奥秩父 笛吹川東沢鶏冠谷右俣で沢納め     Stream Climbing in Tosakadani, Chichibu-Tama-Kai National Park

Monday, September 17, 2018
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今年2018年の5月に奥秩父の鶏冠尾根を登った際に、尾根取り付きに流れる鶏冠谷の美景にふれた。
その時に、夏の陽射しのもとで、この沢を登ってみたいと思った。

1度は計画するもメンバーが集まらず流れてしまい、夏の陽射しの弱まる初秋になってようやく実現した鶏冠谷の遡行である。

新緑や紅葉シーズンには多くのハイカーで賑わう笛吹川の西沢渓谷であるが、
西沢渓谷遊歩道の二俣吊橋から分岐して北上しているのが東沢である。
鶏冠谷は、その東沢に注ぐ沢のひとつで、同じ流域の釜ノ沢と並んでナメの美しい沢である。


専門用語になるが沢登りの記事では、右岸、左岸と言った場合は、自分が向かう方向とは関係なく、必ず川下に向かって右側が右岸、左側が左岸と書かれている。
ただ、ハイカーが書くブログなどでは、上記の意味ではなく(知らずに)書かれている記事も見受けられるので留意しておこう。
 



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西沢渓谷へのアクセスや、東沢鶏冠谷出合までのアプローチは、下記の鶏冠尾根の項を参照してほしい。

東沢の河原で渓流シューズに履き替えて東沢に入渓し、鶏冠谷出合(鶏冠尾根取付き)に向かう。
木の幹に付けられた “鶏冠谷出合” の標識の奥には、薄暗い鶏冠谷が口を開けている。

奥秩父 鶏冠山から木賊山へシャクナゲロードを行く     Mount Tosaka in Chichibu Tama Kai National Park




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出合から鶏冠尾根に登るトレイルを左に分けて、いきなり連続して現れる小滝を越えて行く。



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程なく 魚留の滝10m が現れる。 魚留の滝の右壁を登っているレポートもあるが、落口あたりが手ごわそうだ。 



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ここは左岸を小さく巻く。 フックスロープがあるが、足元が滑り易いので要注意。 034.gif



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小滝を越え、しばらくゴーロが続くと右岸から涸れた 飯盛沢 が出合う。



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やがてゴルジュとなりナメと小滝が連続するようになると、右岸から細い流れの 奥飯盛沢 が落ちている。



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すぐに 3段12mの滝 が現れるので右側から越えて行く。



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その先には、核心部となる 逆くの字滝15m が現れる。
降雨の後だけに水量は多めで、屈折点で跳ね上がる水が迫力ある流れとなって落ちている。



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支点は取付きも終了点も残置のハーケンが乏しいので、ハーケンやカムで補強して支点構築した。

私は、この滝はロープ確保してもらって、お助け残置スリングのお陰で、やっと越えられた。
この残置スリングが無かったら、こんなツルツルの滝は登れません!   O(*≧д≦)o No way!! 



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Oh My Gosh!  逆くの字滝の上流は、見るも無残な土砂崩れの現場と化していた。
ザレた斜面は、さらなる土砂崩れを起こしやすいから、いずれ流れが変わるほどの土砂で埋まってしまうかもね。 140.png



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その後は、二俣手前までゴルジュ帯に美しいナメや小滝、淵が続く。



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Y字というかV字の滝は、釜が深そうだったので(真夏なら釜に入って突破するが・・)左壁のバンドから巻いて越える。



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滑り易い小滝を越えれば・・・



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・・やがて二俣に到着。 左俣出合に陽射しが当たっている。 陽射しが嬉しくて、しばし休憩する。 063.gif 



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さて、いよいよ鶏冠谷右俣の始まりであるが、いきなり険悪なゴルジュの中にかかる25m滝はとても登れそうにない。 046.gif

左右どちらからでも巻けるようだが、右岸はかなりの大巻きになるようなので、左岸を巻くことにする。
前衛小滝の前から左岸の薄い踏み跡を追って、滝の落口を目指し左方向へ急斜面を登れば、(懸垂下降の必要はなく)滝上に降りられる。



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その後、右俣は狭いゴルジュ帯に小滝がかかる美しい渓相となる。



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ゴルジュの上部には、右壁に倒木が立て掛けられた滝がある。



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この滝の右壁はすこぶる滑り易いので、支えになる倒木がありがたい。 
“死んでも君を離さないぞ” という愛のささやきと共に、倒木に思いっきりしがみつく。 037.gif



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そして、その先に現れたのが ゴーゴーと雄叫びを上げて流れ落ちる30mの瀑滝。 005.gif  



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滝の右側に回り込み右壁を登る。 横顔が美しい。



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しかし、滝下のトラバースは、もろに放水射撃を受ける。 ヒィィ((ll゚゚Д゚゚ll))ィィ!!!



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中段のブッシュでセルフを取り、草付きの右壁をロープ確保して登る。 途中に残置ハーケンあり。



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30mの瀑滝の上流域は、明るい雰囲気のナメと小滝の連続。



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陽射しが当たるようになったので、全身に水を浴びてナメ滝を登り、去り行く沢シーズンをちょこっと楽しむ。 060.gif 



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一枚岩のナメ床はユニークな模様とカラーに変化して、遡行の楽しさを2倍にしてくれる。  060.gif 



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陽当たりの良い上流域には、ダイモンジソウ(写真) や トリカブト の花も咲いている。 056.gif 



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尾根がだいぶ低くなってきたが、まだまだ小滝が連続して現れる。



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やがて、前方が開け戸渡尾根のザレ場が見えてくる。 

左に支流が入っていて、奥には12mくらいの滝が見える。 
左の沢の方が川床が低いので本流かと勘違いしてしまったが、本流は水量の多い右沢で良いようだ。 034.gif 



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さらにいくつかのナメ滝を越えて行くと、沢が大きく左にカーブしている。 
この先に40m大滝があったようだが、私達はカーブの手前で遡行を打ち切り、尾根に取り付き戸渡尾根を目指した。



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戸渡尾根への詰めは、シャクナゲの藪漕ぎと聞いていたが、思ったほどの藪漕ぎにはならなかった。
薄い踏み跡を探しながら、右(東)へ右へとトラバース気味に登っていったら、30分程で尾根にでた。

この間もキノコがあちらこちらに顔を出していて、踏み跡を探しながらもキノコ撮影に忙しかった。 102.png



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戸渡尾根を15分程降って徳ちゃん新道の分岐に着く。 今回は徳ちゃん新道ではなく近丸新道を降る。



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近丸新道は、始めはシャクナゲの尾根で、次第にブナやナラの木などの生える自然林の中の急下降となる。



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約1時間の急下降の末に、ヌク沢の二俣に降り立つ。 



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ここでヌク沢本流の橋が流されていたため、渡渉ポイントを探し廻った結果、堤防直下を飛び石で渡った。

ちなみに、こんな大きな堤防がかかるヌク沢ではあるが、上流に大きな滝があり沢登りの対象となっているようだ。



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渡渉ポイントには、こんなに美しい バライチゴ の花がしぶきに濡れながら咲いていた。 056.gif 



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渡渉後、山腹を巻くようについているトレイルには、
倉庫のような小屋跡があったり、鉱車が転がっていたりして、昔はここに鉱山があったことを忍ばせる。



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近丸新道は荒れている。  008.gif 



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小沢を2つほどトラバースすると、突然、古いレールが現れる。 採石軌道の廃線跡だろう。 034.gif 



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延々と続く廃線跡と、ザレた斜面のトラバースを繰り返しながら下降する。

そして、徳ちゃん新道分岐から約1時間40分、ようやく近丸新道登山口に到着。  042.gif 
後は、西沢渓谷の遊歩道を約20分歩けばパーキングである。


鶏冠谷右俣は、ナメと小滝が連続する美渓で、ほどほどに難しい大滝もあって楽しめた。 060.gif 
この日、巻いたのは、出合の魚留の滝と、二俣先の25m滝の2つ。
核心は、逆くの字滝の残置スリング帯だった。


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆ 


私のルートへの評価: 4★ 2級
距離:約14km/ 所要時間:休憩込で約9.5時間(西沢渓谷P 6:00‐鶏冠谷出合 7:00‐二俣 9:30‐30m滝上 10:45‐戸渡尾根展望地11:40/12:15‐尾根取付き 12:50‐戸渡尾根 13:20‐徳ちゃん新道分岐13:30/13:35‐近丸新道登山口 15:15‐西沢渓谷P 15:35)
標高差: 約850m

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by dream8sue | 2018-09-17 20:08 | Stream Climbing | Trackback | Comments(0)
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