支笏洞爺 苔の回廊から登る樽前山と風不死岳（後編） Mount Tarumae & Fupushidake in Shikotsu-Tōya National Park

Sunday, July 21, 2024

10年ぶりに訪れた北海道のアクティビティーは　
支笏洞爺（しこつとうや）国立公園　に属す　樽前山　と　風不死岳（ふっぷしだけ）　へのハイキングで始まった。

支笏洞爺国立公園は、北海道南西部に位置し、名前の通り支笏湖と洞爺湖を中心として　樽前山、有珠山、昭和新山、羊蹄山　など多くの火山がある。
今回は、活火山の　樽前山　と　風不死岳　の2座を1日で登るハードな山行となった。

また、風不死岳の東面には　苔の回廊（楓沢）　と呼ばれる興味深いゴルジュがあるので、そのルートから稜線に出た。


登山口へのアクセスや苔の回廊から樽前山の登高は　前編　をチェックしてね。



苔の回廊を登り樽前山をぐるりと一周して　樽前山　と　風不死岳　の分岐に戻った。
この段階で昼の12時を過ぎていて、朝からすでに6時間以上が経過していた。　 　



分岐から程なく　砂れきのコル　にでる。　ここから見上げる　風不死岳　が大きい！



砂れき地帯だがグリーンも多く、あたり一面にカーペットのように植生しているのは　シラタマノキ　のようだ。



その群落のところどころに背高のっぽの　イチヤクソウ　が咲いている。　　



さらに、トレイルを隠すくらいに密集したシダの群落を通る。



そんな花園？植物園？が終わり、いよいよ風不死岳への急登が始まる。　　



963mのコブまでの途中にはフィックスロープの張られた岩場がある。　　
朝からの疲れもあり、このあたりが本日一番苦しいセクションだった。　



足を止めて息を整える。　トレイル脇に咲く綺麗なツツジの花に癒される。　　　



そして、砂れきのコルから150m程の標高差を登り上げて　963mのコブ尾根　にでる。　



ほっとしたのも束の間、ダケカンバの美しい林から見上げる風不死岳方向は、まだまだ高い。　



しかし、夏の　風不死岳　はたくさんの植物で賑わい、変化のある風景が堪能できる。



この光沢のある植物は　フッキソウ　だね。



そして、この岩稜を登りきったピークが・・・ニセピークだった・・騙された！　



ニセピーク　から見る　樽前山　は、溶岩ドームを中心に外輪山の全容が見えて圧巻である。



ニセピークまで登れば本峰はもう目の前だ。



足元に咲く　シロバナニガナ　の蕾がピンク色で可愛い。　　



そして、待望の　風不死岳（1102m）　に到着！　ふぅ～疲れた～　　



西に　支笏湖　の大展望が広がる。　ここまで頑張って登ってよかった～と思える瞬間だ。
次回は（・・って、いつになるか分からないが・・）対岸にそびえる　恵庭岳　から　風不死岳　を見てみたいな～



さて、下山は　北尾根ルート　をとるが、右手に深い谷を見ながら急な尾根を降るコースである。　



岩場にも、ザレ場にもフィックスロープがベタ張りだ。　　　



しかし、北尾根コースは、風不死岳登山のメジャーコースだけに1合目ごとに標識が付けられていて、トレイルも明瞭である。　　



泥の急斜面にもフィックスロープが張られてあり、大変ありがたい。　



7合目の下、　807m付近にある展望台？　からは、支笏湖と恵庭岳　が目線の先に見える。



6合目から3合目までは自然林の中を進むが、トレイルの脇に丈が1mくらいある大きな花を発見！　ラン科の花のようだが初めてみる。　　
これは　オニノヤガラ　という花で、光合成は行わず、葉緑素を持たない腐生植物らしい。　　



そして、2合目から下は、緩やかな針葉樹の森となる。



最後はパーキングへのショートカットルートで　風不死岳北尾根ルート登山口　に帰り着いた。


苔の回廊から1日で　樽前山　と　風不死岳　を歩くコースは健脚ハイカー向けだろう。
加えて、私が訪れた7月下旬は、日本本土（本土のことを北海道の人は内地というらしい）は梅雨明け後だったが、
北海道は　蝦夷梅雨　というレイニーシーズンとなるらしい。が、この日はいたって良いお天気で、とても暑かった。　　
低山ハイキングだし、北の大地だからと油断してしまったが、水をもっと用意して登れば良かったと反省した。


本ルートのマップ は下記のヤマレコのリンクをクリックしてね　(^_-)-☆　

私のこのトレイルへの評価：　4★ 上級者向け
距離：約20km　　　標高差：約850m（累計標高差：1350m）
所要時間：休憩込で約10.5時間 （風不死岳北尾根登山口 5:30‐楓沢出合‐樽前山・風不死岳分岐‐樽前山東山P 10:20‐樽前山西山P 11:10‐
樽前山・風不死岳分岐 12:00/12:20‐砂礫のコル‐風不死岳 14:00‐8合目‐見晴台 15:00‐風不死岳北尾根登山口 16:00）




おまけ 【ウトナイ湖】　

苫小牧フェリーターミナルから10kmほど北東にある　ウトナイ湖　は、周囲9km、平均水深0.6mの浅い湖で、周辺は、原野、湿原などで形成されている。
それらの環境によりウトナイ湖は、動植物、野鳥の楽園ともいわれ、バードウオッチングや自然散策など、四季折々の自然や野鳥とのふれあいが楽しめる。
特にガン、カモ類やハクチョウなどの渡り鳥の集団渡来地として知られていて、国指定鳥獣保護区に定められ、ラムサール条約の登録湿地にもなっている。
道の駅ウトナイ湖　が隣接していて、ウトナイ湖を一望できる展望台もある。

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