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安中市 妙義山の古典ルートを登る 木戸壁右カンテ・木戸前ルンゼ     Rock Climbing at Kido in Mount Myōgi

Sunday, November 25, 2018
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国の名勝であり、日本三大奇景のひとつである妙義山は、妙義湖(中木ダム)を挟んで表妙義と裏妙義に分かれる。
裏妙義のシンボルと言えば、山頂にT字形の岩があることで知られる丁須の頭がある。

そして、丁須の頭へ妙義湖側から登るトレイルが籠沢コースで、そのトレイルの途中に木戸壁という岩峰がある。
木戸壁は昔(40年くらい前)、地元のクライマーに登られた後は、久しく登られることが無かった。
しかし、近年になってリボルトされてからは、ちらほらと登るクライマーがいるようだ。

私も木戸壁周辺のルンゼ(木戸ルンゼ・木戸前ルンゼ)などは、よくアイゼントレーニングで登った記憶があるが、木戸壁自体は登ったことが無い。
そんな木戸壁に、新人のマルチルートデビューに付き合って登る機会があった。



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<マイカーの場合>
登山口と木戸壁へのアプローチは、丁須の頭と同じ旧裏妙義国民宿舎からなので、下記のリンクを参照してほしい。
“安中市 妙義山 籠沢から登る冬の丁須の頭     Mushroom Rock “Chosunokashira” in Mount Myogi”





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旧国民宿舎から紅葉した籠沢のトレイルを歩くこと約30分で、右手に木戸壁が迫ってくる。
右カンテルートの取り付きは、木戸壁の前の平坦地から、基部がえぐれた洞穴状の壁に沿って一段上がった所。



【木戸壁 右カンテルート】
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1P目:Ⅲ級 15m  妙義山特有の球体状のホールドがたくさんあるフェイスを直上し広いテラスへ。
この球体状のホールドは、ガバホールドであるが、時としてポロっと欠けることがあるので要注意。 034.gif



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2P目:Ⅳ級 20m フェイスから被り気味を回り込んで、ラインの左よりテラスへ。



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3P目:Ⅲ級 20m フェイスからリッジを登って、松の木テラスへ。
私達は2Pと3Pをつなげて、1P目のテラスから一気に松の木テラスまで登った。



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右横には木戸前ルンゼを挟んで針峰がニョキニョキ。 005.gif



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3P目を登るSue 。 壁はすこぶるフリクションが良くグイグイ登れて楽しい。 060.gif  



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松の木テラスのビレイポイント。



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松の木テラスの松の木にラペル用と思われる残置スリングがあるが、セット場所が悪いので私達は使わなかった。 046.gif 



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4P目: Ⅳ級 30m  右上バンドからカンテに回り込んで直上、さらに右上してスロープ状のテラスへ。

ラペル時のロープ回収で、このカンテでロープがスタックする可能性があるので短くきって下降する方が無難である。
私達は、このピッチは60mのシングルロープを使ったが、ビレイポイントまで30mいっぱいなのでスッポヌケ要注意。 034.gif 



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横に見えていた針峰が眼下になり、実に高度感のある爽快なルートである。



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針峰の上方には、次に登る木戸前ルンゼ(左のルンゼ)の全容が見えてくる。



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5P目: Ⅲ級 15m  階段状のフェイスを登って肩の安定したテラスで終了。
テラス上の壁は脆そうでルートは無い。 046.gif 

昔はテラスから先のルンゼを直上して、木戸前ルンゼ裏沢に下降していたようだ。
しかし、現在は藪が発達しているので、各ピッチのビレイポイントを繋いで登攀ルートをラペルする。



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右カンテルートには、初登時に打たれたと思われる工業用ボルトがいくつか残っている。

059.gif 右カンテルートの所要時間は、登攀と下降で約3時間。



【木戸前ルンゼ】
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さて、ランチ休憩後は、木戸壁の右側(東)に食い込んだ木戸前ルンゼを登る。
出合いからすぐに、わずかに水量のあるスラブ状のF1が現われるので右岸(下流に向いて右側)をフリーで登る。



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その先は広いゴーロ状なので、登り易いところを適当に登る。



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ルンゼが狭まってくると、顕著なチョックストーンが現れる。



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ここは右岸をヘツって越えて、 チョックストーンの上でアンザイレン。



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1P目:Ⅲ級- 50m  右岸のスラブ状フェイスを灌木の生えるテラスまで登る。

過去の記憶では、この沢はいつもアイゼンを履いて登っていて、今回はアプローチシューズのままなので、
“こんなに易しかったかな~・・ロープいらないじゃん!“ なんて舐めたことを思うほど楽に登れた。 060.gif  



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2P目: Ⅲ級 20m  イワヒバの生えるスラブからスロープ状のテラスへ。



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3P目: Ⅲ級+ 20m バンドを右トラバースして、やや傾斜のあるルンゼを登り立木テラスへ。



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4P目: Ⅲ級 40m  幅広のルンゼを右に登ってから左上、または左の灌木混じりのフェイスを直上。



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最後は小さなコルに立ち登攀終了。



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コルからは、南側にゴジラの背のような表妙義の稜線が見える。

バックには丁須の頭が意外な近さで見えるが、何やら歌声?が聞こえる。
後で知ったが、この日はジャニーズのロケがあり一般ハイカーは締め出されていたようだ。
たかがTV企画?ごときに山を独占する権利があるんかい! いい迷惑だ!  033.gif 
しかも登山者で賑わうことが予想される3連休にロケするなんて、山で金儲けするならそれなりの配慮をしたらどうかと思うのは私だけ?



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下降は、右カンテルート同様、かつては木戸前ルンゼ裏沢を降っていたが、
こちらも同ルートをラペルで下降できるように整備されている。

コルから立木テラスへ1度ラペルし、 2度目のラぺルは、2Pと3P をつなげて50mいっぱいのラペルで灌木の生えるテラスまで一気に下降する。



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白矢印は2P目のスロープ状のテラスにあるビレイポイント。



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灌木の生えるテラスから、3度目のラペルでアンザイレンテラスへ。 
さらに、フリーで登ってきたチョックストーンの滝も念のためにラペルで下降。
その後はロープ無しで、F1も右岸から歩いて降れる。

059.gif 木戸前ルンゼの所要時間は、登攀と下降(若干の先行パーティーの時間待ちあり)で約2.5時間。



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木戸壁の右カンテルート、木戸前ルンゼ共に新人のマルチのロープワークの練習に最適である。
今時、Ⅲ級とかⅣ級のマルチルートの存在は貴重かもしれない。
フリクションは良過ぎるくらい良く、周りに針峰が林立したロケーションの中で高度感も抜群である。 049.gif


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆ 


距離:約3km/ 所要時間:休憩込で約8時間(旧国民宿舎P 8:00‐右カンテ取付 8:30‐右カンテ登攀&下降 9:00/12:00‐木戸前ルンゼ登攀&下降 12:40/15:00‐旧国民宿舎P 16:00)
標高差: 約300m


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by dream8sue | 2018-11-25 20:03 | 群馬県の岩場 | Comments(2)
Commented by y at 2018-11-30 19:19 x
お疲れさまでした
丁須の頭は、ジャニーズの撮影でしたか
気がつかなかったのだけど前日から案内板に撮影がある旨の張り紙があったようです(ヤマレコの記録でみつけました)
その張り紙の文句(撮影のため一時的に丁須の頭に登頂できなくなります、、、ご協力云々)がちょっとイラっときました


Commented by dream8sue at 2018-11-30 20:31
> yさん
そうですよね~ 一般登山者だって、貴重な休日に時間を作って来ている人もいるだろうし。
ましてや、丁須の頭は死亡事故多発の高難度ルートで、それなりに気合を入れて登頂を狙っているハイカーもいるでしょう。

それを一方的に(当たり前のように)ご協力くださいの一言で独占するのはいかがなものかと思います。
まるで協力するのが当たり前の前提で、協力しないのが悪者みたいになる。
ましてやTVなんてのはコマーシャル活動(営利目的)なのですから、せめて日を選んでほしいですね。

私なら、ロケ中だろうが気にせずに、ジャニタレの脇をすり抜けて丁須の頭に登って、“ヤッホー“ と大声で叫んでやりますよ。(笑)
まあ、空気を読む日本人にはできないでしょうが、私、空気読めないので。。hahaha
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