安中市 妙義山の奥座敷 寒風の大黒岩から大烏帽子     Daikoku Rock in Mount Myōgi

Sunday, December 9, 2018
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関越自動車道で軽井沢から松井田へ向かう途中に、一際目をひく高岩という切り立った岩峰がある。
その高岩と入山川を挟んだ対角線上に大黒岩という岩塔があることはあまり知られていない。
さらに大黒岩の延長上には大烏帽子があり、南へ小烏帽子、ジャンクション岩稜と続く。

また、裏妙義と言えば丁須の頭を中心としたエリアで、せいぜい妙義山系最高峰の谷急山くらいだろう。
その谷急山からさらに南へ大黒乗越を越えて、まさに妙義山の奥座敷とも言えるこのエリアを歩く発想はなかった。

今回、どうしても大黒岩へ行きたいというメンバーの発案で大黒岩と大烏帽子を登ることになった。
折しも、今年一番の寒気の到来で、上信越国境の山々に寒風が吹きぬける悪いコンディションであった。  143.png


このルートは一般登山道ではありません。   
入山に際しては読図や登攀技術など未整備のルート歩きの経験が必要であることを留意してください。




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<マイカーの場合>
国道18号線を軽井沢方面に向かい、JR横川駅を過ぎて4kmくらい走り県道92に入る。
入山川に沿って南へ約4km走ると、恩賀へ行く手前に下平集落の神社(正八幡大神)がある。
この鳥居の前に2~3台のパーキング可能。



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鳥居から参道に入り、長い階段を登り神社の脇から沢の右岸(下流に向いて右側)を登る。 
途中で鉄橋の架かる林道に出るが、気にせずそのまま右岸伝いに行けば、スタートから30分くらいで二俣に着く。
二俣を分ける尾根(下降はこの尾根)の取付きには崩れた炭焼き跡と、コブ付きの大きなブナの木があるので良い目印となる。



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二俣で左の涸れ沢に進み、上流のスギ林の中から左の尾根に取り付く。



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スギ林の間から大黒岩のシルエットが見えてきた!  005.gif 



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俄然モチベーションが上がる。・・が、急すぎる斜面に足は上がらない。 008.gif 



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息を切らせながら急登をこなし尾根に這い上がる。 熊のフンが散乱するヤセ尾根を大黒岩へ向かってひたすら登る。



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最後は熊のように四足歩行になりながら、根元がえぐれた大黒岩の西側基部にたどり着く。 042.gif 

大黒岩は、大きな地震でもあれば倒れてしまうのではないかと思えるほど脆く頼りない岩塔に見える。
当然、大黒岩自体は岩というより砂礫の塊のような極めて脆い岩なので登攀は不可能。  046.gif 



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大黒岩を左回り(北側巻き)で東側のリッジに乗る。



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リッジの東端は深く切れ落ちていて先へは進めないので、南壁側をラペルして、大烏帽子の北西稜(西稜?)に取りつく。
南壁側の下降ポイントは、いくつかの選択肢があるが、私達は東端から10mくらいの短いラペル(青線)をして、下部は一気に20mの空中懸垂(赤線)をした。



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南壁の下部にはスギの木が生えていてロープが杉の枝に引っかかるのでトップは空中停止してロープをさばいた。  038.gif 
懸垂ポイントをもっと西にとり、杉の木を避けることも一考できるが、上からでは下部の様子を探るのもなかなか難しい。 039.gif  



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大烏帽子の北西稜に取りつき、ラペルした大黒岩を振り返る面々。



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 北には谷急山と大黒乗越方面に立つ針峰が展開している。  005.gif  



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北西稜に進むと、すぐに第1岩峰が現れる。 
ザレザレの浮石だらけの斜面を登って壁の基部から左側の岩場を越えて裏側(北側)へ回り込む。

取り付きのザレ斜面は、極めて悪い浮石帯なので、猫のように静かに、素早く歩く歩行技術が必要。
クライミングのように足先に重心を乗せて地面を刺激しないようにそっと歩かなければならないので、
足首の固い、靴裏全体でドカドカ歩くような登山靴は西上州のような脆い岩場のエリアには不向きかと思われる。  039.gif 



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第一岩峰を登りながら振り返れば、先ほどの大黒岩が目線の先にある。

手前の台座の端は、地面が削げ落ちた断面がむき出しになっている。  008.gif 
あのナイフのようなリッジの上からラペルを開始したことになる。 



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第1岩峰の尾根を越えて続く第2岩峰の北側も悪いので、下手に岩壁をトラバースするより下部のルンゼに降りたほうが安全と思い、ここでも2回のラペルとなる。
第1岩峰のリッジから15mほど斜め懸垂(赤線)してトラバース(青ドット)。 さらにルンゼに20mのラペル。



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ルンゼ内も岩盤の上に落葉の積もった不安定なものなので、
ラペルロープをセットしたまま振り子トラバースして足場を安定させてからロープを外し、対岸の尾根に登り返す。



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続く第3岩峰を左から巻き(ここも悪いトラバースなので念のためフィックスロープを張った)、第4岩峰の基部リッジに乗り上げる。
第4岩峰周辺は岩の要塞! 005.gif   リッジから右(西面)へ短いラペルで下降して、さらに右へ回り込む。



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小リッジから今度は南面をトラバースするが、出だしの一歩が嫌らしいので、ここもフィックスする。



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南面トラバースの先で、ようやく大烏帽子から落ちる西稜に合流する。
西稜も踏み跡皆無の急尾根を立木につかまりながら登る demanding な尾根である。  042.gif 



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息をきらせながら標高を上げ、ちょっとした岩場がでてくるあたりが、このルートの一番の展望台。 177.png  174.png



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眼前には、南面にいくつもの岩塔をもつ谷急山がその胸板を広げている。
ちなみに、私はこの翌日に谷急山を北稜から登っている。



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谷急山の北東には裏妙義の丁須の頭から烏帽子岩(下記リンク参照)などの岩峰が見える。




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展望の良い岩場を越えてヤセ尾根を登ったピークから右(南)へ伸びる尾根が小烏帽子へ続く山稜で、分岐の薮にビールの缶が掛けてある。 167.png
この日は寒くてビールの缶を見ても飲みたいとは思わなかった。 って、いうか~、その前にゴミは持ち返ってね~  034.gif 



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そして、さらにその先のピークが大烏帽子(1072mピーク)である。 が、山頂は藪に覆われていて展望はない。
風下の落葉の斜面に腰を下ろし、本日初めてのまともな休憩を取る。 063.gif 



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休憩後は、第4岩峰からのトラバース地点まで戻り、そのまま西稜を降る。
特に悪いところは無いが、途中で尾根が分かれるので右の尾根にトラバースすること。  034.gif 



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その先のヤセ尾根の途中に大黒岩がよく見える場所がある。  目の前に大黒岩、左に高岩(下記リンク参照)、バックに浅間山の3ショット 




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里を見守る大黒様のようだね。  037.gif 



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最後はやや急な斜面となり足を踏ん張りながら降れば、壊れた炭焼き跡(コブ付きのブナの木がある所)に着く。  042.gif
ここからは、沢の右岸から神社まで往路を忠実に戻る。

冷たい風の吹く中での藪岩ハイキングであったが、葉が落ちたこの時季の方が藪岩は見通しが良い。
たった4kmという短い距離とは思えないほどの疲労感である。 

全身運動だけではなく、一歩一歩の足の置き場まで神経を研ぎ澄まし、ルートを探す面白さはただのハイキングでは味わえない。
先の読めないバリエーションルートでは、日没までの限られた時間内でパーティー全員が効率よく登ることの重要性を考えながら行動しなければならない。

藪岩ハイキングには、本格的なアルパイン登山や冬山に通じるパーティー登山の基本要素が含まれている。
今回の藪岩は、そんなことを実感した登山だった。


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね (^_-)-☆ 


私のこのトレイルへの評価: 4★ 上級者~熟達者向け
距離:約4km/ 所要時間:休憩込で約7時間(神社鳥居前 8:20‐二俣 8:50‐大黒岩 9:20‐北西稜第1~第4岩峰‐小烏帽子分岐‐大烏帽子 13:00‐小烏帽子分岐‐二俣‐神社鳥居前 15:20)
標高差: 450m

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by dream8sue | 2018-12-09 14:38 | 群馬県 西上州エリア | Trackback | Comments(0)
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