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前橋市 赤城山の沼尾川源流はオタカラコウの群生地     Stream Climbing in Numaogawa, Maebashi, Gunma

Monday, August 6, 2018
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2018年の夏は、暑さで死者が出る殺人的な猛暑となっている。
この暑さでは、赤城山(黒檜山 1,828 m)程度の標高で尾根歩きしてもさほど避暑にはならないと思われた。
そこで、2016年に鈴ヶ岳に登った際に迷い込んだ?沼尾川を遡行してみることを思いついた。
尾根を歩くより、沢の中を歩く方が、いくぶん涼が得られるのではないだろうか。

鈴ヶ岳から北面へ下ると関東ふれあいの道があり、出張峠経由で大沼へ出ることができる。
その途中で沼尾川を横切るのだが、昔はその沼尾川に沿って大沼に続く路(廃道)があったようだ。
2016年の時は、判然としない路は途中から完全に消滅していて引き返す羽目になった。

今回は、避暑を兼ねた沢登りであるが、その時の中途半端なルートをクリアにしたい想いもあり、単独でのチャレンジとなった。
だから正直、廃道探険なのか沢登りなのか微妙なところであるが、トレイルと思えるような路は無く、
沢靴履いてジャブジャブ沢の中を歩いたので沢登りとしておく。

2016年の鈴ヶ岳の様子は下記リンク参照。





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<公共交通の場合>
JR両毛線の前橋駅から路線バス(関越交通)で富士見温泉行きに乗り、
終点の富士見温泉で赤城ビジターセンター行きに乗り換え、 “湖尻厚生団地入口” バス停で下車。 

ちなみに、赤城山直通バス(4/1~10/31土日祝運行)もあるので、それらをうまく利用しよう。



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バス停から三差路を北西へ0.5kmほど行けば大沼に出る。



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湖畔をさらに300mほどで用水取水口がある。 
いつもならこの取水口に大沼の水が流れ出しているのだが、猛暑のせいか?全く流れていない。 

沼尾川の源は大沼であるから取水口がゴールである。 え!もう終わり?
いえいえ、ゴールを確認したところで、ハイキングトレイルで沼尾川の下流へアプローチする。



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取水口の前で、湖畔周回道路と分かれて、東毛林間学校方面へ曲がる。
左折してすぐに赤城山大洞下水処理場がある。 遡行の最後はこの施設の敷地内に出た。



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道端にはゲンノショウコウやコバギボウシ、シシウド、ホタルブクロ、イケマなど夏の草花が花盛り。 この花は何だろう?



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くるくるのしっぽ付きのパープルの花が群生している。 
初めてみる花で、後で調べたら カリガネソウ という多年草の花だった。



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東毛林間学校の少し手前の三差路付近は マルバダケブキ の大群落だった。



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また、三差路を右に少し行った所に フジアザミ の群落があることを知っていたので、
もしかすると咲いているかと思い寄り道してみた。 が、さすがにまだ蕾だった。



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さて、お花見が済んだところで、やっと(って、バス停から約1kmだけど)東毛林間学校の前からトレイルに入る。
トレイルは、関東ふれあいの道というバブルの温床がもたらした有難~い道?である。



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登山口から10分で出張峠に着く。 そこから左へ、階段状の坂道を標高差300mほど降る。

ちなみに、出張峠を右に行けば、大沼の北西に位置する出張山~薬師岳~陣笠山という外輪山の縦走路(下記リンク参照)である。




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自然林から、やがてカラマツ林になり、 “まだ降るの~?” って思うほどの一気下りである。
が、トレイルの脇には キオン(写真左)や ヤマジノホトトギス(写真右)、先ほど見たカリガネソウなどの花が見られる。



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そして、下りきった所が沼尾川の二俣地点である。 
ここで沢靴に履き替えて、本谷である右俣沢の左岸にうっすらとついた踏み跡(おそらく廃道の路)をたどる。

沢登りでは “右岸 or 左岸” という場合は、川の下流を向いて 右側が右岸、左側が左岸である。 



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しばらくは、左に沼尾川本流を見ながら、苔生した大木の生える森の中を行く。



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木橋から300mほどで、渡渉ポイントらしきところにでる。 
対岸へ続いていた踏み跡もその先で消えている。 旧道はやはり消滅しているようだ。

2016年の時も このあたりで敗退している。
仕方がないので、この渡渉ポイントらしき所から入渓する。 



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入渓してすぐにゴルジュ帯となり、前方に滝が見えてくる。



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この棚状の滝は右側から登れそうなのだが逆層の細かいホールドで、おまけにフットホールドが高い位置にあるのでムズイ。
単独ということで怪我でもしたらアウトなので、さっさと高巻くことにする。



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右岸から低く巻いて棚状の滝の上にでると、上流にもチョックストーン滝があった。
これも右岸の際どい踏み跡をたどって巻く。



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滝を巻きながら、右岸の斜面に咲く レンゲショウマ を見つけ、その美しさに思わず笑顔になる。 
夏の低山って魅力に欠けることが多いが、この花だけは夏限定でお目見えする女神だね。



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また、レンゲショウマのせいで、その存在が霞んでしまったが タマガワホトトギス も綺麗に咲いていた。



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程なく8mくらいの黒い直滝が現れる。 



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滝の岩壁にへばりつく様に咲いているのは、こちらも夏の沢ではよく見かける イワタバコの花。



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直滝は登れないので右岸を高巻く。 直滝の上もゴルジュ帯が続いてる。



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右岸のグズグズのルンゼに取り付き、ルンゼの途中から右のリッジにトラバースする。
リッジから、本谷側は絶壁で降りられないので、リッジ上の5m程の岩場を直登して、下降ポイントを探る。



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右岸の急斜面の悪いトラバースを慎重にこなし、右下の深そうなゴルジュをのぞき込む。。 
立木でラペルすれば谷底に降りられるが、その先にどんな滝が潜んでいるかわからないので、そのまま高巻く。



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この高巻きでも レンゲショウマ の群生を見る。 よく見れば、対岸の斜面にもたくさん咲いているではないか!
まさか、こんな所でレンゲショウマの群落を見られるとは思いもしなかった。



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ゴルジュ帯が終わると、ボルダーが行く手をふさぐ渓相となる。



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ボルダーがせき止めた釜には魚形が見られる。 魚名は何だろう? 警戒心の強い動きの俊敏な魚だ。



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ソバナの花もあちらこちらに咲いている。



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やがて、右から枝沢を分け、ゴーロ―歩きと小滝登りとなる。



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5mのトイ状滝は流水通しに登り、思いっきり水を浴びる



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濡れついでに、その上の大きな釜をもつ滝も、腰まで水に浸かって水際をへつる。



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すると、滝場は終わり第1堤防が現れる。 ここからは川幅が広がり単調な河原歩きが始まる。



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右岸のかすかな踏み跡を追えば、キノコを発見! 毒かな? 毒だろうな~?



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第2堤防の上は オタカラコウ が群生する池となっていた。



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その先で二俣になるが、右俣は白樺牧場方面からの豊富な流れがあり、思わず右俣へ進みたくなる。
が、大沼まで詰めたいので、すっかり水量の少なくなった左俣へ進む。



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第3堤防は目から赤い涙を流している。



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第3堤防の上流は、オタカラコウの畑状態!



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さらに流れがゆっくりになった沢筋を行けば、周りの山腹はシダ類で覆われている。



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私は愛の難破船・・♪



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第4堤防は、無残にも壊れかけている石垣堤防。



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源流部は蛇行しているので意外と長い河原歩きとなるが、最後までオタカラコウが咲く水流花園だ。

右にコンクリートの側壁、左にガードレールが現れれば遡行も終わる。 
沢筋の最後は藪に覆われているので、左のガードレールに登る。 と、そこは下水処理場の敷地内だった。



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下水処理場の門を横から通りぬけて、大沼の湖畔に出る。


遡行は約2時間と短い沢であったが、直登不可能なゴルジュの険相やボルダーに小滝、
レンゲショウマ に オタカラコウ と言った花ロードと変化に富んでいて、なかなか面白かった。

単独の沢登りということで、ちょっぴり adventurous で exciting な時間だった。
赤城山は、地元の山であるが、まだまだ知らない面があることに気づけた山行だった。


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆ 


私のこのルートへの評価: 4★  沢登り 初級者向け  
距離:約5.5km/ 所要時間:休憩込で約4.5時間(厚生団地入口バス停 8:45‐関東ふれあいの道入口‐出張峠‐9:35‐沼尾川入渓点 10:05/10:30‐大沼 12:40/13:00‐厚生団地入口バス停 13:15)


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by dream8sue | 2018-08-06 04:07 | SC 群馬県の沢 | Comments(4)
Commented by nao at 2018-08-11 12:51 x
沢登りでしたね。ゴルジュあり、滝あり、釜あり、樋あり。2年前に廃道に入りこんだ時は、ただの川原歩きかと思っていましたが。一人で抜けてくるとは…。ロープは持っていかなかったんでしょう?無事に帰ってきて何よりです。
Commented by ブライト at 2018-08-13 00:34 x
こんにちは(。´∀`)ノ
バリエーション+沢だったんですね マイナールートを攻めますな 私は愛の難破船・・♪ワタクシ明菜世代…(;゚∀゚)です
Commented by dream8sue at 2018-08-13 01:19
> naoさん
2年前の忌まわしい記憶を払拭してきました。(笑)
国土地理院の地図には今でも廃道が記載されていますが、本当に沢筋・・というか、ほとんど沢の中を歩く路になっています。
なので、必然的に沢登りになるようです。
でも、高巻きも結構悪かったので、こんな道は廃道になって正解です。
沢登りなら妥当ですが、一般登山道だとしたら危険極まりない路です。
Commented by dream8sue at 2018-08-13 01:23
> ブライトさん
家族サービスはできましたか?
ここ数年、廃道探険がマイブームになっています。
愛の難破船は、青木旅館の難破船でした。(笑)

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