攀かアイスクライミングの下降用かな?

昔、何度もアイスクライミングで通った松木沢であるが、もうすっかり正確な場所は思い出せない。



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岩場の上部は、再びガレ場の急斜面となる。



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右上の岩場には(見る角度によっては)観音様のようなピナクルが立っている。



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ルンゼは、やがて薮となるので、藪を避けて右側の岩場を登り詰める。



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左側の垂壁が下に見えてくれば、ジャンダルム越えは終わる。



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ルンゼの最後は倒木の積まれた尾根上に出る。 066.gif  渡渉から約1時間強の登りであった。



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さて、標高的にはジャンダルムの岩場はまだまだ低い。 稜線までこの先の登りが長い。 



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植林帯から、砂防用の砂止ネットや棚を越えて、ひたすら尾根を登る。  042.gif 



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歩いてきた松木沢の林道が眼下になる。
左手の山の斜面を鹿のファミリーが走って行く。



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やがて、やや傾斜が緩やかなになると短い岩稜となるので、岩を避けながら越えて行く。

すると、その直後から空模様が急変し、あれよあれよという間に風が強まり雹まで降ってきた。
天気予報で大気が不安定なことは承知していたが、この時間にこの標高で、まさかの雹に・・ウヒョ~!  122.png



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しかし、悪天は30分もしないで終息した。
歩きづらかったザレザレの斜面も、緑の苔の絨毯に変わる。  107.png



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水分を含む緑の絨毯には、タンポポやスミレも咲き始めている。
そんな可憐な花に混じって、私の心をとらえたのが、この菌類たちだ。
美しい草花よりも、不思議な生命体に惹かれるのは何故だろう。 113.png



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花や菌類の撮影に興じていると、先を行く同行者たちが何やら歓声を上げている。
その声に導かれ、後ろを振り返れば、眼下に虹が見えるではないか! 005.gif 024.gif 

短時間の天気の変化が、今は大気と光のイリュージョンを創り出している。
自然は偉大なマジシャンだね~ 101.png



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そうこうするうちに稜線が近くなってくる。



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そして、渡渉から2時間30分、中倉山に到着。 066.gif  059.gif 早めのランチタイム休憩をする。 180.png 063.gif 

“中倉山まで来たら、この先の稜線を歩かなければもったいないよ。” と言う同行者の提案で、西側の顕著なピーク(1600mP)まで行くことにする。



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歩き出して、最初のコルに1本のブナの木が生えている。
このルートの人気の立役者、孤高のブナの木らしい。
まだ新芽を付けたばかりの、まさに黄金のブナの木だ。



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そして、ブナの木を過ぎたあたりから、いきなり満開のアカヤシオが現れる。 179.png



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GWの前半で、西上州のアカヤシオを堪能したばかりであるが、西上州のものとは少し違っている。
ここのアカヤシオは、1枝の先に2,3の花がついているので、とても密集しているように見える。 179.png 171.png



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大きなボタンザクラのようだ。 179.png 178.png 171.png



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目指すピークを見れば、松木沢側の斜面の崩れ方が目を見張る。



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風雪に朽ちた倒木が、ワニのように見えるのは私だけ? 102.png



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アカヤシオがまるで植林したかのように、並木になっている。



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北東に見える青いピークは男体山。



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右側がザレている尾根は、露岩とアカヤシオの急登である。



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尾根の左側は、針葉樹とダケカンバなどの広葉樹が生え、林床はササで覆われている。




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東の山間に皇海山がちょこっと頭を見せている。



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1600mのピークには枯れ木のケルンが作られている。 誰がよんだか通称、波平ピーク。 104.png

この先にも沢入山、オロ山、庚申山と稜線が続いている。 
健脚ハイカーは1日で越えるらしい。  三( ゚Д゚) ス、スゲー!



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我々は、次々に現れるアカヤシオに感動の嵐で、いちいち足が止まる。
波平ピークで引き返すつもりが、アカヤシオに誘われて、もう少し、もう少し先までと・・



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波平ピークの先にある、この木が、本日のヤシオ賞! 005.gif 



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花付きの良さと風格が際立って素晴らしい。 177.png



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その先の左側の斜面は、アカヤシオ林! 179.png 171.png 179.png きりが無いのでこの辺りで引き返すことにしよう。



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視界の開けた稜線歩きで中倉山までの下りも楽しい。 060.gif 



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男体山にかかっていた雲も消えて、青い頂の男体山を左手に見ながら、中倉山を後にする。



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中倉山からは、1500mのピークまで下ったら南の尾根に進む。
東側にもダイレクト尾根のしっかりした踏み跡があるので注意。 034.gif 



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一転してアカヤシオの姿は消え、ミツバツツジやヤマツツジの開花を見る。 056.gif



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このミズナラ?の大木を過ぎると、やや東に角度を変えて、急勾配でザレて歩き難いスイッチバックの路となる。 070.gif 



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スイッチバックを30分ほどこなせば、だいぶ標高も下がり、仁田元川の林道に降り立つ。 042.gif 



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仁田元川に沿って林道を東に行く。
林道の脇には、あきれるほど花付きのよいヤマツツジの群落があり、またまた道草をくう。



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ダイレクト尾根の末端まで来れば、対岸に赤倉山が見える。  足尾ダム(銅親水公園)までもう少しだ。



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過去のレポートでは、ダイレクト尾根の末端にある、この導水橋を歩いているものもあるが、現在は立入禁止になっている。
そりゃそうだよね~・・管理社会の日本だもの。 128.png



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往路の林道に合流して銅親水公園までのんびりと歩く。
林道の路肩に植えられた樹木が香りの良い白花を咲かせていた。 この花は何かな?

朝に出合った狐はどこに行ったのかな?
公害で死んだ山は、少しずつ自然を取り戻しているようだ。


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆


私のこのトレイルへの評価: 4★ 上級者向け
距離:約12km/ 所要時間:休憩込で約9.5時間(銅親水公園P 7:30‐渡渉 9:00‐ジャン越え終了 10:10‐中倉山 11:30/12:00‐1600mP‐中倉山 15:00‐林道 16:00‐銅親水公園P 17:00)
標高差: 約900m

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by dream8sue | 2018-05-04 20:04 | 栃木県エリア | Trackback | Comments(12)
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Commented by ブライト at 2018-05-12 08:42 x
こんにちは(´▽`)
魅力的なトレイルです核心部(笑)とか岩場とか
楽しそう 狐は逃げてしまうのでこんなに傍で
見たことが無いです アカヤシオすばらしい!けど
こんなに大きくなるんですね 西上州のものは岩場を好むし 大きくなってもここまで大きくなるのは
まれな気がするので驚きました
Commented by chikenji at 2018-05-12 13:21 x
中倉山は今年行ってみたい山の一つです^^
ジャンダルムがあるなんて知らなかったです。好奇心満々の自分は、すぐ「自分も行けるか?」と思ってしまいます。悪い癖ですよね(笑)
この山へ行ってみたい理由は”浪平ピーク” 動機が不純ですかね^^;
Commented by taka0129 at 2018-05-12 16:20 x
ヤマレコ記録拝見させていただきました。
足尾付近が好きで歩いているtaka0129といいます。

今回の記録のルートは以前から歩けそうかなぁ…と思ってはいたものの危険かも…との思いがありチャレンジはしなかった場所でした。見ているだけで登っているような感じ!楽しい記録でした。

以前同じように松木ジャンダルム巻いて登りましたが、もう少し下流(砂防ダムの近く)から取付きました。少し偵察に行ってこようかなぁ~なんて思っています。でも無理そうなら見るだけにしておきます。
また、記録楽しみにしております。
Commented by dream8sue at 2018-05-12 19:16
> ブライトさん
私も中倉山のアカヤシオが、これほど美しいとは知りませんでした。
機会があれば、是非見に行ってください。
秋の紅葉時期も良さそうですよ。
Commented by dream8sue at 2018-05-12 19:23
> chikenjiさん
登山地図上に波平ピークと言う名のピークは無いのですが、
google map には1600mPが波平ピークとなっていたのには驚きました。(笑)

全然、不純な動機ではないですよ。
中倉山まで登ったら、ぜひ波平ピークにも行かれることをお勧めします。
アカヤシオも最高ですが、ツツジは紅葉も綺麗なので行って損はないと思います。
Commented by dream8sue at 2018-05-12 19:29
> taka0129さん
初めまして、コメントありがとうございます。
taka0129さんは、以前からこのルートに目を付けていたのですね。
少しでも参考になれたのなら幸いです。
核心は、濡れたⅢ級の滝から上部です。 
滝の下まではガレ場歩きで行けますので、ぜひ偵察してきてください。
Commented by y at 2018-05-13 19:06 x
1990年ごろの関東の岩場(白山書房)を見てみたら足尾のジャンダルムが載ってました
中央ルンゼか正面ルンゼのような感じです

私も足尾はアイスクライミングで行ってますが岩は緻密で硬い印象です ただ浮石が怖いですね〜

それにしてもアカヤシオ見事です

Commented by dream8sue at 2018-05-13 19:59
> yさん
ルンゼの情報、ありがとうございます。
松木沢といえば、岩場というよりアイスクライミングの方がメジャーですよね。

アカヤシオと言えば西上州と思っていましたが、足尾に負けました!(笑)

Commented by 小島 at 2018-07-02 15:06 x
お久ぶりです。相変わらずいいウオーキングしていますね。
私が初めて松木沢に連れていったのは1977年だったか?
夜のうちに駐車場(右に黒い砂利のようなものが山積みされている場所)でテント泊。、
朝起きてみると緑がほとんどない、日本とは思えないような異様な景観が広がっていました。
鉱毒のために樹木は育たないので、この景観は日本の負の遺産として、永久にこのまま残るのではと思いました。
アイスクライミングより岩登り(死語)の練習に行った数のほうが多かったです。
自分で紐を通したヘキセントリックやストッパーを初めて使ったのが、松木沢ジャンダルムでした。
ウメコバ尾根では残置物なしだったので、自分の思い描いたラインを登り、ルートファインディングを覚えました。松木沢で覚えたことが私のクライミングの基礎となりました。

2011年に釣りで松木沢にきたら、緑がかなり復活してきているのに驚きました。
そして右岸に渡るのに、一度も靴を脱いだことがなかった川の水量の多さに驚きました。
この程度の緑で山が保水するのか。
懸垂下降点の樹の太さはせいぜい直径5センチ程度でした。
立派な樹になったなあ~。

今冬城ケ崎でT内さんに会いました。Sueさんがクライミングに復帰したと言われてました。
Commented by dream8sue at 2018-07-03 09:30
> 小島さん
お久しぶりです。
小島さんの時代は、岩登りで松木沢へ行かれたのですね。
私は岩登りの記憶はなく、アイスクライミングのエリアという認識でした。
松木沢は、緑化運動の成果が少しは現れてきているようですね。

クライミングに復帰したかどうか分かりませんが、今年に入ってからクライミングに行く機会が増えていることは確かです。
でも、過去に余裕で登れたルートが登れなくて落ち込むことが多いです。
まあ、今更、過去の自分を越えるクライミングはできないので、お遊び程度に楽しんでいます。
Commented by タムちゃん at 2018-10-16 15:48 x
足尾を調べていたらヒットしました。素晴らしい景色です。私も足尾大好きです。たまに寄らせてください。
Commented by dream8sue at 2018-10-17 00:01
> タムちゃんさん
訪問していただき、コメントをいただき、ありがとうございます。 <m(__)m>
公害で死の山になって久しい足尾ですが、復興と再生のモデルケースになってほしいと願っています。
タマちゃんは栃木の山々を精力的に登っていらっしゃいますね。
私もたまにのぞかせていただきます。
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